自民党に対抗できる新党は「アンチ巨人党」だ!

お雑煮の出汁はもちろんカシミール

 NHKの世論調査によると、政党別支持率は自民党がダントツ1位で28.4%、2位が立憲民主党で6.5%、以下いろいろあって第10位に「みんなでつくる党」で0.1%。この自民党の圧勝ぶりは、幹部やベテランが裏金で蓄え、女性議員がエッフェル塔で戯れ、若手議員は半裸パーティーで盛り上がって、東大&官僚出身エリート議員はパパ活に精を出していても、大勢には影響なしの数字です。2位以下の政党がイデオロギーの壁を超えて合掌連合できればいいが、自分たちで結党時に作った党則や方針から相いれないところも大きいのでしょう。
 しかし、このままでよいのでしょうか? 失われた34年は、ピケティの言う人口ボーナスの効果が失われたことも大きかったですが、この国の政治の問題も大きかったと思います。

 歴史において、暗殺は往々にして世情を変えることがあります。幕末維新や昭和初期は暗殺が横行し、時のリーダーを失いその後の歴史に多大な影響を与えています。
 1年9か月ほど前の安倍元総理の暗殺は、その動機や目的がなんであろうと、あってはならぬ出来事です。しかし、その後の非情な歴史の転回は予想を超えていました。
 統一教会と自民党議員のつながりから始まり、裏金問題で、あれよあれよという間に最大派閥安倍派の解散にまで至りました。まさか、という坂を一気に下った気分ですね。

 野球で譬えると、四球や失策で次々と失点を重ねる現政権ですが、自民党に代わる勢力はどれも手垢もついて新鮮味も勢いもありません。立憲民主党とか、シンプルに民主党の頃が良かったし、維新の会も勢いが出てきたかと思ったら、万博でつまずきそうです(大阪ノリで「東京五輪も1年延期しはったから、大阪も1年ずらして能登半島応援しましょう!」といえば拍手喝采だったかもしれません。昔の青島都知事の「都市博中止!」もカッコ良かったですよ)
 そこで僕が思い立ったのが、自民党に対抗できるかもしれない新党として「アンチ巨人党」を立ち上げるというものです。
 とにかく、過去の権威に乗っかり自分たちが一番であると信じ込んでいる組織や存在を、みんなでマーチを奏でながら「巨人を倒せ!おー!」とシュプレヒコールを上げる政党です。
 党則はたったひとつ「巨人を倒せ!」のみです。これなら様々な勢力が賛同しやすいでしょう。
 前もって言っておきますが「読売」とは一言も言ってません。漠然としたイメージの「巨人」です。したがって、ジャイアンツでもタイタンでもありません。この新党が結成されたら、朝日新聞は天声人語でもっともらしく「巨人」の中に内包される意味を掘り下げてくれると期待しています。
 党首は、渡辺謙さん。ダメならイチロー。ダメなら、オール巨人さんでも(ちょっと弱いか)。元オリックス・バッファローズの宮内オーナーとかもいいですね=野球のイメージを前面に出すのは良くないですが、昔の大島渚とか野坂昭如とかのようなイコンがいない時代なんですよ。他としてホリエモンか泉房穂かな?
 衆議院の小選挙区は無理でも、比例代表ブロックでは、近畿、東海、中国、南関東(横浜)、そして東京ブロックでも1人くらい当選者が出そうな気がします。
 勢いが付いたら参議院は全国区含めて強気に候補者立てます。おニャン子クラブやSPEEDから議員がでるのが、この国に政治家の実状。川藤さんにも藤川さんにもチャンスがありますよ。
 本当に立党してしまったら、自民からも共産党からもこちらに入党したいという人も出てくると思います。なんか楽しそうだから、という理由で。
 ただし、内情は11の派閥に分かれていて、ドロドロしているかもしれません。特に虎派とオリ姫派は仲が悪そうです。

 僕自身は、入党も活動もしません。なぜ?
 政治家ほどコスパの悪い職業は無いからです。
 衆人環視、プライベートは絶えず狙われており、資産は毎年公開、すべての発言はチェックされ、もし選挙に落ちたらすべての利権を失うから議員の間に私財を蓄えようということになってしまいます。それでいて、森さん、小泉さん、安倍さんクラスでさえ、孫さん、柳井さん、ニトリの似鳥さん、靴のABCマートの三木さんとかよりはるかに低い収入です(たぶん)。

 40年くらい前に見た報道特集で「潜入プレッピースクール」みたいな番組がありました。いずれ、アイビーリーグの大学に入りUSを牛耳っていくだろうエリートの高校生たちの実態を紹介する番組でした。
 そこで日本の記者の「将来は貴方たちは何になりたいの?」という質問に一人の子が「もちろんハーバードを出て政治家だよ。そして、アメリカや世界をより良い世界に変えていくのさ!」と答えて、まぁなんと優等生な!と思っていたら、発言後その子が「プッ」とふきだして、周りの子たちもいっせいに大笑いしていました。
 あれから40年。USは80歳くらいの白人の老人同士がののしりあいながら戦っています。大統領選は4年ごとにあるとわかっているのに、代わりになる真っ当な候補がいないんですよ。だって、政治家はコスパ悪すぎますから、変な奴しか目指しませんよ。プチ封建制国家日本は世襲という仕組みでそれを補っていますが……

 80年以上前に書かれたシュンペーター晩年の『資本主義、社会主義、民主主義』は、改めて評価されるべき名著だと思います。いずれどこかで書きますが、シュンペーターは一刀両断しています。資本主義下での選挙における有権者は公益よりも消費者としての自己の利益を優先する考えが強く、そのために社会全体への責任感や判断力に欠ける、と。
 シュンペーターが予言した「資本主義はその成功ゆえに失敗する」が正しいとすると、日本はまだまだ資本主義成長期の途中です。この先、ますます富めるものと貧しきものとの差が広がっていきます。それでいいのか?それを打破する方法はいくつかあると思います。例えば、賃金を上げて可処分所得を増やし、物価も上がるが「金が回る」ようにする。銀行や自宅にほったらかしの現金もどんどん流通させるようにすれば、貧富の差は残るかもしれませんが、全体は底上げされます。いたずらに人との比較するのやめればいいのです。
 そのためにも、既得権益に乗っかている「巨人」たちを倒さなければなりません。アンチ巨人党の登場ですね。細かい党則は不要。「巨人を倒せ!おー!」で充分です。
 あ、そういえば、故安倍元総理はアンチ巨人でしたね。ご存命なら、きっと党首になってくれたかもしれませんね。そっちの方が楽しそうと


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?