#ゴルフ 上田のゴルフ物語が始まります。No4

◉誠ーは、高校へ入学した。
・ゴルフで有名な、「飛球高校」である。毎日毎日練習を続けた。ドライバーから、アイアン、アプローチ、バンカーショットパターまで。特に小技には、凄く自信を持っていた。何故なら親と初めていったゴルフで、「やっぱりアプローチまでは上手くなっていないなあ」なんて言われて、大好きなゴルフで笑われた。この事が何時迄も頭から離れなかった。
「練習は嘘を付かない」と信じて人一倍、やっているのだ。
暫くして、公式の大会が開催されようとしていた。

・誠一は、まだ、他の人と比べると身長はそれ程大きくは無かった。まだ、高校1年生である。それでも170センチは超えるくらいであった。
この大会は、ほぼ3年生が出場する。顧問の先からの勧めもあり、試して来い!と言われての出場だった。
他の生徒は、何故こいつが、出るんだと思った者は多くいた。しかも、両親同伴なんて前代未聞であった。しかし、大会関係者も含め、全員が度肝を抜かれる事となる。
通常、実力者が最終組となる。「誠一」は、第一スタートの1番。緊張感はなかった。野球で多くの試合を経験しており、プレッシャーには打ち勝つハートを持っていた。
ティーオフ。「パーン」8割ショットであった。
皆が「何だ!今のは、球は何処へ行った」
母親の紀子が言った。「グリーンエッジよ」みんなは、呆気に取られていた。コースの担当者が旗を振っている。ビックリして飛び上がっているのが見えた。「嘘だろ!ここは、354ヤードだぜ。飛ぶわけないだろ!」と誰かが叫んだ。こうして大会は進んでいった。OKバーディースタートから、

2番ホール目、168ヤードショートホール。オナー誠一、9番アイアン。「グワシッ」ターフが30センチ飛んだ。ボールは見えない位高く上り、みんなの視界から消えた。「ボールは何処だ!」空かさず母紀子が、「上よ!」と言った。紀子は別に驚く事も無く言った。慣れっことなっていたからである。
数秒たってから、ボールは、ピン横、30センチに落ち、埋まった。また、皆んなが「えー」との一言。大会会長が、突然の出来事に慌てて、新聞社に連絡!

「何じゃこりゃ〜〜!とんでもねぇ〰︎〰︎!!」
「これは大スクープだと言え!」簡潔に内容を伝えて、とにかく誰かを寄越せと言ったらしかった。直ぐに、記者が来た。「今、何ホール目ですか?」このカートで行ってくれ、多分今頃、7か8ホールくらいかな?」「分かりました。先回りします。」と言って、大きなカメラを持って先を急いだ。

「誠一」達のグループは、丁度、8番ホールのティーショットの所であった。他の3人は、もう桁違いのゴルフにびびって、身体が震えていた。

・8番ホールは、584ヤード、パー5のロングホール。やや左ドックレッグの打ち上げホールであった。
オナーの「誠一」はショートカットを狙っていた。
記者が言った「いくら左ドックと言っても、狙っている方向が左過ぎないかい?」などと言った。
隣に居た母紀子が、記者に近寄り
「まあ、見てて下さい!」
と笑って言った。怪訝な顔をして記者は見ていた。

ティーグランドから見ると、左の大きな木が邪魔で、ショートカットは難しい。しかし、誠一は、その高い木を向いていた。
次の瞬間、記者の「球上」氏は、声が出なかった。
「グワシッ〰︎〰︎〰︎ン!!」
っとボールは、高い木の遥か上を超えて行った。記者の「球上」は、ボールの行方が途中から分からなかった。「えっ、ボールは何処へ行きました?確か、あの高い木の上の方向の様な気がしましたけど?」
母親の「紀子」は言った。
「フェアーウェイのど真ん中です。」
「分かったんですか?」
「いえ、感です。」
「感って言ったって、分からないと言う事でしょう!」「いいえ、それじゃ行ってみましょうか?」

記者「球上」本当に驚いた。紀子が言った通り、フェアーウェイのど真ん中であった。584ヤードを残り203ヤード。次のショットは、5番アイアン。「パーン」っと乾いた音であった。記者は、目を疑った。スイングが見えなかった。構えたと思った瞬間音がしてフィニッシュであった。
「ボールは、何処へ?」驚いている内にグリーン上へ。ピン横、35センチ、埋まったままであった。
「何、ゴ、ゴ、ゴルフが違う」と記者は言った。
木陰へ行き、電話を取り出した。局への電話をする為だ。

