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【一線を越える<上>】

【一線を越える<上>】

現状を保つ限界を越えた行動をする。
それをすれば今までとは全く異なる状況となる行動を取る。<広辞苑>
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ウチのレストランの常連にはグンダと呼ばれるヤクザもいる。レンストランでは夜遅くなるとリーダー格の中にはマネージャーに外の通りを覗きに行かせ敵のグループがいないことを確認させてから帰路へ向かう者もいる。

「自分もいつ殺されるか分からン~」なんて悲しそうに言ってるのだという。いろいろ一線を越えて徹底にやってきたので今度は自分の番だろうなんて怖がってるわけだ。

このように一線を越えてしまうといろいろ大変なことも多いと思われる。それでも、このグンダたちの“あり方”には稽古としての視点では反面教師として学ぶとこもある。

つい先日、ウチのカフェのテラス席でグンダの大将が些細なことで仁王さんの如く怒り狂った。副大将の頭を平手打ちで席から転げ落ちるほどブチかました。180センチはあるだろうが髪が逆立ったようになりなかなかの迫力だった。個人的にはオーラの如くに周囲の間がちゃんと締まってるのが良いと思った。

副大将はひたすら冗談だと言い耐えていた。したたかブチかまされて席から何度も転げ落ちながらも携帯を眺め相手にしなかった。他のメンバーは見ない振りをしていた。これらは群れの掟に従う本能的な人間のお決まりの一連の反応だろう。

私は傍でクールにジッーと眺めつつ観察していた。後でネパール友人からはそんなもの見るな相手にするな逃げてくれ~と怒られた。ネパール人と言うのはこの社会が実に不条理だらけで暴力的に強い者が支配すること本能的によく知り尽くしているところある。

不条理を改善するよりもうまいこと受け入れつつ生き残れである。

日本や西欧社会のように洗練された“嘘”で巧妙に本音(本能)が隠された社会ではなく、グンダ、マオイスト、メジャー政党、軍隊、警察、官僚などなど、お上は利己的にして本能丸出しで動いてるのが日常で分かりやすく見れるし場面場面で実感できるのがネパールである。

だからこそ大衆は多分に保守的であり利己的でありモラル無く嘘まみれ。そして、こういう風景を見るにつけてネパールだけでなく世界においても支配層とそれに従う大衆の本質はこのようなの形態だろうと思われるのである。

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