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LAMP IN TERRENの「カームダウン」

眠れない夜を抱えて歩いている
何もかも置き去って 遠くへ
頭の中がいっぱいでうるさくてかなわない
両手広げてバランス 大丈夫

LAMP IN TERREN「カームダウン」

これはランプインテレンの「カームダウン」という曲の冒頭だ。全体としては自信を持てない男が夜道を歩きながら自分を励ましている歌だ。男は「カームダウン(落ち着け)」と繰り返している。おそらくこの散歩の前には積りに積もった自分を揺るがす出来事があったのだろう。それでも男は自分を丁寧に励ます。それは正しいやり方だ。男が頼りにしているのはいつでもやっている機械が主役のランドリーや自動販売機だ。誰もいないけれど人の温もりを感じる場所。そうした場所をたどるのは、無駄ではない。体は心とつながっているからだ。私は「両手広げてバランス 大丈夫」という歌詞が好きだ。人は誰でも揺らいで生きている。そしてこれでやれるという支えがほしいのもまたよくあることだ。

宛もなく飛び出しても ここはどこだろう
どこにも行けない僕だ

LAMP IN TERREN「カームダウン」

心の中がザワザワして落ち着かず、思わず外に飛び出すことはある。しかし本当に落ち着きたいのは体であって、心はそれを反映しているに過ぎない。そしてどこかへ行きたいのだが、どこかはどこにもない。どこかは心の中にあって、ザワザワしているのは体で、その体がある現実というところは、思い通りにはならないからだ。

男は最終的に落ち着き始め、帰ることを決める。私はこの歌を聴くたびに、人間はどうして簡単にできていないのだろうと思う。小さいことも体いっぱいで表現してしまう。心が直接言葉にはならない。それには体と言葉と相手というどうにも噛み合わない仲間とやっていかなくてはいけない。そんなとき私たちも「落ち着け」というだろう。「カームダウン」のリフレインが心地いい。

まとめ

  • LAMP IN TERRENの「カームダウン」という曲は心温まるいい曲である。

  • その曲の中では一人の男が、ランドリーや自動販売機を経由しながら歩いている。

  • それは誰もいないけれども人の温もりを感じられる場所である。

  • 男は「落ち着いて」自分を、状況を「見つめてみる」。

  • 最終的には心は体にともなって温まり、帰ろうという気になる。

  • 「カームダウン」のリフレインが心地いい。

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