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Rafaela silvaと目指したオリンピック

こんばんは。

今日は会社を辞めてから練習パートナーを務めていた、Rafaela Silva の話をしたいと思います。

私が彼女に初めて出会ったのは高校生の頃でした。
なぜか同じ階級なのに気づけば仲良くなり、合宿で会うたび一緒に練習したりコミニュケーションを取るようになりました。

彼女はリオデジャネイロのファベーラ、スラム街出身です。
銃声が聞こえるなんて事は日常茶飯事、周りで薬物の売買がされるような環境は当たり前だったそうです。

幼い頃の生い立ちを知った事もあり、その中で2016年地元開催のリオデジャネイロオリンピックで優勝。彼女の事を選手としても人としても尊敬していました。57キロ級の選手の中で1番好きな選手でした。

色んなタイミングが重なり彼女の練習パートナーとして期間限定でブラジルに行く事になりました。

私は滞在中、彼女の家に住み込ませてもらい一緒に練習してトレーニングしてご飯も食べて本当に家族のように過ごさせてもらいました。
一緒に過ごす中で彼女の人間性、器の大きさに驚かさられる毎日でした。

私は日本で生まれ日本で育ち、日本の恵まれた練習環境で小さい頃から鍛錬してきました。

ブラジルの練習環境は私からしたら道場とは言えないボロボロのマット、隙間だらけの畳、実際に練習してみてもこの環境でオリンピック、世界選手権を目指そうと思えるかと言ったら無理だと思いました。

日本は色んな意味で恵まれすぎているから。どれだけ自分が恵まれた環境で練習していたのかわかりました。それと同時に彼女の凄さもわかりました。
文句ひとつ言わずに、きつい練習をこなし、弱音を吐く事なく毎日練習、トレーニングを続けてきました。
こんなにやるのかと、練習量では負けてないであろう日本人の私からしても異常な練習量でした。
でもそのくらい賭けてる。自分の人生、生活を自分の力で変えるために。
最後の練習を迎え、やるべき事はやった。
彼女は最高の準備をしたと思います。

そしてついにオリンピック当日を迎えました。
準決勝までは練習してきた通りに勝ち上がりました。
準決勝で敗れ、3位決定戦でも延長の末敗れました。
怪我をしていたので、途中また痛めた事もわかりました。万全だったら、でもそんな事全てを受け入れて彼女は最後まで戦い続けました。
私も長く続けていたから、どれだけ苦しいかどれだけキツイかわかります。
でも彼女は最後まで戦い続けました。
本当にかっこよかった。勝たせてあげたかった。


勝負には勝ち負けがあるから、誰かが勝てば誰かが負ける。みんな勝ちたいから一生懸命に準備してくる、努力してくる。
オリンピックチャンピオンに一度なってる人がこんなにがむしゃらに最後まで戦う姿を見て心の底から感動しました。
今日は私の人生で忘れられない日になりました。

私はオリンピックにも出れなかったし、夢のままで終わってしまいました。
でもこんな形で夢を追いかける事が出来たこと、そのチャンスをくれた事に本当に感謝しています。

負けてしまうとやってきた事が全て崩れ、無駄だと思ってしまう事があります。私も現役時代そうでした。
でも今日応援するという立場から見て改めて気づいた事がありました。
結果を残せればそれは1番ベストだと思う。
でもどんな結果になろうと努力してきた事を知っている人は戦う姿を見るだけで励まされ、勇気をもらっているんだなと。

アスリートとは勝負の世界とはすごく苦しくて、辛い事も多いです。
でも自分が好きでやっている事で誰かの希望になったり夢を与えられたり、勇気を与えられる事は本当に素晴らしい事だと思いました。

彼女はまたきっと前を向いてくれると思います。
私と同じで心から柔道を愛している魂の柔道家だからです。

ラファエラ私に夢を与えてくれてありがとう。
みんなの期待を背負って戦ってくれてありがとう。
あなたが1番カッコ良い!

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