3ヶ月上達法備忘録3(4~5巡目)
こちらの記事の続きです↓
4巡目
9/29~10/15
作業時間 20~30時間(計測せず)
3巡目と同時に頭の中に浮かんだ、師匠向きでない方の絵。
どうしても頭から離れず、新しいものをやる気になれず、そんな時は頭の中にあるものをアウトプットした方がいいのか?とやってみた。
結果、デザイン的ではなく絵画寄りのアプローチとなり、やはり離れた。当たり前だ。
まあ、どんなものでも学ぼうとする姿勢さえあれば学べるので、この失敗もいい経験になったと思う。
4巡目途中
最初、思うままに色を塗った時はこんな感じだった。
…ひどい。
コントラスト差がなく、見づらい。
キャラクターを何とか目立たせようと謎の影?を使って工夫しているつもりだが、う~ん・・・???
クリオネも異様に大きい。キャラクター自身をクリオネとして見せたかったのだろうが、画面的に保ってない。大きさも中途半端。
これは大改造要るな、と※内なるさいとうなおき先生に頑張ってもらって長い時間かけて出来たのが完成形。
……
…
や~、でもね、それが出来たことが成長している証だと思う!
今までの自分なら、上の絵になった時点でもうどうしたらいいか分からず投げ出してたよw
(※さいとうなおき先生の添削動画を見まくったお陰で、内なるさいとうなおき先生が育ってきているw ここはどうすればいいんですかね~、先生、と語りかけるとしゃべり出してくれる。便利w)
コントラスト差をつけるためにしたアプローチがデザイン的だったりして、意外と師匠と似たように画面をまとめている部分もあり、表層は離れているが根本的なところは意外と似ている部分もある。
そういう意味では3巡目と逆のものが出来上がった。
良い点と反省点
良い点
師匠に寄せられてはいなくても、頭の中に近い感じでアウトプットできた事。自分の最終的な目標としては、頭の中を出来るだけ損なわずにアウトプットするという事なので、それはそれで良かった。今までイラストでこれだけ手応えを感じたことはない。
あと、色。
色が特に苦手でどうにもままならない思いをしてきたが、自分にしてはなかなか良くまとめられたと思う。
反省点
レイヤーがぐちゃぐちゃしてしまった。
レイヤーを探すのに手間取ったり、間違えて消してしまったり。かなり不都合があった。
・工程をきちんと踏む
・焦らない
・本番で研究・実験をしない
この辺を踏まえて作業すれば改善されるのでは。
4巡後の練習
今回の練習は、『構図と配色、フォルム』。前回の『構図とシルエット』とほぼ同じようなものだが、研究しかしていないので、今回は実践してみる。
まず女の子の立ち絵を師匠っぽく描く。(左)
その際、師匠の絵は見ない。あえて記憶だけで描くことで、自分の認識がどのくらいなのかを確認する。
師匠の絵と見比べ、どうしたらより師匠に近づくのか改善点を見つけ、修正していく。
そうして出来上がったのが右。
線の太さや髪の色、顔立ちも変えてしまったので多少見づらいが、フォルムの変化は見て取れる。
次、配色と構図。
背景とキャラクターのバランス、キャラクターの配置の仕方などを変えて研究。
パッと描くと縦感の強い構図にしてしまう傾向があるらしいという自分の癖に気付く。
④ではキャラクターを斜めに配置して動きをだそうとしている。
でも今改めて見返すと、①が好きだなあ(結局最初が1番いいとなる事が多い)。
本番ではなく練習で色々試したり実験する事で、本番の手数を減らすよう心掛ける(手数が良さに結びつかないどころか足を引っ張るので、その防止策)。
5巡目
10/24~31
作業時間 構想~線画まで:3~3.5時間
~完成まで:11時間弱
トータル:14時間前後
ハロウィンの時期だったので、ハロウィンをテーマにした絵を描きたいと思った。
師匠だったらどんな感じのハロウィンを描くだろうか?
そう思いながら浮かんできたものなので、頭の中の段階で師匠と近かったのがまず良かったかなーと思う。
絵の解説を少し。
和(三角巾つけた幽霊)、洋(ニンニクで悪霊退治)、中(お札着けたキョンシー)とホラー系小道具全部乗せでお菓子をせがむ人。お札はよく見ると「お菓子下さい」と書いてある。
LoAとCSI、良い点と反省点
丁度こちらの本を購入して、今までやってきた線やフォルムの勉強がより強化された!
