【ビジネスと地域】企業誘致と地元企業のイノベーションの両輪

企業誘致は、雇用を創出し地域のGDPを増加させる。地方にグローバル企業の所得水準を実現することができる。短期的に、かつ確実に効果が出る有効な政策である。
しかし誘致企業は本社機能、開発機能、マーケティング機能などを持っていないことがほとんど。職務の多様性や成長性には欠けることが多い。また、撤退のリスクもある。

発展途上国は経済成長のために外資誘致を一丁目一番地の政策としてきた。中国やタイはそれで成長した。しかし、外資誘致だけでは「中所得国の罠」に陥る。「中所得国の罠」とは、経済発展が中程度の水準に達した後に発展パターンや戦略を転換できず、成長率が低下、あるいは長期にわたって低迷することを指す。こうした国はさらなる成長を目指して国内企業のイノベーションやスタートアップの創出に力を入れている。

地域経済も同じことである。企業誘致は一定の雇用増加と所得の向上には貢献できるが、それ以上のドラスティックな産業構造の変革や地域経済の発展には繋がりにくい。

地元企業が地域の強みを生かしてグローバルに発展して行くことが重要。日本の名だたる大企業もGAFAも全て最初は小さなスタートアップ。このような企業を生み出すためには日本社会全体が「挑戦」を促進する社会に変わらなければならない。そのためには雇用制度、教育制度、社会保障制度の構造改革が必要である。

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