自分探しの旅はいらない。マインドフルネスで本当の自分に会える。

マインドフルネスに関する本を読みました。「自分探しの旅」に出る若者に対して、僕はマインドフルネスを取り入れることをおすすめしたい。

サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法

身体や心のセンサーにアクセスしてみるイメージ

身体や心には、高性能なセンサーがある。ただ、すべてを常にオンにしていると大変なので、平常時はオフになっていると考えてみよう。

例えば、イスに座った状態で、「今、お尻にはどんな感覚があるか?」と自問自答してみるだけで、その感覚をハッキリと自覚する。

通常は無意識にあるので気づかない感覚に対して、意識的にアクセスすることで、自覚する。それが、マインドフルネスのイメージ。

ちなみに、マインドフルネスについての本書での定義を紹介。

マインドフルネスとは、特別な形で注意を払うことを意味する。それは、意図的に、今の瞬間に、評価や判断とは無縁に、注意を払うことだ。
–ジョン・カバットジン

このままだと理解が難しいので、僕は「身体や心のセンサーにアクセスすること」と解釈しました。


マインドフルネスは脳トレ。脳を鍛えてセンサーの感度を上げる。

「注意」や「意識」を司るのは脳。マインドフルネスは脳機能を鍛えるトレーニングのようなもの。実際、マインドフルネス瞑想で脳機能がUPしたという研究もあるとか。

なので、マインドフルネスを継続すればするほど、センサーの感度は上がり、感情や身体の変化を敏感に察知することができるようになる。

感情が変化するシーンを考えてみよう。

「仕事で何かを達成したとき」「誰かに罵られたとき」「ステキな女性を見かけたとき」

嬉しいできごと、辛いできごと、プラスもマイナスもさまざまだけど、「感情の変化は新しい刺激を受けたときの自然な反応」といえる。

つまり、好きとか嫌いとか、嬉しいとか悲しいとか、得意とか不得意とか。自分が何に対して、どんな反応をするのかを知る助けになる。


マインドフルネスで高まる自己認識の能力

「おもしろい!」「どうでもいい」「ステキ」「見苦しい」など、日々、さまざまな感情が湧き起こる。

わかりやすいときもあれば、なんとも言えない、説明の難しい感情もある。

「このままいくと、うまくいかなさそう。さて、どこに違和感を感じる?」
「自分でビジネスを立ち上げたいが、何をやりたいのだろう?」
「一生を添い遂げるパートナーと出会いたい。でも、自分の好みのタイプって何だろ…?」

など、振り返ってみると、いろいろなことに悩み、考え、なかなか結論が出しにくかったりする。

理屈やデータではなく、自分自身が感覚に対する疑問、問いである。ヒントはくれても、誰も答えは教えてくれない。どこに答えがあるかというと、自分自身の中にある。

マインドフルネスによって得られるものは、その答えに近づくための「自己認識の能力」である。

日々、日常生活の小さなできごとに対してマインドフルになってみる。道端に咲く花や、清々しい風、心地よい日差し。そこには、どんな感情を感じるだろうか?

センサーを磨いた自分自身だけが答えてくれる。