人体クロッキー(実際の人物ではなくポーズ集だけど)はほぼ毎日しているが、記号化するにはパーツを分けて描いた方がいいのかと、延々やっていた時期で、それが上手くいっていなかった。
それがこの本を読んで、すごく楽に描けるようになった。
むしろ一体化させて、簡略化する。今まで色々勘違いして、より複雑にしていたように思う。
LoAとCSIを意識するだけでこんなにも変わる…! 自分のタイミングが良くて、吸収率も高かったのだと思う。(興味ある方は是非読んでみて下さい!)
デザイン的に構成した画面の中に、LoAが微妙に曲線のキャラクターを配置できて、自分的には快挙だった。
3ヶ月上達法中、1番師匠に近くて良い線画になったと思う。
その反面、色塗りはふるわなかった。薄暗い雰囲気にはしたかったが、師匠の色使いから離れてしまうわ、いまいち思うような雰囲気にならないわ、無念だった…。
が、作業的にはそれほどぐちゃぐちゃになる事はなく、色ラフをした1巡目を除けば最速で完成したので、自分にしては上出来と思う事にした。
消せない自分
当時のメモの『コンセプトの失敗』というのは、画面の中に物語を構成しようとしてしまっている事。
・記号化された少女と○○の異化結合をモチーフとした平面構成
・もっと無機質に 感情がない 記号 フラット
2巡後の問題点としてあげていて、3巡目では改善されているのに、また元に戻ってしまっている。
決して最初からでもないのだが、気付くとそうなっている。
そして作業中も、ここをこう見せたい、こうしたいという思いがやっていくうちに強くなってしまい、その思いが問題点を忘れさせる。結果、自分のやりたい(好きな)方向に照準を合わせ、そこに向かってしまっている。
こういった自分を3ヶ月上達法をするまで気付かなかった。
自分を消すのは得意だと思っていたが、それは驕りだった。
どうしようもなく『自分』?『個』?『オリジナリティ』?みたいなものが存在する。
その事に気付く事ができたのは、他者ととことん向き合っているからではないか?
5巡後の練習
ツイッターには脱力感と描いたのだが、やってたことは調整レイヤーの研究。
脱力感をだしたかったのはやまやまだが、頑張りどころが難しいというか、頑張ると離れるというジレンマなので、やりやすい方へ。
背景とキャラクターをいい感じにつなげる存在として、師匠の調整レイヤーは存在するらしいという事がやっていくうちに分かってきた。
思えばやみくもに師匠の調整レイヤーを真似て、思ったような色合いにならず、やきもきしていた1~5巡目だった…。
ここに画像はないが、背景の明度・彩度と調整レイヤーの相性を様々に試している。
レイヤーの合成モードにも深く関わっていて、とても勉強になった。
大体どんな色でどのように調整すれば思い通りの色になるかが分かってきた。
師匠の配色方は、色相的には基本補色、最近だと分裂補色の組合せが多いという事には気付いていた。
試しに、調整レイヤー込みで師匠の色合いを真似られるかどうかやってみる。
そんなに苦労することなく、思うように色を置くことができた!
後で多少調整したりもするが、最初の配色が適切で尚且つ調整レイヤーを使いこなせている証拠だ。
そしたらすんごく楽しくなってきて、延々と塗り絵をしてたくなってしまった…w
5巡目リメイク
所詮真似ているだけなので、本当に自分で配色できているわけではない。
そう思ったら出来るかどうか試してみたくなってしまい、手元にある線画というと…と寄せばいいのに5巡目を早速リメイク↓
そう甘くはなかった…。
案の定トヅボにはまり、やっぱり自分はまだまだだったなと思い知らされる。
色を変えた事により不都合が生れたと感じる部分があり、そこを何とかせねばと疲れたり、早く6巡目に行かないと時間なくなると焦ったり、結局ここまでに。
自分のオーダーが『薄暗くありつつも賑々しくカラフルに』ってどんだけ難易度高いの要求してんだって事にも気付かされ、学びとしては今はもう十分と思った。
だが、今改めて見てみるとこのままでも結構悪くない。
色のまとめ方はすっきりしてよくなっているし、最初のよりも洗練されている(と思うのだがどうだろう?)。
画面全体の雰囲気もよりデザイン的だと思う。
師匠に近いかどうかだとまたちょっと違う話ではあるけれども。
ニンニクのかげは、リメイク前のものにはついているが、今回のだと変に立体感が強調され、消す事にした。
デザイン的な画面にするには、リアルなかげは余計なのだな。
また、今後は自分のオーダーをきちんと考える必要性がある、というのも自覚した。
自分が出来そうなものにしないと混乱するのは当たり前、結果良い学びに結びつかない。
つづく
(次回、最後です)