見出し画像

デュエプレナーフ・殿堂解除選手権 ランクB その1


前置き

 こんにちは。アナダムドです。デュエルマスタープレイスは、毎シーズンマスター~レジェタッチするくらいの熱量でプレイしています。Xでも日々デュエプレに関することをつぶやいておりますのでフォローのほうお願いします。また、記事の内容が良い・好きと感じましたら、是非拡散をよろしくお願いいたします。意見感想等あればぜひXにてお寄せください。

 また更新の間が空いてしまい申し訳ございません。私生活のほうで忙しくてなかなか執筆の時間をとれていませんでした。私受験生なもので夏までにはこのシリーズ書き上げたいなと思っているところです。極力毎週投稿いたしますのでご容赦ください。

 前置きはこれくらいにして、以下本記事の主題に移ります。本記事は、紙のYoutuber flat工房@flat-氏の大人気企画「殿堂解除選手権」のデュエプレ版となります。現在の時点でナーフまたはDP殿堂入りとなった全24枚のカードを、後述する評価基準でS~Eまでの6段階に分け評価し、そのカードが規制に至ったプロセスと、元の能力に戻った場合に環境に与える影響について考察していきます。

ランク表について

評価基準

ランクS 明らかにおかしなことが書いてあるカード。特に、持つ能力が概念的に禁忌である、または高いインフレ耐性を持つカード、またはその両方に属すカード。

ランクA 超強力なカード。解放されるとトップメタに食い込み、環境を歪ませるカード。

ランクB 強力なカード。デッキの主軸となり、そのデッキを環境に押し上げるパワーを持ったカード。

ランクC 現環境的に適正なパワーを持つカード。単体でデッキを組むにはやや出力が劣るが、相性のいいカードやメタゲーム等との嚙み合いによっては大きな活躍をしうるカード。

ランクD ややパワー不足が否めないカード。解放しても環境に大きな影響はないが、主軸としたデッキでマスターは狙えるカード。

ランクE 将来的にも活躍の目がないカード。使用機会があるかはわからないが解放してあげてほしいカード。

 ランクSに関しては、デュエプレが紙に比べてカードプールの拡張が早く、「許されないカードパワー」のライン変遷が早いことから、インフレ耐性と効果の特異性に主眼を置いた、他ランクの純粋なカードパワー比較とは若干異なる評価基準となります。呪術廻戦でいうところの特級術師みたいなもん。

ランクBのカード

ランクB 強力なカード。デッキの主軸となり、そのデッキを環境に押し上げるパワーを持ったカード。

ということで、ランクBのカードはかなり強力であり解除はなかなかリスキーとなってきます。1枚でデッキの核となり環境レベルまでそのデッキを引き上げることも多いカードですがAランクと比べるとやっていることはまだ常識の範疇といった感じです。
 また、これ以降のカードは筆者としてもかなり思い入れがあるため文章量が増え、カードの枚数もそれに伴い小刻みになります。それでは行きましょう!


インフェルノ・サイン

キリコ・ビジョン・ロマネ・大地に続く紙からナーフされてなお許されなかったシリーズ

インフェルノ・サイン VR 闇文明 (6) 呪文 DP殿堂入り
・S・トリガー
・自分の墓地からコスト7以下の進化ではないクリーチャー1枚をバトルゾーンに出す。

DMwikiより

 10弾戦国武闘会でリリースされたカードです。効果自体は淡白であり、S・トリガーを持ち、非進化の7コスト以下のクリーチャーを墓地から蘇生します。同期にはデザイナーズコンボである〈邪眼皇ロマノフI世〉や環境を大きく変えた〈ザンゲキマッハアーマー〉やナイトの基盤が収録されています。

 このカードは、リリース当初から〈邪眼皇ロマノフI世〉〈ザンゲキマッハアーマー〉と組み合わせて《ロマノフサイン》というデッキでtier2~3くらいのまずまずの活躍を見せます。

デスゲ→サイン

 《デイガロマノフサイン》。豊富な受けで安易なビートダウンを咎めつつ、〈ザンゲキ〉を設置し〈ロマノフ〉+〈サイン〉の連撃で一気に殴り切るメインプランに加え、〈ザンゲキ〉+〈イエス〉での制圧や〈ゲキメツ〉を活かしたコントロール、〈バキーン〉による妨害等の幅広いゲームプランを持つミッドレンジデッキです。

 かなり万能寄りのデッキでしたが、同時期に《デイガ武者》というほぼ上位互換となるデッキが存在していたこと、それにより環境デッキにクロスギアメタが標準搭載されていたことから環境では苦戦を強いられました。

 その後は初期の《MRC》に採用されます。〈ヴィルジニア卿〉〈デッドリー・ラブ〉と併せて〈MRC〉を繰り返し使いまわしていました。詳しくは前回の〈ヴィルジニア卿〉の記事をご覧ください。

