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3ヶ月上達法備忘録2(2~3巡目)

こちらの記事の続きです↓

2巡目

Party (not) alone

8/28~9/4
作業時間 30時間前後(作業内容ごとに時間を分けて記録せず)

3ヶ月上達法の中で1番つらかったのは、この絵を完成とした瞬間だったと思う。
前回(1巡目)より明らかに後退したからだ。師匠から遠ざかり、絵としていいわけでもなく、自分の頭の中で描いたものと近いわけでもなく、時間だけはかかった。
色ラフをしていなかったのも原因の1つだと思う。
師匠のインタビュー記事を読み、師匠が色ラフをしていない事を知って真似たのだが、今となって考えてみると表層だけ真似しても意味はなかったと思う。
師匠も「以前はしていたが今はしていない」と仰っていたし、それは師匠クラスだから出来る事で、今の自分には必要という判断ができなかった事が致命的なミスだった(その後6巡目まで色ラフなしで通してしまう)。
絵には適格な判断力が必要だ。それも一緒に鍛えねば。

当時のメモには
”今回は自分と師匠との違いが明確に表れ、より離れた結果になってしまった。
下手になったわけではないと思いたい。
物が多く直線も多い為、真面目さやきっちりさが全面にでてしまった。”
と書かれている。

実際そういう面もあるし、ネガティブ思考にならないよう、言い聞かせてた面もあると思う。

1巡目の師匠との違いは消えるどころが2つ付け足され、

(1巡目から)
・やぼったい
・洗練されていない
・色のまとまりがない
・色が汚く見える
・固有色にとらわれ過ぎている
・線が汚い、太い
・明暗や色の対比、密度のバランスがなってない
・師匠が描くようなポーズ、情景ではない

+(今回新たに)
・堅苦しく、真面目すぎる感じ
・手をかけた分離れる(手数が多い分、感じが離れる)

となった。

問題点1:コンセプト

2巡目では、ツイッターのフォロワー数が200を超えたところだったので(有難うございます!)、それをテーマにしようと思ったのと、せっかく小物練習をしたので小物を沢山描きたいなーというところから始まった。
そうやって生まれた情景を絵にしたが、そもそも情景だの光景だの、物語だの、というのが、師匠を踏襲する上では余計なものではないか?という事に気付く。
師匠は自身の描くイラストをこのように考えているのではないか?
『記号化された少女と○○の異化結合をモチーフとした平面構成』
根本的な違いとして、師匠はイラストを描く時、デザインと思って描いているのではないだろうか?
自分は無意識に絵画と思ってて、立体感や奥行き、モチーフの形の正しさや固有色から離れられない。
そこから抜け出せないから根本的に寄せられない。
そして何より自分は、情景や光景を描きたいと思い、物語を感じさせる絵が描きたいと思っている。この時初めて気付いた。
絵を描く上で、それらは決してマイナスではないと思うが、師匠を真似ようとするならそれは邪魔なのだ。
どんな絵を描こうと、師匠の絵を踏襲する場合の基本的なコンセプトとして、以下の点を意識するようになる。

・記号化された少女と○○の異化結合をモチーフとした平面構成
・もっと無機質に 感情がない 記号 フラット

問題点2:線の意識

線というかフォルムというか。
例えば正方形を描いたとする。

フォルムの違い

このような意識の違いがある事に気付いた(分かりやすくオーバーに描いてます)。
今回直線が多かったので、顕著に表れたのだと思う。
自分の場合、中身を減らすように直線(特に縦線)を描く癖があるようだった。その結果、ギスギスとした雰囲気になりやすい。
師匠の場合はその逆で、丸みがあり可愛い印象。これがゆるさだったり、安心感や福福しさにつながる。
線質によって印象が変わる、線質を意識するという重要性、この時初めて気付く事ができた。
どんな風に感じて欲しい絵なのか、ここは何を表す線なのか、そういった事をしっかりと意識しながら、線質をコントロールしていく。
すぐには反映されなくても、将来的には大きな差になって表れてくるだろう。

問題点3:描画アシストと調整レイヤー

技術的な問題点、大きく2つ。

師匠がプロクリエイトの描画アシストを使っていたのと、家具や小物のサイズ感をきちんと表現したくて、試しに使ってみることにした。
が! まーーー使えない。。。できなさすぎてイラッとする。
結局ほとんど使えずに終わった。
写真を撮り、サイズ感を確認しながら進めたが、最初からそんな感じで良かったのではないかと思う。無理に使わなくても。
今後使えるなら使えばいいし、使いこなせないのなら別の方法でやればいいだけのこと。
使いこなしたいという欲望が問題。
正直そこはどうでもいい、出来上がったものが良いものでありさえすれば。
あまりとらわれずにやっていければと思う。

もうひとつ、師匠の調整レイヤーの意味・使い方がよく分からず、悪戦苦闘。
レイヤーの合成モードの理解がなく、それ故にぐちゃぐちゃ片っぱしから試したりしていたので、無駄な時間とエネルギーを使うハメになった。
この辺はしっかり学べば問題なくなると思うのだが、いかせんやってる最中はキ~~~~ッとなってしまう。
『行きたい所が明確なのに、そこに辿り着けない』という状況が、自分には1番ストレスになるようだ。

問題点4:メンタル

上にもある通り、ストレスがかかるとどうしても冷静になれない。俯瞰してみる事ができない。
その辺を対処できるようになりたいと思っているが、これが難しい。
二巡目から
・頑張りすぎない
・消し具(修正)をやりすぎない
(この行為はかなり正しさに直結してしまう危うさがある)
という項目が付け足された。

