見出し画像

私にとってのNo. 1〜奇跡のコートを見つけるまで【後編】

こちらは、後編です。長いです💦

前編はこちら





またしてもプランしないでドゥ!しちゃったからか、試着旅が難航&長引いていた。
8月からの総試着数が179着に達した時に、やっと今年買うべきコートの姿が具体的になった。
「今年のコートはウールじゃない」と、やっと気づいた。

「リュックの時にも着れるコート」を探す事に決めた。


新たに、リュックの時に着れるコート探し旅にゴー!!!
と思ったのだが、もう疲れていた。これ以上試着したくない。疲れた…。

あ、と思いついた。
伊勢丹のマッチパレットでプロの店員さんに選んでもらっちゃえばいいんじゃない?!
そうだ。もう体力的にも気力的にもこれ以上の試着旅は限界だ。プロに頼もう。そう思って予約した。

しかし、しばらくして、予約をキャンセルした。(申し訳ありません😱)


自分で選びたい。自分で選んだコートが着たい。猛烈にそう思った。


何のために今までたっくさん試着してきたんだ。
「自分で考えて、選び抜いたコートを買う」という経験は、きっと私に自信を与えてくれる。私は今回のコートだけは、絶対自分で選びたい。自分の「本当に」欲しいコートを選びたい…!そう強く思った。

もちろん、マッチパレッドを利用しても「決めるのは自分」だ。
しかし、試着旅にかなり疲れていたので、もしマッチパレッドで「お客様には、こちらです!」と素敵な接客で言われたら、フラフラ〜とそちらを購入してしまいそうな不安があった。「1番似合うなら、今年はこれでいっか〜」と、今までの自問自答を全無視して、思ってしまいそうだった。1番似合うコートを教えてもらった後で、別のコートを選べる自信もなかった。

ここまで必死に自力で探して来て、そうなってしまうには、あまりに惜しい。
あと少し、あと少しだけ、頑張ろう。心を奮い立たせた。


(※あくまでも、私の「このタイミング」での話で、今後、スカート選びなどの時に私もマッチパレッドをぜひ利用してみたい!と思っています。)


ここでハッとした。

ワイズのあのコート、ナイロンだからリュック背負える…!!!


そう、ワイズで初めに試着して感激したあのコートは、ナイロン。
予算オーバーだったので、除外していた。

  • 秋冬兼用できる(薄手で少し中綿が入っている。冬はインナーダウンを着れば良い)

  • 大人っぽい膝下丈で階段でギリギリすらない丈。

  • 色は黒で、汚れを恐れないで着れる。

初めに思い描いた条件にピッタリではないか。
その上、なりたい、好き、似合うを全て満たしている


画像は公式サイトよりお借りしました

このコートはカジュアルなのだが、大人っぽくてエレガントである。
私の日常に必要な全TPOに対応できる。
高級レストランのディナーに着て行くには、気が引けるかもしれないが、そのような予定はないし希望もない。

迷う要素は、価格だけだった。
自分の身の丈に合っているのか?こんな高額なコートを本当に買う気なの?正気なの?私…。
胸の辺りがソワソワする。大きな買い物の前のなんとも言えない不安感に涙が出た。

実は私は、自分でコートを買うのは15年ぶりくらいだった。その間は、実家のお下がりや、実家の人が選んで買ってもらった物で済ませていた。
15年ぶりなら、この価格でもいいんじゃないか…!?
っていうか、15年も、コート買ってない人、私くらいなんじゃない…?

私の演歌バッグや靴は、母親という役割から離れて、「ありのままの1人自分時間」を満喫する時に使う目的が強かった。
一年前、娘と過ごすためのカジュアル服をたくさん試着したが、ことごとく似合わず、娘との時間は自分らしいおしゃれや好きな服が着れないんだと落胆した。自分らしいファッションは、1人の時の楽しみにしよう、と思わざるを得なかった。
でも今回のコートは、ありのままの1人自分時間も、子供と過ごすかけがえのない時間も、どんな時も、共に過ごせるコート。
正に奇跡のコートだ。
自分を信じていい。自分を信じよう


この素材でこの丈感、美しいデザインと機能性。エレガントなのにかっこいい。こんなコートは他には絶対ない。

覚悟を決めた。


そしてついに、来店…!


小さいサイズが在庫切れで、大きいサイズを試着させてもらう。

ああ、やっぱり素敵…。

リュックを背負って子供とのお出かけに使いたい旨を店員さんに伝えると、「リュックありますよ😊」と言って背負わせてくれた。

ナイロンコートを着て、リュックを背負った姿を鏡で見て、
私の脳内に

「公園で娘と一緒に遊ぶ光景」が浮かんだ。

ああ、やっぱり今の私の1番大切なものは、娘との時間なんだ…!と確信した。



私は叫んだ。「注文します!!
買う勇気を発動した。
心臓がドキドキしていた。なんか息切れもしていた。

店員さんは私が突然叫んだので、ややびっくりされていた。
この一言に、かなりの勇気と覚悟と、振り絞る力が必要だったので、必然的に大声になってしまったのだ。(店員さん、申し訳ない…!)

