「発熱へのアセスメント」
発熱の方への対応機会はセラピストでも多いですが、正確に発熱の原因を捉え対応できていますでしょうか。
発熱の原因次第では死に直結するケースもあり、セラピストだからと言って看護師や医師に任せきりにしてて言い言いわけではありません。
セラピストだからこそ発熱の原因を捉え、他職種への連携や家族指導に繋げる必要がありますが、どのようにアセスメントを行ったら良いか気になる方は最後までご覧ください。
発熱とは
発熱の原因として「感染性」と「非感染性」があります。
そもそも発熱が生じるメカニズムとしては、体内に何らかの病原体(細菌・ウイルスなど)に感染、または非感染性(悪性腫瘍・膠原病・アレルギー)の刺激が加わると、生体の免疫系が働きます。
サイトカインなどの免疫系は体温調節中枢へ働きかけ体温のセットポイントを高く設定します。
セットポイントに向けて体温を上昇させるために、筋収縮により体を震わせ熱産生を促進します。
体温調節機能の正常範囲は36°〜40°であり、41°以上では体温調節機能障害を来し、発汗や血管拡張機能が行えなくなり、極めて危険な状態となります。
発熱への対応時の優先順位
発熱への対応時は、まず感染症と非感染症に分けて考えましょう。
非感染症(悪性腫瘍・膠原病など)は症状の進行も穏やかなことが多く、緊急性は高く無いことが多いです。
ただ非感染症でも41°まで体温が上昇する場合があり、その場合は緊急で冷却処置を行いましょう。
見逃してはいけない発熱の原因とは
前述のように、発熱への対応は感染症を主軸に考えますが、感染症の中で怖いのが敗血症です。
敗血症は、感染症により重篤な臓器障害が引き起こされる状態であり、死亡率は約20%です。
敗血症ショックに移行すると死亡率は45%へ上がり、生命は危険な状態となります。
その敗血症をスクリーニングする方法としてqSOFAがあります。
1.意識の変容
2.呼吸数≧22回/分
3.収取期血圧≦100mmHg
上記の2項目該当する場合、敗血症が疑われますが、注意点が特異度は高いですが感度は低いため該当しないからといい敗血症では無いと断定できません。
敗血症を示唆する指標として、悪寒戦慄があります。
悪寒戦慄:布団を被ってもブルブルと震える(震えを止めようとしても止まらない)
中等度悪寒:重ね着をしてもブルブル震える(止めようとすれば止まる)
軽度悪寒:重ね着をすれば震えない
発熱時の体温管理
発熱は感染に対し体温のセットポイントを上昇させ、免疫系を活性化させる反応ですが、一方でセットポイントに影響しない発熱があり、これを「高体温」と言います。
中枢の問題や悪性症候群・悪性高熱症・熱中症のように、熱の産生と放散のバランス異常により体温が上昇します。
そのため「高体温」の場合は解熱剤は使用できませんが、感染性の「発熱」の場合は解熱剤の使用ができます。
感染性の「発熱」の際に発熱の程度に関係無く、悪寒がある場合にクーリングは実施しないようにしましょう。悪寒を認める際にクーリングを実施すると、シバリングを起こし余計に体力を消耗させてしまいます。
ですので、悪寒がある際は保温を行い悪寒が消失し本人が体が熱いと感じたタイミングでクーリングを行うようにしましょう。
上記の内容は必ずセラピストが行うものとは限りません。私は対応する時なんて無いからと、軽視しているかもしれませんが、実際に対応する機会が無くても家族指導の1つとして考えるとどうでしょう。
セラピスト=医療従事者から頂いた発熱への対応方法は、発熱で重症化するかもしれないと思う家族様の不安を解消するきっかけになるかもしれません。
今、共感を得たセラピストは本記事を最初から読み返す事をオススメします。
本記事内容で完璧に対応できる訳では無く、あくまでも対応の参考の一部と捉えて頂ければ幸いです。
以上、リハキムでした!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?