彼氏いない歴=年齢の女

ましてや異性の友達も出来たことない。
この先も多分できない(;  ; )

*

昔の職場で私はある大きな衝撃を受けた。
それは、私と同じくらいの年齢の女の子は皆、当たり前のように彼氏が居ることだ。
それも見た目は正直地味な女の子(ごめん)でも、まるで彼氏の存在が当たり前かのように話していたのだ。

同期との雑談の内容も全部とは言わないが、彼氏についての話題が多い。
当然私は話の輪に入れない。

別に、今までの人生で本気で恋人が欲しいと思ったことはないので、悔しいとか羨ましいなどという感情は無かったけど、
でも、何も持っていない自分の姿はすごく惨めだった。

彼女達は"彼女達の常識"を当たり前のように、私に押し付けてくる。
それに対し、私だけが違うということが分かると、彼女らの私を見る目が少しだけ変わる。
ほんの些細な違いだけど、前とは違って何か異様なものを見るような目に変化しているのだ。

私はその"目"がすごく怖い。

例えば1人だけ浮くようなことがあっても、彼女たちの会話に合わせればある程度ごまかせるけれど、それにも限度というものがある。

皆がやっているように、無理やりにでも彼氏を作って、Instagramもインストールして、流行りのファッションや髪型に身を包むことはできるけれど、
興味が無い、または苦手なことを惰性でやるのは辛い。

だからといって「自分は自分だから」と自分を強く持って、他人とは違っても釈然として対応できるほどの心の強さは持っていない。

どうしても他人から見た自分が気になってしまう。
周りから見て浮いている自分の姿が嫌いなのだ。

だから苦しかった。

パッと見は普通の人っぽく見えるので、皆安心して私に話かけてくるけれど、話していくうちに
「あれ、この人私達となんか違う」と違和感を覚えられる。
その時の空気感が怖い。
必死に目立たないように擬態してるのに、その仮面がちょっとずつ剥がれ落ちていくような感覚だ。

私は小説や漫画、ラブソングなどの恋の描写がある創作物が苦手だ。
何故かと言うとその恋をしているキャラクター達に嫉妬してしまうからだ。
私はこんなにも苦しんでるのに、なんで貴方たちは恋なんかにうつつを抜かしていられるんだと、モヤモヤとした気持ちが湧いてくるのだ。
(もちろん理不尽なのは承知の上)

でも、別に現実の世界ではカップルを見てもなんとも思わない。
苦手なのはあくまで創作物の中だけだ。
これは何でなんだろうと考えてみたけれど、漫画や小説を読んでいる最中は、辛い現実を忘れられる数少ない娯楽だ。
その物語の世界観に共感し没入している時に、突如主人公が色恋沙汰を始めたら、私は共感するどころか「恋愛にリソースを割けるほどの心の余裕があっていいなぁ」と、どこか冷めた目で見てしまう。
今まで物語の中を一緒に旅してきた主人公が、一気に遠くの存在の人に思えてしまうのだ。

最初から恋をテーマにした漫画や小説なら、それを知った上で覚悟して見れるからまだいいが、普通の少年漫画で主人公が可愛い女の子に心をときめかせている場面を見ると、一気に現実に引き戻されてしまって、テンションが下がってしまう。

…私は寂しいのだろうか?
確かに友達も居ないし、恋人なんて出来たことないし、家族との会話もほとんどしてない。
たまに人肌恋しくなる時はあるけど、友達や恋人は都合よく空から降ってくる訳でもないから、自分から行動しなければならない。
でもそれが非常に面倒くさいし、難しい。
そもそも友達が出来たとしても、新たな人間関係を築く過程で、やはりどうしても疲れてしまう。
慣れ親しんだ仲になるまでは時間がかかるし、それまでずっと気を遣って接するのも疲れる。
疲れると今度はまた1人になりたくなって関係を絶ってしまう。
…それを想像すると、やっぱり自分に友達は必要ないと思って行動する前にやる気を失ってしまうのだ。

こういう事が起こる度いつも思う。
私もみんなと同じように普通の人になりたかった。
もっと周りの環境に振り回されないで、楽しいことを素直に楽しいと思えるような人間になりたかった。
もっと普通に学校生活を送って、普通に友達も恋人も出来て、普通に仕事が出来る人になりたかった。

なんで私だけいつもこんなに苦しいんだろう。
もうこんな自分なんて嫌だ。
この先ずっと生きるのはしんどいから死んで楽になりたいって思っちゃうけど、これも悪い癖だ。
とりあえずまだ死なない。
ていうか死ねない。
せめて親孝行してから死にたいから。
でもそれはいつになるんだろう。
もしかしたら一生出来ないかもしれない。
こんなことやってても時間だけ経っていって何も変わらないのに。
やっぱり生まれてこなければよかった。
どんな悩みを抱えていても、必ず最後はそう結論づけてしまう。
この先も生きていたらいずれ、生まれてきて良かったと思える日が来るのだろうか。

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