見出し画像

3ヶ月上達法備忘録4(6巡目~総括)

こちらの記事の続きです↓

6巡目

頑張って走っちゃう人

11/10~15
構想~線画まで:4~5時間
  ~完成まで:20時間弱
   トータル:24時間前後

尊敬する方が制作工程ごとにきちんと時間を計っておられてて、いい所は見習おうと、線画以前・以降に分けてみた。本当はもっと細かく分けたかったのだけど、行きつ戻りつ激しいので、とりあえず出来そうな範囲で。
色塗り~仕上げの時間がおかしいくらい長いので、現状を探りたい。そして今後縮めていきたい、という目的もありつつ。

3ヶ月上達法最後という事で、気負ってしまったかもしれない。
最初に決めた完成させるためのマイルール
・大改修はしない
・工程の後戻りはしない
をめちゃめちゃ破ってしまった。
今まで5枚描いてきたが、段々と自分の進めやすい方向が分かってくる。師匠と同じ工程を踏むのは難しい部分がでてきた。
それもあって、
・基本的に後戻りはしないが、無理に進める必要もない。決定できない場合は先に行ってから戻ってもいい(線画の強弱や黒い部分は後の方が分かる場合も多い)。
としたのだけど、それもあって羽目を外してしまったようだ。
それに、最後だから自分の思うようにとことんまでやりたかった。

絵の解説
空間を切り開いて進んでいくイメージ。絵でどこまでも突き進んでいきたいという、自分がこうなりたいというイメージを描いた。
スピード感、躍動感、颯爽とした雰囲気を出したかった。色は明るく爽やかな感じを目指した。

壮大なる紆余曲折

思う存分大改修をしたので、いつも以上のカーブを描きまくった紆余曲折をご覧あれw

制作途中の紆余曲折

・フードについて
もっと風になびかせた感じの方が良いかと修正したが、結局は元に戻した。
ラインが背景に沿ってて、元の方が絵としてのバランスが良かったのだ。模様の縦のラインも効いていた。
最初から構図とのバランスも考えられると良かった。キャラクターや動きの描写に捕らわれ、その辺のことを全然考えられていなかった。

・背景
キャラクターと背景が同系統の色相のせいか、いまいち目を惹かないな、と試行錯誤。
背景を補色にしたりしてみたが、イメージとそぐわず、だったら太陽を配置してはどうか?とやってみた。
思いの他気に入り、その方向性で行こうとかなりいじった。
太陽の都合上、髪・上着のピンクの色の彩度を下げたり、オレンジのリュックがあった方がバランスが取れるなあと付け足したり。
太陽の線も中心の設定を変えてみたり様々に試してる。

・リュック
軽やかな感じにしたくて最初は無い予定だった。
背景との絡みもあるが、そうでなくてもどうも間が持たないと薄々感じていた。
だから師匠はリュックを背負わせてるのかなーと思いながら、自分も同じ(?)解決法を取る。
リュックの位置は、跳ねてる感じを出したくて最初は上の方に描いたが、構図的におさまりが悪く、下にしたらやりすぎ、またちょっと上に戻す、などここでもごちゃごちゃやっていた。
 
・右足の長さ
最初の頃は気にならなかったが、太陽を入れてバランスを取っていくうち、右足の長さが気になった。
本当はもっと短いはずだが、線画の段階ではこの方が勢いがあっていいと思い、あえてそのままにしていたのだ。
とりあえず正しい長さににしてみる。

結局、背景に太陽を入れるのは最初のイメージややりたい方針(爽やかに駆け抜ける感じ)から離れる、という事でやめる事にした。
太陽をやめる事にしたら、足の長さは今まで通りの方がいいような気がした。形としては正しいかもしれないけど、勢いが消える気がするし、構図的にも悪くなる気がする。
足短いバージョンでいくなら、構図の構成を変えたり(横位置にした方が良さそう?)、操作が必要になってくる。
そうするとまた色々最初の構想からは外れる気がしたので、最初のイメージを優先することにした。
ここでまた元に戻すという膨大な作業が発生。
(※正しさを優先していた前の自分より、絵としての良さを選べるようになった事が成長してる証拠かな、とこれを書いている今はそう思う。途中迷ったり日和ったりしてるところがまだまだだけれども)

後付けで画面の構成を取ろうとした場合、Too muchになりすぎたり、最初の方向性から外れる事が多い気がする。
あまり構成にとらわれない方がいいかもしれない。

てんこ盛りの反省点

・頭の中に浮かんだ時点で師匠から離れていたが、それを自覚することなく進めてしまったのが問題。頭の中に浮かんだ時点で離れてるけど描いてしまった4巡目よりたちが悪い

・人体のフォルムやラインは意識していたが、構図まで気を回せず、結果的に直線的なラインになってしまった(特にリュックは最初ない予定でそこに曲線があるからいいかと思ってたが、リュックを入れた事により、より直線が強調されてしまった)

