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パーソナルコンピュータが普及する以前のIT環境

現代社会では、パーソナルコンピュータ(PC)が我々の日常生活に欠かせない存在となっています。しかし、PCが普及する以前の情報技術(IT)環境は、今日とは大きく異なるものでした。今回はパーソナルコンピュータが普及する以前のIT環境について探っていきます。
 
メインフレームとミニコンピュータの時代
1950年代から1970年代初頭にかけて、コンピュータの世界は主にメインフレームと呼ばれる大型コンピュータと、ミニコンピュータと呼ばれる比較的小型のコンピュータによって支配されていました。
 
メインフレームコンピュータ
メインフレームコンピュータは、企業や政府機関、大規模な研究機関などで使用され、非常に高い計算能力と信頼性を誇りました。IBMのSystem/360シリーズなどがその代表例です。
これらのコンピュータは、専用の冷却システムを必要とし、一部屋を占有するほどの大きさでした。
自身が専門学校時代(1980年代)でプログラミングを学んだシステムもこの
ジャンルに含まれます。
NECのACOSシリーズ77 NEAC SYSTEM 200及び NEAC SYSTEM 500と呼ばれるSYSTEMでした。
 
 
ミニコンピュータ
一方、ミニコンピュータはメインフレームほどの大きさやコストを必要とせず、中規模な企業や研究機関に向けて設計されました。デジタル・イクイップメント・コーポレーション(DEC)のPDPシリーズやVAXシリーズがその代表例です。これらのコンピュータは、メインフレームに比べて柔軟性が高く、コストも低かったため、広く普及しました。
オフィスコンピュータもこのジャンルに含まれます。
OKITAC4300C、PANAFACOM Uシリーズ、HITAC8150、MELCOM80など
様々な機種が生まれてきました。
 
オペレーティングシステムとプログラミング言語
オペレーティングシステム
メインフレームとミニコンピュータの時代には、専用のオペレーティングシステムが使用されました。IBMのOS/360やDECのTOPS-10、VMSなどがその例です。これらのシステムは、複数のユーザーが同時に利用できるタイムシェアリングシステムを備えていました。
 
プログラミング言語
当時の主要なプログラミング言語には、FORTRAN(科学技術計算用)、COBOL(業務アプリケーション用)、そして後に登場するC言語(システムプログラミング用)などがありました。
あと、Assemblerも学んでおりました。
これらの言語は、コンピュータのハードウェアに密接に結びついており、効率的なプログラム作成が求められました。
 
データ入力
データ入力は主に紙テープを使用し、のちに8インチのフロッピィディスクが登場していました。
紙テープでは、紙テープに穴を開ける紙テープ穿孔装置と呼ばれるタイプライターに似た装置でキーボードから入力し
紙テープに穴を開けていました。
入力間違いの際、はさみと糊を使っていわゆる、切り貼り を行っていました。
 
データストレージと通信
データストレージ
初期のデータストレージは、パンチカードや磁気テープが主流でした。パンチカードはデータを物理的な穴のパターンとして保存し、磁気テープはデータを磁化のパターンとして記録しました。これらのメディアは、今日のハードディスクやSSDに比べて非常に低速であり、アクセスにも時間がかかりました。
 
通信
コンピュータ同士の通信は、専用回線や初期のパケット交換ネットワーク(ARPANETなど)を通じて行われました。これらのネットワークは、非常に限られた数のノードを結び、通信速度も遅かったため、現代のインターネットとは比較にならないものでした。
 

パーソナルコンピュータが普及する以前のIT環境は、現在とは大きく異なり、巨大なメインフレームやミニコンピュータが中心となっていました。これらのシステムは、企業や政府、研究機関などで主に利用されており、専用のオペレーティングシステムやプログラミング言語が使用されていました。データストレージや通信も現在の技術とは比べ物にならないほど原始的なものでしたが、それでも当時のIT環境は、現代のコンピュータ技術の基盤を築いた重要な時代であったと言えます。
 
このように、パーソナルコンピュータが普及する以前のIT環境は、現在とは全く異なるものでしたが、その技術と理念は現代のコンピュータ技術の発展に大きな影響を与えました。

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