鳥山明氏の成功の秘密

鳥山明氏が急逝。超人気漫画家であり大ヒットアニメの原作者、ゲーム界の巨匠デザイナー、世界中で大成功を収めた巨人の【天命】(=総画数)は22画。これは一般的には大凶と言われる画数です。何故彼は成功出来たのか。

鳥山明
【遺伝】14、【対人】11、【本能】8、【本質】11、【天命】22

22画は一般に「虚栄運」とか「薄弱運」といった言い方で表現され、派手な虚飾に憧れ、そういう世界に憧れるが、成功しづらいし、例え成功したとしても長続きはしない、などと酷い言われようです。大凶とも言える画数。

しかしこの数を持つ鳥山明氏は漫画界、アニメ界、ゲーム界で巨匠と呼ばれ、その作品は世界中で愛され、後輩のクリエーター達…漫画家に限りません…にも、多大な影響を与えていました。何故? 姓名判断は当たらない?

彼の最初の大ヒット漫画として有名な「Dr.スランプ」は発表直後から大人気だった訳ではありません。私はリアルタイムで「ジャンプ」紙上で読みましたが、第一話でのアラレちゃんは4~5頭身のロボットでした。デフォルメはされているものの、いたってフツーのロボットであり、主人公のDr.スランプこと「則巻せんべい」氏もどちらかと言えば劇画調のタッチで描かれ、ギャグ漫画の主人公としてはちょっと中途半端なキャラクターで、ジャンプ名物の読者からの葉書による人気投票でもさほどの評判ではなかったようです。

これは後で何かで読んだのですが、鳥山氏に付いた編集者(鳥嶋氏?)がそれを感じ取り、鳥山氏に大胆なアドバイスをしたそうです。事実上の主人公を則巻せんべい氏からアラレちゃんに変更し、アラレちゃんの見た目も、思いっきり2(!)頭身に変更、可愛くて強いキャラクターに振り切ったとか。そこからです、「Dr.スランプ」という作品の快進撃が始まったのは。

鳥山明氏のビジネスマンとしての成功は当に、ここにこそある。22画は精神力が弱く何事にも中途半端で自分の強い意志が続けられない。しかし理系脳で細かい作業や構築に向くという長所もあるのです。何より、自分の意志には拘らないということは、裏を返せば人の意見を素直に聞けるという長所にも繋がる。要は他の長所を活かす方向性に、弱点を長所に向かせれば良い。

3/9付の読売新聞朝刊に載った記事での元編集者、鳥嶋和彦氏との対談時には、彼の2大ヒットとも言える「ドラゴンボール」と共に、鳥山明氏としては『全然自分好みではなかった。本当に自分の好きなように描いたら絶対受けない。』と語っていたそうです。泣いて馬謖を斬る気持ちだったのかも。

彼の【本能】は自分の思い通りにことを運ぶことが生き甲斐である、11画です。しかも彼は【本能】だけでなく仕事運でもある【対人】も11画で一致。鳥山氏は自分の嗜好を封印してまでも、世間の人達や愛読者に寄り添った方向性に方針変更をすることが可能な、強い柔軟性を持っていたということ。

22画には、こういった活かし方もあるのでしょう。凶数と言えども大成功に導く能力を持っているという、1つの証明でしょう。勿論、人並み外れた画力やギャグセンスなど、彼の持つ天才性が前提条件としての話ですが。




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