・配色は自分の頭の中のものを優先、明清色の構成となった。グレー味がないので、そりゃ師匠とは離れる…

・フードのところ、分かりやすさを優先して結果的に三段階の配色にしてしまったが、そうすると立体感がでてくる。師匠を踏襲するなら(デザイン的な画面構成にするなら)それは避けたかった。今になって思えば、装飾で立体感を表現すれば良かったのではないかと思う

・実験したことがあまり活かされていないように思う。全くないわけではないが、10%くらいかな…

・堅苦しく、真面目すぎる感じはそれ程でもなくなってきたが、『頑張ってる感』はやはり全面にでてしまってる

・『記号化された少女と○○の異化結合をモチーフとした平面構成』『フラット』この徹底が難しい

良かった点もあげてみよう

・毎度ぐちゃぐちゃだったレイヤーだが、今回はわりとまとめて管理ができ、作業が少し楽になったように思う

・色味の調整は全部色を置いてからするようにしたので、この段階でのムダな調整時間はなくなった(ちょっと我慢すれば出来る事だった。今まで我慢できなかったっぽいw何か気になっちゃって)

・抜け感のある配色にできた。絵自体は頭に思い浮かべたものと近い

制作途中に残されたメモ書き

・正しいか正しくないかより画面が映えるかどうかの方が大事!!
・色面で構成するという難しさ(これの助けにならないかと思って買ったのが『主線なしイラストの描き方』※未読)
・浅いと思った背景も、調整レイヤー(LbやCb)で調節すれば良かったのかも。そこに微妙にグラデをかければ、各々の彩度を上げるより効果的だったかも
・右足を少し曲線にすればフォルム的に少し師匠近づいたかなあ
・最初できた時色がボヤボヤしてはっきりせず、彩度を上げて調節した。彩度下げることはあっても上げるのは初めて。下げればいいわけでもないんだな、と思った。そういう意味でなかなか適切に色を選べない。枚数の問題か?
・そもそも切り拓く感じとかがもう師匠からずれてるな…。こう、いいと思ったものに集中してしまい、冷静にこれはいいのかの判断が出来ないんだな
・一拍置く習慣。リストを作っておいて、これにちゃんと当てはまっているか?というチェックをする習慣をつければいいと思う
・リュック、さみしいなと思ったけど、そのままにしてしまった。装飾入れればよかった。応用きかないな…
・やっぱ構図が直線的すぎる気がする。師匠は基本ゆるくて、時々どこかにエッジがきかせる印象なんだよな
・洗練はされてきたかなって思う。

メンタル問題と改善点
大変だったわりにおかしな感じにはならなかった。
早く終わらせたい気持ちは強かったけど、保っていられた。

常に前回の反省メモを見返すようにして、改善に努める!!と前回の反省メモには書いてあるのに、これがなかなか出来ない…(この辺は要検証)。

結局、『大改修をしない』という自分ルールはとても理にかなっていたのだと思う。
最初に考えたものは実はバランスがとれている。
そこに大改修を加えてしまうとバランスが崩れ、そのバランスを取ろうとすると違うものになってしまう。
※この辺の問題は色ラフをすれば解決できる可能性高い

アイディアや頭に浮かんだものを反射で描こうとしない事。それは今描こうとするものに当てはまるかどうかをきちんと検証。
※どんなものを描こうとしているのか、まず文字で書き起こす。それに当てはまるかどうかを検証する習慣ができれば解決できるのでは。

6巡後の練習?

背景と調整レイヤーの研究

6巡目の時にまたもや色を適切に置けていない…と感じた。
実験や練習した事があまり活かされていない。
5巡後に練習した時は、出来るようになった!と喜んでいたけど、本当は出来ていないのか?それとも出来なくなったのか?
もう一度背景と調整レイヤーを駆使して、思ったように色を置けるかやってみる。
…できるなあ。
(ちなみにこれらは背景の色を変えただけに見えると思うが、実は調整レイヤーと三角影レイヤーを駆使して、背景とキャラクターのバランスを取っている)
練習だと苦も無くやれる。
本番になるとわけわからなくなるマンに変身するらしい。
この辺も要検証。
※本番を繰り返す事によって自然と改善される見込みも有り。

3ヶ月上達法総括

とにかくやってよかったのは間違いない!
長いようで短いようで…長いような、やっぱり短いような。とにかく濃密な3ヶ月だった。
さいとうなおき先生曰く、厳しく過酷な上達法というが、自分は全くそうは思わなかった。
特に『地獄の時間』とおっしゃられる、自分の絵とお手本の絵を比べる時間。
師匠と比べたら自分下手なのは当たり前だし、むしろ同じ土俵にいさせてもらってる気がして嬉しいくらい、こうやったら近づけるのでは~とむしろワクワクタイムだった。
前半はひたすら師匠を追い、何が違うのか問い続け、後半は自分(のやりたい事)との闘いになった印象である。
やっている最中は過酷ではなかったが、終わってみて、全然出来なかったなーと突然悔しくなった。
でもそれすら、いい意味で欲が出てきたのかなって思う。
まあ冷静に考えれば3ヶ月で激変は条件が整わない限りかなり難しいですぜ。
出来なかった事は多いけど、得られたものも多いし、見えてきたものはもっと多い。

