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趣味の熱量、ブームってなに? アイドルゲーム、デレステって寿命がある?

前置き

デレステに、中野有香ちゃんというアイドルがいる。実装当初、「押忍にゃん」とあだ名されていた。もちろん今そんなことをいう人はごく一部だ。
当時、「けいおん」が人気をもっていた。その登場人物、中野梓、愛称「あずにゃん」に、見た目(髪型とか色とか)が似ていたからそう呼ばれていた。空手をするあずにゃん=押忍にゃん、というわけだ。
今、けいおんは歴史に残るブームを作ったアニメとして記憶されているが、いま、ファンと公言するファンはいない。だが、シンデレラガールズは続いており、有香ちゃんのファンはまだまだいる。
この違いはなぜなのか? 
それはヒトが熱狂し続ける時間は、ほぼ3年くらいしかない、という仮説から説明される。
フツウのヒトが、全精力を傾けてやり続けられる期間って、3年なんじゃないの? ってハナシ。

趣味の熱量、ブームの寿命

これに気がついたのは、実はわが父親の生きざまだった。
父は九州の片田舎の出身だったが、大阪に出て仕事を探して暮らしていた。だが、一カ所にとどまらず、あっちへこっちへ、と転職を繰り返していた。中には、本当に3日で辞めたものもあったという。
さすがにワタシが生まれてからは多少は落ち着いたものの、性癖は変わらなかった。
趣味にものすごい熱量をかけるのである。
だが、そのピークは3年くらいしか続かない。
3年経ったら完全に辞める、ってわけじゃないが、かなり熱量がさがる。
そして、また新しいものを見つけてくるのである。
バイク、ギター、釣り、ツーリング、その他いろいろやった。
はては、刀剣に興味がある、って言って、岡山の備前長船博物館に行き、館員さんに研ぎ師の人を紹介してもらって、家で刀研ぎを始める始末である。
なので、ワタシは真剣を振るったことがあります。重いですよ(笑)。

そういうのを見ていると、ふと、マンガやアニメで、部活ものがテーマに選ばれている理由が、なんとなくこれかな、って思えてきた。
3年という単位が、ちょうどいい単位なのである。学校が3年、っていうのもあるが、そもそも、なんで3年? って思わなかっただろうか? 4年でも5年でもいいのでは? と。
もちろん、短大や高専などがあり、大学は4年である。
だが、部活ものでも、3年過ごしたら、なんか一区切りついたみたいになって、たとえば大学では違うことをやりだしたりする。
ひとがあることに打ち込める期間は最大約3年ではないか?
それがひとつの結論である。

3年前、熱狂したアニメ、マンガがあったとして、さて、今はどうだろうか?
もちろん、まだまだ好きなものかもしれないけど、当初の熱狂は冷めてしまっていないだろうか? ひと昔前の想い出になっていないだろうか?
はっきり言って、続いているものは公式が火が消えてしまわないよう燃料を投下してることによる。3年間、なにもなければ、覚えていることもさすがに難しい。
アニメの続編は、だいたい2年か3年のスパンででてくる。(よほど売れたものなら1年おきにでるかもしれないが) 仕事の段取りもあるんだが(アニメが放映されるまでには、だいたい1年半か2年の準備期間がある)やはり、そのくらいが適当とい思われているのだろう。

ここで問題は、続編がどのようなスタンスで作られるのか? ということである。

新たな燃料って?

アイドルマスターシンデレラガールズは、2012年にモバゲーとして始まった。アイマスの派生シリーズとして、最初はヒットするかわからず、恐る恐るのリリースだったようであるが、かなりの好評をたたき出した。
ぶっちゃけ、ゲーム性は、カードを集めるだけの絵合わせゲームなので、面白くない。でも、イラスト化されたアイドルは、誰もが魅力的で、アイドルマスターの面々(現在765ASと称される)だけに飽き足らないP達がこぞってプレイした。
そして、2015年、登場から3年後にアニメ化、その終了を待って、スターライトステージ(デレステ)が登場する。
このとおり、3年後だったのである。(おそらく、好調をえて、アニメ企画をスタートさせたのでこうなった) そして、これはシンデレラのPの興味を繋ぎとめるには十分な燃料だった。
だって、好きなアイドルが3Dモデルで動いて踊ってくれるのだから。
このあと、2017年にシンデレラガールズ劇場放映など、細かな燃料投下があったが、次の大きな動きは、2018年末、ライブでの7名の新アイドル追加である。まさにまた3年後。

