見出し画像

【チラズアート】『誘拐事件』ストーリーまとめと考察

11/1リリースのチラズアート最新作『誘拐事件』
今作はストーリー的にはシンプルで考察するところはあまり無いかなとは思ったのですが、とりあえずストーリーをまとめてみます

冒頭シーンの意味と誘拐犯の正体

冒頭、子供部屋に一人たたずんでいるさらお君のもとに母親が「産まなきゃよかった」などの暴言を吐いて部屋に乗り込んで来て、さらお君はハンマーで母親を殺してしまいます

そしてこの子供部屋は明らかに主人公のれんやが誘拐されて連れていかれた部屋と同じです

なので誘拐犯=大人になったさらおということになると思います

お姉ちゃんについて

お母さんが出て行ってからしばらくして忽然と主人公のもとを去るお姉ちゃん
主人公が誘拐され連れていかれた家でお姉ちゃんと再会しますが、お姉ちゃんは自ら頼んで誘拐してもらったと説明します

またお母さんが出て行った後れんやにこのようなことを語っています

なのでお姉ちゃんはいくら母親が自分たちに対して冷たいからといって、心のどこかで自分たちのことを気にかけてくれているはずだと信じていたのでしょう。
さすがの母親でも娘たちが誘拐されたとなれば心配して私たちを大切に思ってくれるはず。」そんな思いでわざと誘拐を依頼したのですが、お姉ちゃんの期待はあっけなく裏切られてしまいます(Badエンド)

最初はお姉ちゃんも誘拐犯に騙されているのではないかとも考えましたが、どうやらこの作品では誘拐犯は悪い人物ではなさそうです

誘拐犯と主人公の母親

先ほど説明したように誘拐犯は冒頭で母親を殺したさらおでした
その証拠に主人公が誘拐された家の押し入れにこんなメモがあります

このことからさらおも幼少期母親に虐待を受けていて、母親は子供を捨てていった夫への憎しみを息子にぶつけていたのだと思われます。
母親を殺したさらおは死体を屋根裏部屋に隠して一人であの家で生活していたのでしょう
主人公のお姉ちゃんとこの誘拐犯がどうやって知り合ったのかは謎ですが、この誘拐犯は母親から虐待されていた過去があるので母親に育児放棄されている主人公たちの境遇をよく理解していて、100%善意で主人公たちをかくまっていたのだと思います

なのでこの作品では母親が悪で誘拐犯が正義という全く逆の構図になっているのです

※追記 11/6

お姉ちゃんと誘拐犯の出会いは謎と書いたのですが、9/1にお姉ちゃんにご飯ができたよと呼ばれて下に降りると窓の外に誘拐犯のさらおが歩いてるらしいです
お姉ちゃんが調理している側に土で汚れた軍手が置かれており、主人公がその軍手をクリックすると「うちに畑は無いのに・・・」と出ることから、恐らくお姉ちゃんはカレーの野菜をどこかの畑から盗んできており、そこで誘拐犯のさらおと知り合ったということになるらしいです


ラストシーン

ラスト誘拐犯のもとへ怒鳴り込みに行った母親は殺されますが、恐らく誘拐犯は自分に対して怒鳴ってくる主人公の母親と、昔自分を虐待していた実の母親を同一視してしまって、過去のトラウマがよみがえり、衝動的に殺してしまったのだと思います
母親が殺された後、母親を心のどこかでは信じていたお姉ちゃんは膝から崩れ落ちますが、主人公は突っ立たまま笑顔を浮かべます。
主人公は随分前から母親に愛想をつかしていて、母親が死んでくれて清々しているのでしょう

ピエロについて

これは考察の域を出ないのですがピエロは実際に存在していたわけではなくただのクラスメイトが面白半分に広めた都市伝説だったのではないかなと思います
主人公が家の中の風船をつぶして、謎のピエロ部屋に閉じ込められたお姉ちゃんとピエロを発見しますが、そのあと暗転してベッドから目覚めるシーンに移るのでピエロの一連の下りは誘拐男に怯えた主人公が見ていた夢と考えるのが自然かなと思いました。

※追記 11/3

最後母親が殺されてほくそ笑む主人公の口元がアップで写されますが、この口元はピエロの口元にそっくりです。

なので主人公はピエロを恐れて悪夢を見ていましたが、本当のピエロは主人公自身だった、あるいは主人公も映画『ジョーカー』のアーサーのような気に入らない奴は殺せばいいという思考の持ち主になってしまったという皮肉めいたオチなのかもしれません

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?