刻ノ霊

{刻ノ霊}時間を操作して記憶を辿っていた霊に、であってしまうという話。

わしは3日前に死んだばかりのものだ。死んだわしの体は、いかにも幽霊のようだ。白い肌にボロボロの服。クロムハーツのシックな指輪がギラリと光っている。死んでからというものの何故かわからんが昔の自分を見せられている。父とサッカーをしたとき、温かい母親の手作り料理を食べたとき、仲の良い友達と河川プールに遊びに行ったとき。
 
 公園の時計の針が午前2時を指している。
近くの街灯が不気味さを増している
昔私が住んでいた家が見える。
この時間帯になるとあの恐怖をよく思い出す。小さな窓のカーテンの隙間からベットに寝そべっている青年の顔が見える。(あぁ。懐かしいなぁ〜。)そっと忍び寄る。

<18歳のあの頃の思い出>
真夜中のことだった。俺は冷たい何かを感じた。枕元にあったスマホで時間を確認する。(午前2時。寝よ)もう一度布団を深く被せて眠りについた。

カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ………………………………
不穏な音に目が冷めた。トイレに行きたくなった俺は、部屋の扉を開けた。すると、1階から薄っすら光が差し込んできた。不思議に思った俺は、静かに階段を降りた。まばゆい光に目をこすりながら光の元を恐る恐る見るとそこには酔っ払った父の姿があった。
俺「こんな時間に何してんだよ。」
父「’んだ0まえ(&rO!(&ろ!$”た)’!」
(酔っ払って何言ってんのかわからん。)
俺「電気消して早く寝ろよ。」
父「(&ろ!(&RO!!!」
こっちを向きながらまた変なことを言う父に呆れ自分の部屋に戻りベットに横たわろうとした。その瞬間、窓からかすかに気配を感じた。何かが揺れているような気がした。全身が凍りつくような寒さに見舞われ心臓の音が空気を震わせる。咄嗟に布団に潜り眠りにつこうとした。しかし一向に眠りにつけない俺は、恐怖に見舞われながらも恐る恐る布団の隙間から窓際を見た。そこには、sickで白く細長い手があり、充血した目に銀色に光るリングが俺の頭にスッーと迫ってくる。




*父親の話している記号をキーボード上で訳すと何を言っているのかわかる。なんだおまえ→’んだ0まえ やめろ→(&rO! やめろ→(&ろ! しにたくない→$”た)’!


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