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街を歩くこと
地方に引っ越してから約2年。引っ越してからは車移動が多く、徒歩10分以上かかる場所へ行くにはいつも車を使っている。
こないだ、iPhoneのヘルスケアアプリで毎日の歩数を見ると、あまりの歩いてなさにびっくりした。一日籠もって作業をしている日は、なんと歩数が3桁の日もある。このままではいけない。後悔している自分が未来に見える。ふと始まる徒競走に負ける自分が見える。いつも鍛えていればもう少し早かったのに。仕事なんていくらやったって身体の機能があがるわけではない。なんで仕事ばかりしていたんだろう。仕事なんか意味ないじゃないか。わかっていたのになんで行動しなかったんだろう、と。
ちょうど「この街に暮らすとはどういうことか」ということを考えていたし、コーヒーもなかったので、徒歩20分ほどの一番近いコーヒー豆屋さんまで歩いてみた。(そして、ここまで理由をつけないと歩かないのかと自分に落胆もする。)
歩いてみると、いつも車で走っていた道が驚くほど違う道に見える。ここに野球専門のスポーツショップがあったんだ。ひらけていて画になる風景があるなあ。立ち並ぶ住宅のお庭を覗くのも楽しい。この道の裏側にこんな建物があるのを知らなかった。
歩くだけで街を見る目線が変わったのを感じて、歩くってすげえなと思った。街がまるで違う。どこに何があるのかとか、どういう人が歩いているのかとか、今まで見えなかったことが見えてきた。そうすると、自分が住む街に少し愛着が湧いた。細かい風景に感動することもあるし、住宅や歩く人から街の色が見えてくる。
僕は車に乗ることを楽しむほうだけど、車社会に対しても「これでいいのかなあ」と思う。排気ガスもすごいし、まず危ない。運動不足も招く。さらに歩かないことによって見えないものがたくさんあるということに、ちょっと考えさせられた経験であった。
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