お手入れ方法も伺うと、ナイロンなので、汚れた場合は部分洗い出来る。シワも気にならない素材だが、もし気になるなら濡らして伸ばせば良い。撥水加工などはないが、雨で濡れても乾けばシミにはならないこと。何よりも丈夫で長く使えますよ!と教えてくれた。

このコートを買って、娘との時間を大切にしよう。リュックを気兼ねなく背負って、娘と手を繋げるひと時を満喫しよう


ベストな選択をした自分に、ブラボーと言いたい
嬉しくて胸がいっぱいで、泣きそうだった。自分の選択を信じる勇気。
大きな自信に繋がりそうだった。



しかし!!コートを受け取りに行く当日、一つの疑念が生まれた。

もしかしてあのコート、セールになるかも…??


店舗に電話して聞いてみた。

  • 毎年1/1からセールが始まり、去年は30%オフからのスタートだった事。

  • どの商品が残り、セールになるかはわからないし、残っていても除外品になるかもしれない事。

  • 11月くらいに在庫状況をチェックして、やばい!と思ったら、そこで購入した方が良いし、在庫が大丈夫そうであれば、年明けのセールに賭けるという方法もある事。

ひっ…!!ひぇぇぇ…!!!


ここでまた緊急自問自答タイムが始まる。

私は、自問自答ファッションを始めてから、セールを恐れている
自分が買った商品がセールになっていたら…と思うと、とても悲しい…!

幸いにも私のお気に入りブランド「キャバン」はセールにならないので、いつでも安心して購入できる。(高価だから量は買えないけど気持ち的に)
ワイズがセールになる事を呪った

どうする?
オンラインサイトだと、まだまだ在庫はありそうだ。
でもだんだん寒くなるこれから、どのように在庫が変動するか、初心者の私にはわからない。人気のものはすぐ売り切れるみたいだけど、あのコートは発売から1ヶ月経つけどまだ残ってる。

今買って、朝晩の冷える時間にすぐに着たい気持ちもある。
あのコートが30%オフになったら、数万円変わる。私の欲しいスカートと、欲しいピアスと、欲しい傘の3点を、余裕で変えてしまう価格だ。「気に入って買ったんだから、セールになっても気にしない!」という考えもあるが、そう言い切るには差額が私にとっては、かなり大きい。

正月のセールに行けるのか?夫の実家に行くから元旦は無理だ。1/2が初日の店舗なら行ける。でもきっと早朝から並んだりするんだろう。お正月は、家族でのんびり過ごしたい。
セールまで毎日、あのコートの同行を追い続ける事になる。在庫が減るたびにドキドキして、悩むだろう。私は、安心して過ごしたい。

私が定価で買ったとしても、残りの在庫がセール初日に、すぐに売り切れれば、ああ、どうせ私は買えなかったから定価で買っておいてよかった、と思えるだろう。
しかし、もし売れ残って、50%オフ〜♪とかにまでなっていたら?
耐えられるのか?自分よ!!ひっ…!

自分が定価で買った品がセールになると、切ない気持ちになるのには、二つの理由があると思う。

一つは、損をした気持ち。数千円の違いで、差額がそこまで大きくなければダメージは少なくて済む。…が、数万円だとダメージは大きい…!
11月12月でたくさん着ればいいじゃん!という考えもできるが、数万円の差額はやはり私には大きい……

二つ目の理由は、私が気に入って買った服が、世間一般の皆さんは気に入らなくて、残っていたんだ、という事実。人気のものはセール前に売り切れるのに、私の選んだものは、人気じゃなかったんだ😱というショック。少なくとも定価ではなくセールで買おう、とみんな思ったんだ…という、自分の選んだものに自信を持てなくなる気持ち

そういえば私は、昔から「芸能人御用達」という言葉にめっぽう弱い
なぜなら、自分の感覚や考えで選ぶ事に自信が持てないでいたため、有名なあの人」が選んだ物なら間違いない…!と考えていたからだ。自分よりも「会ったこともない有名でおしゃれな誰か」を信じていたのだ。
私は昔から今もずっと変わらず、自分に自信がないのだ。

どうする?どうする?どうしよう…。
どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?どうする?




ここで突然私の中の何かが叫んだ。

うるせぇぇぇ!!!あのコートは、私にとってNo. 1だ!!

もしセールになって、その後売れ残っていたとしても、それはそれ!!
私にとって、全条件を満たす奇跡のコートであることは、間違いない!!
200着近く試着して、考えて考え抜いた結果、あのコートが間違いなくNo. 1なんだ!!いいの!!!

