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ちがい

3月1日、久しぶりの現場に一日いた。
こんな路があったかな。定期的にこないとダメだな。
ラーメン屋がうどん屋に変わっていた。

「和歌山に面白いホテルがあるの知ってますか?」
「いや、聞いたことないな。どんなの」
「普通のホテルは製作費が50億円くらいなんですけど、
 そこは400億円するらしいんです。もうお城みたいです」
「話が大きすぎてよくわからないな」
「分かりやすく言うと、受付ロビーだけで60億円です」
「余計に分からないな」
「じゃあ柱が1本1億円で、内装のソファが200万円で伝わりますか」
「それはもう400億円でも、足りないんじゃない」
「そうかもですね。しかも1980年代のものなんで、今はもっとしますね」
「歴史があるんだ。ぜんぜん知らなかったな。
 まあ高そうだし、一生泊まることはないだろうな」
「そう思いますよね。だけど一番安い部屋で4万円から泊まれるんですよ。
 全部屋スイートルームみたいで、天井は金箔で。
 そう考えたら安いと思いませんか」
「たしかに手は届くけど。金箔の天井は落ち着かないな」
「ぼくは、周り何も無いし、和歌山まで行ってイメージが湧かないです」
「そうかな。和歌山もいいところたくさんあるぞ」
「なにがあるんですか」
「パンダいるし。特産品も色々あるだろ」
「特産品ってなんですか」
「色々あるからな。マジカルバナナ~、和歌山といったら・・・!」
「分かんないですって」
「いや結構強いカードだぞ。水戸の納豆、青森のリンゴくらい強い」
「水戸って納豆なんですか。それすら知らなかったです」
「水戸は納豆だろう。スーパー行けば100%あるじゃん」
「それも分かんないですから。ヒント下さい。果物ですか」
「果物のような、野菜のようなグレーな感じかな」
「グレー?グレーって何ですか。スイカみたいなことですか」
「そういうことじゃないような。加工品のほうがイメージがあるし。
 それそのままでっていうのは、あまりないかな」
「加工品?余計に分かんないですよ」
「二文字」
「分かった!梅だ!」
「そう梅!あいつはグレーだ。果物といえばそんな気もするだろう。
 けど、梅干しとか梅酒のイメージが圧倒的に強いし」
「本当ですね。ああ、スッキリした」

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