びんばっちゃまと妖精ちゃん20

びんばっちゃまとまーおちゃんは葉っぱの島に行きました
「ばっちゃま ここはとっても暖かいところだね」
まーおちゃんは氷の妖精さんだから溶けてしまわないか心配
星の夜 葉っぱ島の沖に大きな船が錨を降ろしました

葉っぱ島の港に大きな船は入れません
マニュちゃん家族はゆらゆら揺れる小舟に乗り換えました
“はしけ”といいます
中は薄暗く海のニオイがしました
マニュちゃんは少し怖くなってハジメちゃんと手をつなぎました

葉っぱ島は港の灯りがあるだけ あとは真っ暗な闇が広がっていました
「お父さん ネオンは なかと?」
「町の方に行ったら もう少し明るかやろ」

おじいさんの家には親戚や近所の人達が集まっていました
マニュちゃんとハジメちゃんは大人たちを和ませました
見たことのない料理やお菓子を食べられないだけでも大人たちは笑っていました
「街で育っているから田舎の食べモンは口に合わんよね ハハハ」
大人たちは誰もがこの子供達を見ていました
お母さんはあまり喋りません

お父さんとお母さんは島の中にある賑やかな町に民宿を建てる準備を始めました
この日からお父さんもお母さんもマニュちゃんとハジメちゃんの事をちょっと忘れるようになりました ほんのちょっとだけ

おじいさんは時々お母さんに辛くあたります
お母さんはあまり笑いません

カミ君は街から帰ってきてお嫁さんをもらいました
お父さんとカミ君とお嫁さんのシーさんは支えあいながらお母さんを守っていました
スクラムみたいに
マニュちゃんとハジメちゃんはスクラムに入っていません
子どもだから

お父さんはだんだん外の用事で出かけることがふえました
お母さんはテキパキ働きイキイキしています

お母さんが笑うようになりました

お父さんとお母さんはたくさんの人から「お父さん お母さん」と慕われるようになりました

お母さんはよく笑います 大きな声で話します






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