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広島旅、10年振りの再会


2023年 7月31日

中学の同級生が広島に住んでるのを知ってたので、10年振りにLINEした。

ノリ軽すぎ


当時彼とは席が前後で、普通のクラスメイトくらいの仲で、プライベートで遊んだことはない。

ダメ元で誘ってみると、まさかのOK。



今回自分は2泊3日旅行で、彼は仕事なので、夕飯だけ一緒に食べることになった。

1日目 原爆ドームとお好み焼き


14:27 広島駅到着。

広島駅

広島駅は2025年春まで工事の予定。

この工事で、路面電車が高架化するらしい。

駅に着いた時、東京とさほど変わらない人の多さを感じた。さすが人口120万人都市。


彼と合流するまで時間がある。

とりあえずずっと行こうと思ってたあそこへ行こう。

路面電車ある街に憧れる
目的地に近付いてきた

Google mapだとそろそろだが、こんな街中にあるのだろうかと不思議に思っていると、突然目的の建物が現れた。


原爆ドームは、元々1915年に建てられた、物産館だった。

1945年8月6日 8:15
人類史上初めて原爆が投下される。

上空600mに太陽の2倍の熱が2秒間現れ、その後熱風が時速1600kmで発生した。
放射線量は640ミリシーベルト(人体が1年で許容できる量は1ミリシーベルト)であった。

物産館の真上だったため、むしろ被害は周辺よりも抑えられた。


原爆ドームの見方として、ドーム周辺の新しい建物と原爆ドームを比較して、
いかに悲惨なことが起きたか、いかに復興を成し遂げたかを想像する方が適切であるように感じた。


お目当ての平和記念資料館に入る。

駅から薄々気付いていたが、館内は外国人が多くいた。

特定の地域からではなく、様々な国の方が来ているようだ。

観光地としてのドームの写真を撮って終わりではなく、有料なのに関心を持って資料館に入ってくれたことが、日本人として少し嬉しく感じた。

この資料館の展示の特徴は、忖度なく悲惨さをリアルに訴えている点だと思う。

焦げた身体、溶けた目玉、死体が浮いた川…

亡くなった人と、残された遺族の日記が胸を打つ。

自然と涙が溢れてきた。

これが戦争だ、と淡々と言わんばかりの、一切綺麗事の無い資料たち。

どうか、これが実際に起きたことではありませんように、と心の中で必死に祈った。

しかし、現実から目を逸らしても何も生まれない。



印象に残っていることがある。

資料館の出口の手前に、ベンチが並んでいる箇所がある。
そこで欧米系の若い男性1人が、手を前で合わせて祈っていた。

資料の中には、

「原爆の投下で、戦争の終結を早められた。
また、ロシアが日本を蹂躙することを避けられた。
従って、必要な犠牲であった」

など当時の(今も)一部のアメリカ人の肯定的な意見も書かれていた。

しかし、目の前で祈るその方を見て、改めて原爆の投下は間違っていたと強く思った。

この資料館に来れば、いかなる理由があろうと、原爆投下を肯定することはできないだろう。

「安らかに眠って下さい
過ちは繰り返しませんから」



さて、重い気持ちでホテルに向かいチェックイン。

少し気持ちの整理をしてから、待ち合わせ場所のエールエール福屋に到着。

正直、彼と会うのが久しぶりすぎて、どう話せば良いかなと半分不安に、半分楽しみに待っていた。

若干の緊張

無事合流。

ここでびっくり。彼は中1から見た目が一切変わっていなかった。

「久しぶり、仕事終わりになのにありがとう」

「久しぶり!いえいえ、じゃ店行こう」

彼の見た目のおかげか、会った瞬間に中1の、席が前後だった時にタイムスリップしたような、懐かしさを感じたからだ。

すぐ店に着き 、彼が

「予約してた○○です」

と言って、席に案内してもらった。

地元の彼に注文をお任せで頼み、(彼はこちらに味の好みやお腹の空き具合を聞くという気遣ってくれつつ)
店員さんが、少々お待ちくださいと言って席を離れる。

さて、何の話をしよう。

彼と同じことを思ってたのか、

「久しぶりすぎて何話していいか分からない」

とお互いに吐露し、笑った。

特別に用がある訳ではなく、ただ会ったら楽しそうだなと思って声を掛けただけなので、彼にとって自分に会うメリットはないのだが

そう笑う彼の顔を見て安心した。

いつから広島いるのか、高校は、大学は、仕事は、など話していると、お好み焼きが到着。

お好み焼き!

昔の思い出話してる時が1番楽しい。
特に中学生なんてみんな頭がおかしいので、エピソードが尽きない。

そう感じながら、あっという間に食べ終わった。

店を出る。

翌日すぐ会うので、駅でさらっと解散。


・・・

2日目 宮島とアナゴ

天気が良かったので、宮島へ。

朝9時には厳島神社へ到着。

広島の良いところは、世界遺産へのアクセスが優れているところだと思う。

なぜか分からないけど、世界遺産といえば、この鳥居のイメージだった。
恐らく、小学生の時に教科書で見た印象が強く残っていたのだろう。

海の中に鳥居が建ってるのを不思議に思ったのかもしれない。

広島といえば東京からかなり遠いイメージで、生きてる内に行くことがあるのかなと思っていたが、社会人になった今、こうして1人で来たことに、
「遠くまで1人で来れる年齢になったのだなぁ」と少し感慨深い思いを馳せた。


島の内部に山があるらしく、瀬戸内海が眺められるというので、ロープウェイで向かう。

青かった

厳島神社は混んでいたが、山まで来る人は少なく、落ち着いて過ごせた。


山を降り、昼にカキフライ定食を頂き、鹿とともに海を眺めてぼんやりし、早めに広島に戻る。


というのも、彼がこんなことを言っていたからだ。

わくわく


19時に居酒屋「やまつみ」に集合。

今日も彼が予約してくれた。

普段入らないような店なので少し緊張しながら入店。

日本酒飲み放題らしく、とりあえず地酒で乾杯。

今日は宮島行ってー、という話などをしてるところで、コース料理が運ばれてくる。

店員さんが料理の説明してくれる
あなご

1日目は思い出話がメインだったが、
今日はお酒の影響か、仕事や将来など真面目な話になった。

また、この頃失恋直後で、非常に傷付いていたのだが、彼はそんな愚痴にちゃんと耳を傾けてくれた。

「こういう考えもあるんじゃない?」
「それなら、こうしてみれば?」

と、こちらを否定することなく、考えを押し付けず、相手を思いやって言ってくれてるのが伝わる。

中学生の時は、10年後に会って、このようにお酒を飲みながら話す日が来るとは思わなかった。

良い友人を持ったなぁと思いつつ、時間はあっという間に過ぎ、店を出る。


帰り道、人がいなくなった繁華街を歩きながら、次はどっか旅行行こうという話になった。

初めて訪れた広島で、昨日今日で世界遺産を2つも見たのだが、印象に残っているのは彼との再会だった。

もちろん観光地を巡るのも楽しい。
ただ、強烈に思い出として記憶に残るのは、その土地で会った人の影響がかなり大きいと思う。

自分と会ってくれる友達は大切にしよう。そう思った。




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