④扇町ミュージアムスクエアのこと

当時、大阪梅田の近くに、扇町ミュージアムスクエアという複合文化施設があり、フォーラムという劇場が、関西小劇場のメッカの1つだった。
(2003年3月、惜しまれつつ閉館)

今から思うと幸運なことに、三劇の先輩たちがこの劇場と交流があり、またHさんという前年まで三劇にいた方が、フォーラムではたらいておられたこともあって、よく出入りさせていただいた。

東京から次々と有名劇団が、フォーラム公演を始めた時期で、見習いで照明の仕事を手伝わせていただいた。
ざっと並べても、第三エロチカ、青い鳥、游・機械全自動シアター、善人会議、ブリキの自発団、岸田事務所+楽天団、月蝕歌劇団、NOISE、プロジェクト・ナビと当時の東京小劇場界で勢いのあるカンパニーがこぞって、扇町に来館していた。

この扇町MSフォーラム、阪急ファイブ8Fにあったオレンジルーム、そしてホームである同志社大学新町別館小ホールで、照明の仕事を日々覚えていった。

めまぐるしい毎日だったが、こうやって照明の仕事を覚え、今につながるいろいろな照明家、演劇人との出会いがあった。
この時期に出会った方々と、30数年たった今でもご一緒しているのは本当にありがたく幸せだ。

期せずして、フリーの舞台照明デザイナーとして、最高の環境で学び、技術と人脈と照明のセンスを習得していったのだと、数十年経た今になってつくづくと、その奇跡に感嘆せざるを得ない。

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