それよりも、1番悲しいのは、セールでお得に買おうとした結果、買えなかった場合だよ!!
200着近く試着して、あのコートに決めたのに、買えなかったら、悲しすぎる。
あんなコートはもう二度とないかもしれない。あの素材、丈、デザイン、色…あのコートは私にとって1位なんだ。そこに2位も3位もなくて、ぶっちぎりの1位なんだっ…!!!

ゼェゼェ。ゼェゼェ。ゼェゼェ。ゼェゼェ。



…そうだよね。
大切なのは、あのコートが、私にとっては圧倒的に1位だという事。
それは、みんなが欲しいと思うような大人気のものじゃなくて良い

私にとってだけ」1位であればいい。
例えそれが、世間一般の人たちに人気がなかったとしても。
例えそれが、芸能人御用達じゃなかったとしても。

「世間一般の人から見た人気の品」、「おしゃれな人みんなが使ってる品」を信じるよりも、
自分の「必死にコートを探して、自問自答して来たここまでの道のり」を信じたい。
それこそが、自問自答ファッション道なのではないか。

金額的には数万円の差は大きいけど、万が一買えなかった事を考えると、諦めがつく。


私は定価で買うことを決めた。

自分にとっての高額な買い物に、怖くて涙が出た


店舗に向かう道で、もとこさんのノートを思い返す。(前編参照)
もとこさん、あのコートが私にとっての青春ポップソングです…!今買いに行きますっ!!」心の中でこのセリフを10回くらい叫び、勇気を振り絞った。

店舗につき、再び試着。袖を通すのは5回目だった。
ああ、やっぱりこれだ…。このコートしかない。
しっかりと確信した。


無事に購入。


心はとても落ち着いていて、すっきりしていた。

帰宅後、ドキドキしながら包みを開けて、着てみた。
家で着てみて、似合わなくなっていたらどうしよう…という不安もあったので、ドキドキしたが、家で着ても、やっぱり最高だった。よかった…。

コートをぎゅっと抱きしめた。
自然に涙が溢れる。
私の「なりたい」が詰まったコートは、初めは「自分1人の時に着るウールのコート」だと思っていた。
でも実際は、「娘といる時に着られるナイロンのコート」だった。わたしの「なりたい」が詰まったコートが、娘と過ごす時間にも着れることが、しみじみ嬉しい。
もしも「娘と手を繋げるひと時」が通り過ぎても、このコートを見る度に思い出すだろう。娘と過ごした宝物の時間を。
私の全ての条件を満たす最高のコート。
大切な人との時間を大切に出来るコート。自分の気持ちも大切に出来るコート。娘といる時も自分らしさを諦めないでいられるコート。
これは私にとって奇跡のコート。
190着中No. 1
これしかない。


ワイズの服は優しさと愛に満ちている。着る人のことを思い遣って作られているのがわかる。
娘との大切なひと時に、ワイズの愛に満ちたコートを着て過ごせるなんて、
なんて、なんて、最高なんだ。
コートを抱きしめながら、喜びを噛み締めた。



※※※


私のコート試着旅は、試着100着を通り越して、最終的に190着にまで及んだ。
おしゃれに自信のない私が、自分の選んだものに自信を持てず、つい人気のもの、というフレーズに惑わされてしまっていた私が、今、自分を信じて、心から欲しいコートを買った。私が自分を信じられるようになるまでに、190着という経験が必要だったということだ。


この旅で出会った、数々の「新しい自分」
その「新しい自分の姿」に自らの心を揺さぶられ、自問自答を繰り返す事。
本当に自分が欲するものは、欲する姿は何か。本当に必要な物は何か
無数の試着と無数の自問自答、この2つを繰り返すと、じわじわと見えてくるのだろう。
まだまだ、自問自答ファッションを始めたばかり。
これからも様々な試着旅を、できる範囲で続けていきたい。

まだまだ自分で気づいていない「新しい自分」に出会えるかもしれない…。
そんな未来が、とても楽しみである







数年前、うつ状態になって未来に絶望していた私が、自分の未来を「楽しみ」と感じられるようになったこと、それは一つの奇跡。
心から自問自答ファッションに感謝したい

前編で悩んでいた、「コンセプト」についてだが、実は、コート試着の旅の間に、なりたい職業を見つけた。(この事については、また別ノートに書きたいと思います)
その職業と照らし合わせてみても、今回のコートは最適で、ピッタリだと感じた。逆に、その職業だと、ポミスのウールコートはやはり少し違うな、と感じる。(コンセプトってすごいっ!!)

その他の、コート試着旅で出会った、心に残った沢山のコートについても、今後書き記しておこうと思う。

長くなりましたが、お読み下さりありがとうございました😊









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?