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UNDERDOG

アンダードッグ
かませ犬、負け犬の意味。

主人公ジョニーは元プロボクサー。
ボクシングの試合で同じジムのチャンピオン・リボーを勝利させる為、
「かませ犬」として、八百長試合を命じられるも、たまたま勝ってしまう。

各方面から怒りの矛先を向けられ、事態を収めるために無理矢理に引退させられる。
中小企業でオフィスワークに就くが、同僚ミランダが暴漢に襲われているのを助けたが、暴力事件として扱われ失業し、刑務所に収監される。

ジョニーは同室となった男・エンリケと心を通わせ、塀の中の友情を育む。
エンリケは子供の時から軽犯罪をかさねてきたが、それは親のいない生活と、
周囲から謂れのない暴力を受けていた。

エンリケはジョニーにスリの技と、刑務所内で逞しく生きていく術を教えた。
出所後、先に出ていたエンリケと合流し、スリや恐喝、強盗などで悪事を為す。
2人はある施設の情報を聞き、強盗に入るが、運悪く発見され拘束される。

エンリケとジョニーは謎の人物ハリソンから薬物を注射され、
経過観察を経てゴミのように捨てられる。

だがジョニーは目覚め、そして自分に超人的なパワーを手にしている事に気付く。
ジョニーは生きるために、その力を悪事に使おうとするが思いとどまり、
過去を清算するため自らを”アンダードッグ”と名乗り、街の悪に立ち向かっていく。

ジョニーが日々様々な犯罪と闘っているそんな折、
ジョニーと同様に超人的なパワーで悪事を繰り返す者が現れた。
その正体はかつての友、エンリケだった。

エンリケは再会を喜び、ジョニーを悪の道に誘うが、ジョニーは拒否する。
エンリケは落胆し、ジョニーと彼の守ってきた安息を破壊するために襲い掛かる。

ジョニーはエンリケの圧倒的なパワーの前に敗北。
ボクシングでの負け試合がフラッシュバックし、
走馬灯のように過去の記憶が駆け巡る。

エンリケはジョニーにある計画を打ち明ける。
毒ガスを含んだ大量の爆弾で街を吹き飛ばしてしまおうというのだ。
エンリケは爆弾のスイッチを手にして行動を開始した。
計画を阻止すべく、ジョニーはボロボロの姿で立ち上がり、最後の力を振り絞って
エンリケに戦いを挑む!

激しい殴打の連続。
エンリケはジョニーに激しい攻撃を加えるが、
ジョニーも一発、一発と確実にエンリケにダメージを与えていく。

両者とも血反吐を吐きながらも、拳を打ち合う。
ジョニーにはわかっていた、このままだとエンリケに力負けしてしまうことを。
何か、策がないか?思案するジョニーではあったが、
その隙を突き、連打を浴びせてくるエンリケ。
目がかすみ倒れそうになるジョニーだったが、
その瞬間、ジョニーはエンリケに背を向け、逃げ出した。

嘲笑いながら追いかけるエンリケ。
ジョニーは必死にもがき苦しみながらも追い込まれる。

エンリケはあることに気づき、目を疑った。
ジョニーの手には爆弾のスイッチがあった。
激しい殴り合いの中で、エンリケからかすめ奪っていたのだ。

その技は、エンリケがジョニーに伝えたスリの技だ。
ジョニーはスイッチを壊し、爆弾を使用不能にした。

試合に勝てなくても、かませ犬でも、負け犬でもジョニーは闘いに勝った。

やがて力尽きたジョニーに、エンリケが背後からゆっくりと近づく。
エンリケは消え入りそうな声でジョニーに呟いた。

「負けて死ね」
エンリケは倒れ込み、そのまま死んでしまった。

ジョニーはかつてともに時間を過ごしたエンリケの亡骸を目の前に、
悲しみにも安堵にも似た感情を抱き、目に涙を浮かべながらその場を後にした。

〜エピローグ〜
ジョニーはある場所へ向かった。
自分たちを怪物に変え、運命を変えたあの施設だ。
しかしそこには何なかった。
鬱蒼と草が生えた広い平野が広がっているだけだった。

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