「受容的」な姿勢【Footwork&Network vol.22】

新たに出会った人から得た気付きを発信するF&N。今回、私は学生相談室でお会いしたカウンセラーのKさんについて紹介していく。

出会い

私が学生相談室を知るきっかけとなったのは、4/14のゼミ活動内で行われたワークショップ「メンタルヘルス」であった。そこで、学生相談室のカウンセラーの方のお話を伺い、小中高で自身が捉えていた「深い悩みを相談するための場所」という学生相談室に対してのイメージが「学生にとってより身近で、日々直面する様々な問題について相談する場所」というイメージに変化した。
そして、先日初めて学生相談室に伺った際に、お会いしたのがカウンセラーのKさんである。

特有の話しやすさ

Kさんとお話をしていく中で、話している自分と普段の自分に一つの違いがある事に気付いた。それは自分自身がいつもより積極的に発言を重ねているという事であった。そのように自分を客観視していると、「この特有の話しやすさは何から形成されているのだろう?」というシンプルな一つの疑問が浮かんだ。勿論、個室で落ち着ける空間であることや複数人相手でない1対1のコミュニケーションであることも関係しているだろう。ただ、特有の話しやすさを作っている主な要因はその他にあるのではないかと考えた。

受容的な聞き方

Kさんとのコミュニケーションをさらに続けることで、特有の話しやすさを形成している大きな要因がKさんの話の聞き方に関連していることが少しずつ見えてきた。
そこで、コミュニケーションを行う際に意識すべき絶対的な要因など存在しないことを理解しながらも、興味本位で「他者とのコミュニケーションやカウンセリングにおいて、Kさんが常日頃意識されていることはありますか?」と尋ねてみた。すると、

「受容的にお話を聞くことを意識しています」

と答えてくださった。
私は初め、この「受容的」に話を聞くという言葉の意味が理解できなかったのだが、続けて「相手の話の途中で茶々を入れたりすることなく、肯定的姿勢で話を最後まで聞くこと」と説明してくださった。私はこの説明を受けて、自分が聞き手となった時に100%の肯定的姿勢で話を聞けていないこと、話し手のことを自分が形成してきた価値観というフィルターを通して少なからず見てしまっていたことに気付いた。思い返せばKさんは私が話している時に、相槌や私の話の反復のみを行い、追加の情報を引き出そうとして積極的に質問をすることはしていなかった。特有の話しやすさを形成していたのは、「受容的な聞き方」と「受容的な姿勢」に基づくリアクションであった。そして、受容的な聞き方の肯定的姿勢と受容的な姿勢に基づくリアクションによって生まれる安心感が、私の積極的な発言を助長していたのだろうと考えた。

最後に

4月からコミュニケーションにおける場作りについて学んできたが、私には話し手が話しやすい空間を作れているという実感が今一つ無かった。勿論、話しやすい空間を作るために、初めと終わりの拍手や大きめのリアクションを心掛けていた。しかし、それらは習ったことをただ機械的に行っていただけで、「受容的な姿勢」に基づくものではなかったのではないか。
短期間のトレーニングで受容的な姿勢が身に付くとは思わない。まずは、一つの拍手や一つのリアクションを受容的に行ってみよう。

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