 しかしカードプールが充実するにつれ〈インフェルノサイン〉は〈デスゲート〉などに取って代わられていき徐々に環境から姿を消していきます。いかんせん6コストにナーフされたことが響いており、プレイヤー間では「わざわざ墓地つくる手間かけて6コストでサインから蘇生するなら1コストしか変わらないし手出しでいいよね」といった共通認識ができてきます。
 一応攻めとして〈アルバトロス〉、守りとして〈ジャックアルカディアス〉を筆頭とするトリガー獣を〈サイン〉で蘇生する《5cサードニクス》は存在しましたが、それも使用難易度の高さも相まってあまり環境に影響は与えませんでした。

開発者hyskn氏のnoteより

 ちなみに私はこのデッキがめちゃくちゃ好きでよく使ってました。〈HDM
〉を〈クズトレイン〉で解体してる時が一番楽しかったです。

 そんな〈インフェルノ・サイン〉でしたが、2024年に入ると元殿堂カードの本領を発揮し始めます。〈サイン〉を使った2つのtier1級のデッキが相次いで開発されたのです。

 1つは《シバカゲワンショット》。《黒緑ザビミラ》とも呼ばれます。動きはシンプルで、墓地肥やし付きのブーストをプレイし〈シバカゲ斎〉の効果を起動。一気に墓地を肥やし〈サイン〉から〈バベルギヌス〉〈ウラミハデス〉を大量展開し〈ザビミラ〉で〆るというもの。5~6ターンには安定してキルできること、そして何より相手の動きに付き合わなくてよいアンフェアデッキなことも相まって一躍環境トップに躍り出ます。

デスゲート→サイン

 このデッキにおける〈サイン〉はコンボの起爆剤として最軽量なほか、貴重なトリガーとして速攻対面にワンチャン(シバカゲ斎だけに)を掴む、デッキの弱点を補ってくれるカードでもありました。しかし、このデッキは見ての通りの受けの薄さ、マナ武装の都合による初動の貧弱さがネックとなっており、次第に環境から姿を消していきます。

 そしてもう一つは、このカードがDP殿堂入りした最も大きな要因となるデッキ《サインシューゲイザー》です。

残り3枠がサイン

 このデッキは本当に凄いです。デッキの設計思想が極めて異質であり、なおかつその思想を地雷デッキどころか環境トップレベルまでにチューニングしきった構築力は圧巻の一言に尽きます。
 このデッキの動き方を簡単に説明します。序盤は手札と墓地を整えつつ〈シューゲイザー〉を墓地に落としながら〈ロビー〉を筆頭とする小型で盾を刻みます。そして状況に応じて盾を仕込みながらトリガーもしくは手打ちの〈サイン〉、あるいはそのまま手札から〈シューゲイザー〉をキャストし、状況に応じて盾に〈クロック〉等を埋めながら殴り切ります。

 このデッキの何が異質かというと、まずブーストが1枚も採られていません。当時の環境のトップメタは《モルト王》であり、安定して5tにある程度トリガーをケアしたリーサルを叩き込んでくるため、当然普通にしていると6マナ〈サイン〉なんて待ってはくれません。
 また、〈ヨーデルワイス〉や〈逆転王女プリン〉といった〈シューゲイザー〉から打点を伸ばすカードはほとんど採用されていませんしなんなら〈シューゲイザー〉は3枚なのに〈キリュー〉は4枚です。事実、以前の〈シューゲイザー〉の構築は以下のようなブースト+シューゲイザーパーツ+トリガーといったパターンが定石でした。

テンプレシュゲモルト

 しかし、このデッキは”トリガーに全幅の信頼を置く”というデッキ構築段階での決断によって従来の《シューゲイザー》とは一線を画すデッキパワーを手に入れました。

 頻出するパターンとして、《サインシューゲイザー》側が早期に墓地を整えながら刻んできたときあまり有効ではないトリガーを消費してしまい、いざ反撃を試みる際は墓地の〈シューゲイザー〉からのカウンターを警戒するためケアのためレンジがどんどんと後ろに伸びて結局《シューゲイザー》側の途切れない打点に圧殺されてしまうということが起こります。
 受けの強さと粘り強いリソース・ビートダウンを武器に、相手を自らの土俵に引きずり込むことこそがこのデッキの神髄なのです。

 〈ロビー〉への対処の困難さや環境内に直接カードのプレイを咎めるカードが少なかったことも相まってこのデッキは主に強豪の間でシェアを伸ばしていきました。
 そしてその地位を確固たるものにする事件が起きます。ヤツの実装です。