作業中、ペットボトルの銘柄をどうしようと悩み、高校生に人気の飲み物を調べたりした。画面に合うものを選びつつも、色やデザインを何となくそれっぽくしている。
やるなら最初に調べればいいのに、途中で調べたため戻り作業が発生した。
恐らく、師匠を見習ってそんなにガチガチにやる必要はないと最初は思っていたのが、やっていくうちにちゃんとやらねば精神が顔をだした為、調べるはめになったと思われる。
こういうところが師匠と遠いのだな・・・としみじみ思う。

2巡後の課題

師匠を身体で取り入れたいと思い、模写をすることにした。
1度ちゃんと模写しないと、とても寄せられる気がしなかった。
メイキング動画が2つネットにあげられていて(自分の知る限り)、コマ送りのようにしながら何度も見た。レイヤー合成や不透明度なども研究し、ほぼ完璧に模写できた(お見せできないのが残念)。

だが、これが逆に囚われてしまう原因にもなる。

3巡目

無限たこ焼き

9/15~9/23
作業時間 13時間前後(作業内容ごとに時間を分けて記録せず)

脱力という意味では3ヶ月上達法中一番脱力感があり、結果的には一番師匠に寄せられたと思う(どの面を取るかでも変わってくると思うが)。
作業時間も1番少なかった。余計な事をしていない分、やはり師匠に近づいたように思う。
色をデザイン的に扱い、散らすように心がけ、色数もだいぶ絞るようにした。
何より師匠が描きそうな感じを頭の中でまず描き、それをそのまま落とし込めたのが良かったのだと思う。
当時はかなり満足のいく出来で喜んでいたが、むしろここからが難しいのでは…と気を引き締めている部分もあった。
似せやすい表層の部分をやってしまったので、ここからが大変というかむしろ本番というか。
そしてちょっと飽きてきている自分がいる。
特に何の縛りもなければこの辺で終わっていたかもしれないが、3ヶ月と決められている事によって課題を深堀りできる。
自分ひとりでは辿り着けない領域に足を踏み込めそうな予感がした。

解説

『記号化された少女と○○の異化結合をモチーフとした平面構成』
はとにかくメチャメチャ意識した。
この○○の中は軟体動物がいいな、と何故か思った。
その時、タコとクリオネが浮かび、師匠っぽく浮かんだタコを採用。
色塗りの最中、床が淋しいなと思ったので、紙を散らす(師匠もよくやってるようなイメージ)。何か小ネタっぽくあると見ていて楽しいので、リュックの隙間にクロッキー帳をしのばせ、絵描かずにサボってたこ焼き食べてる感をだしてみたりした。白紙が活きるかなあという思いもあって(白紙だけだと唐突だから)。
ロゴなどもせっかくなので3ヶ月上達法中的なアピールをする事にした(2巡目から)。
たこ焼きがぶつかってる(?)表現は最初黒線のみだったが、画面が少し淋しい気がしたので色を追加した。多少見映えがよくなったと思う。この時はわりと的確なプラスアルファができていたと思う(基本自分はやりすぎマン)。

問題点を抽出する

1、2巡目終わって自分の絵と師匠の絵を見比べてみた時の印象
 ・やぼったい
 ・洗練されていない
 ・色が汚く見える
 ・線が汚い、太い
 ・師匠が描くようなポーズ、情景ではない
これらについてはかなり改善できたと思う!

 ・堅苦しく、真面目すぎる感じ
2巡目ほどではないが、やはり硬さを感じる。
かなり寄せたと思うのに、硬さが取れない。
何故だろう? それはどこにあるのだろう?
探り続けた結果見つけたのは、『線の引き方』『構図とシルエット』。

問題点1:線の引き方

以前日本画がマイブームだった時、筆で線を引くことができず苦労した。
そんなに美しい線を求めているつもりはなかったのだが、自分の引いた線はとにかく汚すぎて見るに堪えない。
まず線を普通に引けるようにと、毎日毎日線と丸を描き続けた。
直筆で空間を切るように筆を運ぶといい感じに線が引けることに気付き、その後は自分の中の及第点くらいは取れるようになったと思う。
それ以来、線を引く時は意識していなくても空間を切るようなイメージで着描いていた。
今回、それが仇になった。
丸みをつけた正方形を描いても、なんかキリッとしている。
自分はそういう線は好きだが、この場合は当てはまっていない。
気付いた先にも気付きがあり、相当深く連れて行ってもらってる感があった。
自分にとってゆるさは本当に奥深い。

問題点2:構図とシルエット

自分の絵は動きがあまりなく縦線が目につく。反対に斜めや曲線が少ない。
師匠の絵と見比べてそう感じた。
シルエットに関しても、師匠が丸みを帯びているのに対し、自分は真っ直ぐだったり、カクカクした印象がある。
それらが印象を決定づけているのではないか。

3巡後の練習

線については、空間を切るような意識ではなく、側筆でゆるくふんわりのせるようなイメージで描くことを心がけた。
練習というより研究として選んだのは『構図とシルエット』。
単純化して見比べる事で、より具体的になるのではないかと幾つかやってみた。見比べるために自分のも混ぜる(4巡目のも混ざってるが、これは後から付け足した)。

3巡後の研究

こうやって並べると一目瞭然。師匠のはパッと見て目に飛び込んでくるし、何が描いてあるか分からなくても何かカッコイイ!
それに対して自分のはなんかぼんやりして色も濁ってるし、見たいとい気持ちを起きさせない。
は~~~~~~。
何をどう練習すればいいのかは分からなかったので、今回はとにかく気付く事重視で4巡目に向かう事にした。

つづく

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