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約束されたはずの未来?(妄想爆発)

何だかわからないが学生時代信じていた事がある。本当に微塵もそうならない何て思った事は無かった。

わたせせいぞう先生とイラストの様に生きて行けると自信満々だった。
オシャレなオープンカーに乗り後ろの席には100本の薔薇の花束、DCブランドのスーツをはためかせ香るタクティクス(ここはヤンキーw)
行きつけのバーでスタイニーボトルのHeinekenかBudweiserを飲み、彼女を待つ間に賭けビリヤードのナインボールでマッセする。
「なんでナインボール?」と聞かれたら、
「彼女が来たら直ぐに終われるからな」と答えるさ。カコンッとサイドポケットにNo.9が吸い込まれると同時にカランとドアがゆっくりと開いた。
「…マヨ…貴方にはもう逢えないと思っていたわ」彼女は重なる視線に何故か諦めを含んでいた。

彼女肩越しに見えた夏の終わりは陽炎の様に夕方の街に溶けた。
「…いつものサングリア?」
キューを壁に終いながら彼女の細い手をカウンターへ導いた。
「待って、今日はドライマティーニにするわ」
「ヒュ〜♪なら俺はXYZにチェイサーのチリビールつけてよマスター」
静かな店内にマスターのシェイカーを振る音が心地よい。
「乾杯だ!」
「何に?」
「君を産んでくれた両親にね」少し驚いた顔で彼女は
「まぁ!」と笑った。ショートグラスが小さく響く。
「やっと笑った…」
彼女はドライマティーニを傾けながらカウンターチェアの上でハイヒールの脚を組み替えた。
その様子を見てかマスターは、恋人同志しか囁けないボリュームでフライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンを掛けた。
「…マスター!おかわりお願い!」
「おいおい、酔っちゃうよ?」
「もういいのよ…お酒に弱い私に合わせなくても。」
「……」
「私全部知ってたんだ…」カランと氷がグラスを鳴らす。彼女は鞄からタバコを出し火を付ける。
「JOKER吸ってるのか…」


シャレオツなタバコw


「貴方がニューヨークに私を置いて行った2年はこのJOKERの様に長かったわ…」
「また行くんでしょ?ンモラビッチョハマンハマン共和国のパナリモスを取りに!」
彼女は泣いていた。
「私行けないもの…何か怖いしその国…わかってる!帰って来れば東京本店に栄転だって!」
俺は彼女を強く抱きしめた。
「…貴方の仕事だって本当はよくわかってない」
最後の台詞は小さく聞こえなかった。
彼女の手を包み優しく胸元へ持ち上げた。
「聴いて欲しい、パナリモスはンモラビッチョハマンハマン共和国ボボンバ地域にしか存在しないとされてきた。」潤んだ瞳で彼女は顔を上げた。

「日本にもあるんだ!パナリモスは!」
「!じゃあ?」
「ああっ!会社は辞めて独立する!日本で俺と結婚して欲しい!」
「嬉しいっ!」抱き合う恋人達。彼女の勢いを回っていなした俺達の周りにはギリシャ数字の時計盤の様にカウンターチェアが倒れていた。
「所で日本の何処にパナリモスが?」
俺はニヒルに口の端を持ち上げて言った、
「鳥取県さ!」

最後ふざけてしまった。いやそこはかとなくふざけてるなw
何だかこんな感じに努力しなくてもなれるやん?
と錯覚できるのがバブル時代でした。
最初に就職したTVやイベント、冠婚葬祭の大道具さんの会社なんか、例の姉がその会社の隣のローソンでバイトしてて部長に
「ウチの弟遊んでるから就職さして」
「いいよじゃあ明日来る?」って決まった。
面接何か
「営業と大工どっちがいい?あっ履歴書、別にいらんけどなぁ」そんな感じw給料も良かった。16時には仕事が終わり酒盛りが始まる。毎日。
プロレスとかの仕事ならタダで観れるし芸能人にも会えたりした。正直私の様な人間が溢れていたと思う。しかしバブルは弾け私の中のわたせせいぞうも弾けた。努力、学習、反省をしない人間が良い思いをするのはあってはならない。
正直そこからは苦労した。住む所も無くホストになって店で寝てた。客が着かなくてキャッチした風俗のお姉さんに慰められ、ラーメン奢ってもらった。(その時の金龍ラーメンは忘れない)トラックドライバーになったり職人になったり結婚したり離婚したり。親にも迷惑をかけた。
縁あって介護士になって10何年かになるが続いているから意外に向いてるのかも知れない。
「ありがとう」と言って貰える度にハッピーホルモンが出てるのだろう。









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