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20240612
街の暑さから
逃げるように
山へ
沢沿いの小径を
のぼってゆくと
湧水の近くを
小さな蝶が
二匹で
飛んでいた
淡いエメラルドグリーンを
ちらつかせながら
互い違いに
くるくると
まるで螺旋を
描くかのように
その様子を眺めながら
今日 読んだ
ある物語を
思い出し
少し
立ち止まる
また
しばらくのぼり
次第に
水の流れから
離れると
辺りは急に
静かになって
やわらかな
木洩れ日が
足元を揺らした
ぼんやりと
眺めていると
ふと
こうして
一人でいることが
なんだか
ひどく無防備に
かんじられて
来た道を
また引き返す
途中
急ぎ足で
湧水のほとりに
さしかかると
まだ
舞い続ける
二匹の姿
光の加減か
さっきとは
異なる色を放ちながら
くるくると
いつまでも
踊っていた
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