NEXT or 王論争とかイージスブースト論争とかいろいろありましたね

 〈超戦龍覇モルトNEXT〉。圧倒的なカード人気を持つこのカードは、生成が可能なDCGのシステム、当時成金デッキの象徴であったほど高額だったため組みたくても組めなかった層の存在と相まって圧倒的なシェアを獲得。ミラーの先〈ハートバーン〉ゲーのあまりのクソゲーさにXに怨嗟を垂れ流す人が大量に観測されました。

間違いなく歴代一異常な環境
BEANS様より

 しかもそのシェアは1週間が経過しても40%前後を維持しており、明確な環境の中心として《モルトNEXT》は居座ります。そんな環境の中、対《モルトNEXT》に真っ先に名乗りを上げたのが《サインシューゲイザー》でした。

 いかにドラゴンを展開されようと盾からの〈シューゲイザー〉+〈クロック〉で攻撃はすべてストップし、《モルトNEXT》の薄氷のような受けを易々と貫通できるこのデッキは一般ユーザーにもシェアを伸ばし、一般に環境トップの一角として認知されるようになります。
 その後〈悠久〉や〈ダイハード〉の投入・増量により《モルトNEXT》側も抗おうとしますが、〈デスゲート〉の存在もあり結局《サインシューゲイザー》側が有利だったと思います。

 順風満帆のように見える《サインシューゲイザー》でしたが、ここで逆風が吹きます。同じく《モルトNEXT》への対抗馬として名乗りを上げた《白単天門》《UKパンク》に勝てなかったんですね。

シール・ド・レイユとバラディオスが激重
チームFTG所属ひんた氏の傑作

 このことから、《サインシューゲイザー》はシェアを徐々に落とすこととなります。

 そんな折《トリガーロージア》なるデッキが徐々にシェアを伸ばします。

残り3枠はサイン

 序盤を豊富なトリガーで凌ぎ、〈ヘブンズロージア〉から〈エンドレスヘブン〉をキャストし盾追加。踏んだトリガー獣を自爆させて盾を増やしながら山が薄くなると〈世紀末HDM〉を投下しゲームを〆るといったコンセプトのデッキです。

 ループデッキを筆頭としたアンフェアデッキを徹底的に嫌ったシステム・カードプールを構築していたデュエプレにおいてこの手のデッキの出現は必然と言えるでしょう。このデッキは対面ごとの勝率がはっきりしており、有利なデッキにはほぼ必勝レベルで戦えます。しかし、同時にこのデッキは「おおよそ勝ち」から本当の勝ちまでがあまりに長いことから極めて高いヘイトを買います。平気でゲーム時間は30分を超えますし、ミラーは2時間を超えることもあるとか。

 対環境デッキに関しては〈ドルバロムD〉に〈エンドレスヘブン〉を剝がされたり〈シールドレイユ〉に強制龍解させられたり〈モルトNEXT〉に閣ループされたりと割と悲惨でしたがそのヘイトの高さからナーフが叫ばれます。
 そして運営もその声に応えて満を持してナーフが施行されました。

 いやお前かよ。〈エンドレスヘブン〉周りのナーフじゃねえのかよと。ホロライブコラボの都合〈エンドレスヘブン〉に触れなかったんでしょうけど〈インフェルノ・サイン〉は身代わりに近い形で殿堂入りすることとなります。
 個人的には〈サインシューゲイザー〉は好きなデッキだったから残してほしかったなとモヤモヤしますね。あと個人的に〈サイン〉殿堂入りさせたったwwwみたいに言ってる某ゆるキャラに対して一番モヤモヤする。〈トリガーロージア〉はオリジナリティを主張できるほど発想が奇抜なデッキだとは思えないし〈サインシューゲイザー〉製作者への敬意も欠けているように思う
 それで今また〈トリガーロージア〉が暴れている現状を見ると正直〈サイン〉は冤罪だろとは思います。

 それはそうと、〈サイン〉の殿堂入りの経緯とカードパワーは別問題です。昨今のインフレにより7コストクリーチャーの単体性能は明らかに上がっています。

ゲームの流れを変える人たち

 それによりわずか1コストであっても早出しする価値が高まっているほか、トリガーとして見た時に提示する裏目もゲームエンド級のものへと昇華されています。要するに、純粋に〈インフェルノ・サイン〉のカードパワーは一線級であるということです。また現在進行形で〈トリガーロージア〉が活躍している以上このカードを返す意義もありません。ランクBが妥当なカードだと思います。

おわりに

 ということで、ランクB〈インフェルノ・サイン〉でした。お読みくださった皆様、ありがとうございました。
 当企画は週1回程度の更新を予定しております。この記事を読んでいいなと思った方はXのフォロー、拡散のほうよろしくお願いいたします。拙文失礼いたしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?