この7名の新アイドル追加は、明らかに今までの追加ではなかった。
まず、2名ユニットが2組、初めからボイスありで追加されることとなった。また、他3人は、いわゆるアイマスの信号機トリオといわれる、キュート、クール、パッション属性のアイドルであった。(こちらはボイスはなかったが)
この3人の信号機トリオは、当時の世相を完全に代表しており、6,7年前の設定をされた他のアイドルとはかなり異質なものであった。
特に夢見りあむ(笑)。
あかりはご当地アイドルを目指し、あきらはSNSで活躍するインスタグラマー(ただしインスタは商標なので明言していない)であるが、りあむは、地下アイドル出身のアイドルオタクだった。
その容姿とも相まって、登場初期からかなりの人気を得、総選挙上位でボイスがつくことにもなった。
おそらく、この時点でPたるユーザーの世代交代が始まっていたのではないか。表面上のPの声は変わらない。だが、辞めていった声は聞こえなくなる。新たに来たPは、先輩らに気を使ってあまりおおげさには動かない、のではないか? (あくまで想像だが)
つまり、デレステのユーザー数の減少にみられる、3年を越えてしまったPたちの熱量低下だ。そして、運営が望んだように、このテコ入れでユーザーはジリ貧とはなっているものの、落ちてしまうことは抑えられたのである。

今、あらたな3年後を迎えて

新規7人アイドルの発表は2018年末だが、実際の投入は2019年である。そして、3年後が今、2022年ということになる。
シンデレラには激動の時代に入っている。総選挙が10回を終え、あらたな形式で開催されるようになった。また、10年続いたモバマスが、来年3月に終了が発表された。
今年9月の7周年では、明らかに特徴的なことがあった。周年記念楽曲で選ばれたアイドルが、ボイス実装が比較的最近のアイドルばかりであることだ。
その上、MOTTO! のセンターは、久川凪である。
直前の総選挙A予選では、驚きの1位予選通過の凪であり、もしかしたら、運営は凪がかなり上位に食い込むことを予想して、あのユニットを組んだのではないかと思ったりする。
いや、予想して、というのは間違いかもしれない。予想ではなく、そうなるよう手を打っていた、のではないだろうか?

2019年の2組のアイドル実装でのイベントコミュを振り返ってみると、ヴェルヴェットローズでは、その後のふたりが登場するコミュで、ふたりの関係性、過去の話などが続きもののように語られており、その傾向は、ミロワールでも、オクリモノから、各人のソロ曲コミュと続き、サマーサイダーコミュで颯の問題が深堀りされたことからもわかるように、おそらく、その場その場で考えられたストーリーではなく、「アイドル設定のなかにストーリーが含まれていた」と考えるべきではないだろうか。

そう考えると、ユニ募あらためユニクスの3人は、今回3人ユニットの結成ストーリーが語られたわけだが、「名前が決まってなかったから考えてみよう」というストーリーは、実装時点できまってたのでは? と思える。
もっと想像を膨らませると、「ボイス未実装だったのは、ボイスアイドルオーディションをおこなってボイスをつけるイベントをやりたかったから」といううがった見方までできるのだ。
まあ、その作戦は実際成功していて、7周年は昨年になく盛り上がっているようにも思える。

最終的に何が言いたいか、というと、
「いまはデレステの変換点であり、いままでの3年とは違う方向性を出してくる可能性が高い」ということだ。

そしてこれから

これからの動きは予想はできないが、一つ言えることは、やはり新総選挙がデレステのゲームの軸になるのでは? ということ。
予選通過5名ユニットで曲が作られ、これはイベント曲になるだろう。
いままで、総選挙でユニットを組んだアイドルは、特に「ユニット」として推されるようなことはほぼなかった。あくまで一時的集まりのような感じで。
だが、これからはユニット名がつき、ユニット活動する話がでてくるのではないか? 運営がユニットに力を入れているのは、モバマスで人気投票しているのもあるが、モバマスが終了したあと、新しいユニットの供給が無くなってしまう面もあると思う。

別のコラムで書いたが、アイドルの人気の要素は、「キャラ立ち、テーマ性、ストーリー」だと思ってる。
アイドルがユニットを組むことは、相互に関係ができ、物語が作られる。
アイドルは、かわいいかっこいい、だけでなく、そのキャラクターの持つ物語が、今の時代、重要な位置を占めると予想している。

そして、10周年記念アニメで示されたように、PたちにはPたちだけの数の物語がある。
だとすれば、どんどん自分たちの物語を紡いでいけばよい。
そして、それを公式に投げ返して、相互作用で世界を広げていけばいい。
そうすることで、今後3年を乗り切ることはできるだろう。
3年後のことは、運営に考えさせればいい。われわれは自分たちの道を見失わずに進むだけだ。

だから、ライラさん担当Pとしては、ライラさんの物語を進めなくてはいけない。
「パパとの和解の物語」を。
そのためには、「ユニット結成コミュをゲットする」のが第一目標なのである。
ということで、2022年10月B予選、
#ライラさんにアイスとボイスを
である。

余談

このコラムを書いているあいだに、夢見りあむ役の星希成奏さんの入院の報が。病名から、即復帰、は難しいと考えられます。
ユニクスの物語を進めるこの時期、残念ではありますが、十分休養されて、できるだけ早い復帰をお祈りしています。

<終>

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