大人になること part2?


生い茂る木々と、少し熱を含んだ風が、夏を感じさせる季節になってきた。

最近は通り雨が多いから、止んだ後のじんわり残るコンクリートの匂いが、懐かしさを彷彿させる。

ああ、青春のまっただか中にいたんだなあとしみじみ感じながら、奇怪じみた講義室の席につく。

眠気も残り、今日は何しようか、今後の予定に合わせてこれをやんなきゃとせかせかしていると、ザワザワしだす学生の音に、迫る中間テストへの焦りを感じさせられていた。

俺は今、間違いなく今を生きている。

生きていくにつれて、世界は具象的なものから抽象的な現象で溢れかえっていく。

気がつくと、目の前で起こっていく出来事がどうしようもないものから、どうということもないことに少し寂しさを覚える。

経験を糧に生きていくことは楽なことだが、それで溢れかえることには興奮とワクワクは消えていく。

楽しく生きていくには、真新しいことに挑戦していくことなんじゃないか。

自由になることの引き換えが、もう既にあったもので埋め尽くしていくよりは、常に悩んで感動して、試行錯誤していく方がきっと色褪せているはず。

歳を重ねて、色々なことに耐性をつけて安心するよりも、自由を活かした真新しいものに目を向けて生きていければ、きっと今この瞬間も青春と言えるような時間を過ごせるだろう。

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