砂漠雑感#070 業界再編
UBE社が、独ランクセス社のポリウレタン事業(CASE、特にエラストマー)を買収するという。(10月3日発表)。同社で過去最大の買収案件との由。4.6億ユーロ(736億円)。事業規模は、2.65億ユーロ、EBITDAで0.5億ユーロ(420億円、80億円)。社員400人(世界、米国200人、欧州100人、その他100人)
同社は祖業ともいえる事業から次々と撤退、またアンモニアは、2030年に生産停止、かつては栄華を誇ったナイロン原料のカプロラクタムも縮小の動きだ。過去の経緯や工場の用役バランス、雇用問題等もあり、事業撤退というのは、容易ではない。それでも突き進まざるを得ない程に追い込まれているということだろう。業界としても、ここにきて急速に、今更ながらではあるが、スペシャリティという言葉が前面に出てきている。ここ近年、各社とも、まさにサバイバルをかけた意思決定を行っている。
それにしても、名門宇部興産が社名をUBE(ユービーイー)に変更したのは残念だ。UBE以前にも、旭硝子はAGC、日本合成ゴムはJSRという前例。インキメーカーからも漢字が無くなった。
グローバルな事業展開は結構だが、日本企業としての矜持で、社長に外人を迎え入れることが無いよう期待したい。