ビフォーアフター

正直なところ、人から見たらそんなに変わってないのではないかと思う。
確かに表層にはっきり見て取れるほどの成長ぶりは残念ながらというか案の定というか見られなかったが、自分の内側では想像以上のステージを垣間見る事ができた。
何よりもこの事が大きい。
これから先、どう動いたらいいか明確になったからだ。
その修練を重ねるうちに、変わり映えするものが出来てくると信じている。

改善が見受けられた部分
・洗練されてきた
・色がまとまってきた
・デザインとしての配色に気を配れるようになった。
・フォルムを意識するようになった(CSI)
・線が洗練されてきた(慣れ?)
・レイヤー分け(慣れ?)

改善が見受けられなかった部分
・分かっていてもコンセプトが違う(師匠が描くようなものではない)
・やり方を踏襲しようし過ぎる(頭?体?に入っていないから。基本が。バカの一つ覚えになってる)
・頑張りすぎる
・フラットにやれない。感情が揺れ動きすぎる。
・修正をやりすぎる

3ヶ月上達法の良かった点、見えてきた自分の問題点

・完成させられるようになった。
絵が完成しないっていってウンウン言ってた頃に比べれば、1~2週間に1枚、1~2週間練習のペースを崩さずやり切れた事がまずエライって思う。
3ヶ月上達法をやっていなければ、未だに絵が完成しないって言っているかもしれないと思うとコワイ。

・絞りこむ事でフットワークが軽くなった
『絞る』という行為は、3ヶ月上達法の真髄の1つとみて間違いない。
なんであんなに描けないって思ってたかって、結局絞れないからなんだなと思う。
師匠を絞り、師匠の描き方に絞り、練習の課題はひとつに絞り。
絞るってこんなに楽だったんだなってビックリ。
無限に可能性があることがいい、とどこかで思っていたように思うけど、それがそもそも間違いなんだなと気付いた。それじゃあ、どこへも辿り着けず疲れ果ててしまうか、どこへ向かったらいいのか分からず立ち尽くしてしまうかのどちらになってしまう。

・他人を通して己を知れた
比較することでしか分からない事もある。
良い悪いではなく、『違い』を発見していく事。
いい作品を作るには画材の特性を知り、それを活かしまくる事だと思っているが、自分も画材の一部。まず自分をよく知ること。
それがなかなか難しいが、他人と比較することでこんなにも自分を知れるのかと今回とても驚いた。
間違いなくこれも真髄の1つだと思う。
1人といわず、数人やってみるとよりはっきり自分が見えてくるのでは。

3ヶ月上達法を通して見えてきた自分の問題点
・反省の活かし率が低すぎる
・同じ失敗を繰り返す
・感情のコントロールが出来ない
(この3つは密接に絡み合ってる)

今後の改善案

せっかくやった3ヶ月上達法を今後に活かすべく、以下の事をまとめてみた。

本番を描く時

・まずイメージを言葉で書き起こす
・時間を設定する
・色ラフ

日頃気をつけること
・復習をする(本番で見つけた問題点の改善)
・インプットとアウトプットのバランスに気をつける(アウトプット少ないのでアウトプットを多めに)
・とにかく沢山描く(質に気をつける事)。本番多めに

勉強した事を使いこなせるようになるには実践が必要で、仕入れたものが活かせないうちは自分のもの(血肉)ではない。
常に全力ではなく、力のコントロールを覚える事。
3ヶ月上達法中のように、1~2週間本番、1~2週間練習、のペースを続けていきたい。


3ヶ月上達法が終わった直後、すぐにまた違う師匠で3ヶ月上達法をしたい衝動があった。そのくらい、この練習法はやみつきになるw
だが、師匠の教えを定着させる為に、もう少しこのまま、自分の血肉になる感覚がしてくるまでゆるゆると続けたい。
今までのようにきつくしばるのではなく、自分のやってみたい方向にゆるく広げたり、時に戻ったりしながら、様子を見つつ、もう3ヶ月くらいつづけてみてもいいかな、と思う。

見守って下さった皆さま、師匠、さいとうなおき先生、本当にどうも有難うございました。
お陰様で、今年はお絵描きが充実した年となりました。

以上3ヶ月上達法のまとめはこれで終了です。
最後までお読み下さり、どうも有難うございました。



いいなと思ったら応援しよう!