ビフォア・サンライズ

私も「理性ある大人の判断」というものを気にしがちなので、
すごい刺さった。

「今後一生会わないか、今結婚するかなら、結婚するを選ぶよ」
という言葉にハッとさせられた。

あの二人の空気感なら乗り越えていけるのではないかと思う反面、
やはり一夜だけの関係の方が良いのではないかと思ってしまう一言だった。

物事をメタで捉え、自分の考えを持っている人と出会ったことが
私も何回かある。
そういう人との会話は、とても楽しく「出会い」の素晴らしさを実感させてくれる。
自分は素敵な出会いの為に生きている!大切にしたい出会いだ!と思う。

しかし、私の場合そういった人とは長続きしない。
後日出会うと、気まずそうにされるし、正直私も気まずくなる。
深いことを話すのには相当体力がいるからなのかと思ったりする。

3日に一回リモート飲みをする親友たちとはそういう話はしたことがない。
こういうものなのかなぁと、今の自分は考えている。

以上の理由から私は、彼らはたとえ半年後に再会したとしても、その後うまく続かないのではないかと考える。

駅のホームで二人が別れた後、思い出の場所が映し出されるのを見て、何をした場所か理解するまでに0,3秒くらいかかった。
わずか数十分前に見た景色を、もうパッと思い出せない自分にハッとした。あの描写はそういった、人間のふとした瞬間に忘れてしまうような危うさを気付かせる効果を持っているように思った。

最後の二人の表情が素敵で、
一言も発していないのにどういう事を考えているのかが分かった気がした。

悲しそうな顔というより険しい顔から一気にほぐれて笑みが溢れる。
「あー、結局理性を無くして会う約束しちゃったなぁ・・素敵な思い出に最後泥を塗っちゃったかなぁ・・・・・・・・まあ、いっか!」
という声が聞こえた気がした。

私は、「この手があったか!!」と興奮した。
物語を締め括る最後の決断を一旦ハッピーにし、
最後の最後で、
そのハッピーの持つ影を一瞬見せるがやはり最後はハッピーで落とす。

これなら、ハッピーエンド好きとバットエンド好きの両方に支持されるのではないかと思う。
どうだろう?アンケートでもとりたいものだ。

私はこの映画が大好きだ。


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