「た、た、た、大変です。局長、直ぐに中継出来るよう、◉◉カントリーに来て下さい。大、大スクープです。とにかく、来れば分かります。来れば!」

「分かった、いつも大スクープの「球上」と呼ばれる位だから、そうなんだろうと。
「分かった直ぐに手配する。」

「局長、あの少年です。」
「何がスクープだね」
「私が言うより、まず見てて下さい」
誠一の組は、10番のティーグランドであった。
385ヤードフラットの真っ直ぐなホール。ティーグランドは、「誠一」であった。

「パーン」っと、8割ショットであった。何故かと言うと、グリーン手前が少し窪んでいたからだ。フェアーウェイ350ヤード地点。残り35ヤード。ピン奥2メートルに落ちた。
局長は、「アプローチは、まあまあだな」と言った瞬間、ボールは、バックスピンが掛かりピンに当たった。カップインイーグルである。
局長は、口を開けたままであった。「球上」が言った。「局長!驚くのは、今からですよ。所でカメラは、未だですか?局長、前半の彼のスコアはいくつだと思いますか?何と30ですよ」

「何!さっ、さっ、30って、6アンダーじやないか。確か高校1年だったよね」
「早く、早く、カメラは未だか???。早く放映するんだ。はやく!!!大、大スクープだ。前代未聞だ」

次のホール、11番435ヤード、右ドックレッグ。やや打ち上げ。
局長が言った。「また、彼とんでもない方向見てるぞ!あっちは、グリーン方向じゃないんかい。いくら力あるって言ったって、あの木は、さっきより高いぞ!あっカメラが来た!あの、あの、少年を直ぐに写せ、生中継だ。局には、伝えてあるだろうな?」

誠一のショットは、11番のティーショットから放映された。本人は、知らなかった。彼に取っては、ただの大会でしかなかった。

「ちょっと、振ってみるか。10割ショット!」そう言うと、「ヴヴァン〜シッッ」なんとも表現出来ない音であった。綺麗な、空気の線の様な物が見えたのは、局長と球上だけだったのだろうか?
「おい、カメラ捉えられたか?」「ダメです。早くて分かりません!」「何を言ってるんだ、先回りして、グリーン方向から捉えろ。」
「分かりました。早速行きま〜す。」
カメラマンが言った。「今度こそ、絶対捉えてやる。」カメラマンは、11番ホールがダメだったので、12番のグリーンで構えていた。12番は、403ヤードパー4、左ドックレッグ、フラット。ショートカットすれば、直線で、375ヤード程。グリーン奥からティーグランド方向を向けて構えた。

・ぶったまげた〜〜!!!
何か、「パーン」と音がなって暫くして、上の方から「ボトッ」とボールが落ちて来た。
「何じゃ、こりゃ〰︎〰︎〰︎!こ、こ、此処まで来なのか?」
それは、グリーン上であった。
カメラマンは、ぶったまげた。写しながらマイクを持ち、アナウンスし始めた。生中継である。しかし、彼の凄さは、おおよそ、中継を見ている誰もが、分かった。そして、1日して、凄さ、豪快さ、逸材全て皆が認める事となった。
新聞、雑誌、テレビ、凡ゆる報道機関から取り上げてた。「誠司」会社にも、マスコミが殺到した。勿論、学校にも。そして、会社には、スポーツメーカーからも、契約依頼の為、こぞって押し寄せた。もう、てんやわんやである。

・その後、誠一は、イケメンであり、あちらこちらから引っ張りダコで、球を打って見せろだの、スイングが見たいだの、既にスター扱いである。
それから、高校生でプロ入りし、スポンサーも、3つ付いた。高校3年生で、プロのトーナメントにも参加した。しかし、高校をちゃんと卒業したくて3ケ月間は、参加をしなかった。
卒業後、その年の4月より、先ず体力作りに徹した。初のトーナメント参加は、秋からであった。9月から毎週、毎週参加した。4回連続優勝を飾り、ショットの凄さ、100年に1人の逸材を見せつけた。トーナメントの観客も過去最高の10万人を突破、その年、賞金王と新人賞など数々の受賞を受けた。順風満帆であった。マスコミ、雑誌、テレビなど、メディアと言うメディアが騒いだ。危機が迫っている事も知らずに。

さあ、さあ、まだまだ、続きます。これから先、誠一はどうなって行くのか?
次回を楽しみに!!!それでは

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