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イキりの福姫08-雀魂2024春の四半期

雀魂のキャラ「福姫(フージー)」でイキった対戦を振り返っている。初心者向けの技術解説に適した内容なので、いくつかnote記事にしたい。

今回も2024/05/27の牌譜から事例を採集した。

<南4局1本場>

<点数状況判断>

1位 +12,600 満貫放銃で4位終局
2位 +2,000 満貫放銃で4位終局
4位 -7,000 満貫放銃で4位終局

1位 満貫被ツモで3位終局
2位 満貫被ツモで3位終局
4位 1,300-1,300-2,600の被ツモで4位終局

残り2局以下になった場合、点数状況判断を行う。今回は自分が3位だ。満貫放銃すると4位に落ちて終局だ。自分が親番なので、他家がアガっても連荘がなく、アガリの機会が増えることはない。放銃はしたくない。

4位が満貫をツモると、自分が4位に落ちて終局だ。これは点差の表示からすぐ分かる。ただし今回自分が親番なので、被ツモの失点が大きいことに注意だ。中打点の1,300-1,300-2,600の被ツモでも4位に落ちて終局だ。

(1,300 + 1,300 + 2,600)+ 300 + 2,600 + 100 = 8,200

(4位の得点)+(4位の1本場積み棒得点)+(自分の失点)+(自分の1本場積み棒失点)=(詰まる点差)

8,200点差が詰まり、僅差で4位に落ちる。1,300-1,300-2,600(俗にイチサンニンロクと呼ぶ)は子ピンフ・ツモ+2翻の打点だ。残り2翻はリーチとドラ1、あるいはリーチとタンヤオ(いわゆるメンタンピンツモ)で達成でき、頻繁に見るアガリだ。オリても4位落ちの可能性が十分ある。

自分のアガリにも要注意だ。自分が親番なので、アガると点差は開くが連荘する。私が2,600点オールをアガると連荘だ。2,600点オールは親のピンフ・ツモ+2翻の打点だ。

(2,600 + 2,600 + 2,600)+ 300 + 2,600 + 100 = 10,800

(自分の得点)+(自分の1本場積み棒得点)+(1位の失点)+(1位の1本場積み棒失点)=(詰まる点差)

10,800点差が詰まるものの2位だ。これは点差の表示から分かる。1位は33,000点、自分は31,200点だ。自分は親番で、30,000点超えの1位ではないため、アガリやめ終局はできず連荘する。次局の2本場で2,000点以上を目指すことになる上、他家にアガリの機会を与える。

打点は4翻で満貫だが、ピンフ・ツモ+2翻、チートイツ+2翻の2種類は例外で、満貫にならない。ピンフ・ツモは頻繁に見るアガリなので、今回の点数状況では決着がつかず面倒だ。

なお親満貫ドライバーをツモなら、自分が1位でアガリやめ終局する。

(4,000 + 4,000 + 4,000)+ 300 + 4,000 + 100 = 16,400

(自分の得点)+(自分の1本場積み棒得点)+(1位の失点)+(1位の1本場積み棒失点)=(詰まる点差)

16,400点差が詰まって1位だ。これは点差の表示から分かる。下家は2位に落ちて31,600点、自分は1位に上がって35,400点だ。自分は親番で30,000点超えの1位なので、連荘はせずアガリやめ終局だ。

リーチを打つとオリができない。ダマテンや副露手はオリに転換できるが、高打点にしにくい。アガると点差が大きく開かずに連荘する。局を流せず、他家にアガリの機会を1回多く与える。

私の実力なのだろうが、毎度おなじみの詰み筋に入った(笑)。ただし、今回は全員の持ち点が原点付近にある。対戦開始時の25,000点±10,000点程度に収まっている(この状況を「点数状況が平たい」と言う)。満貫ツモで順位逆転の機会が全員にある(子の満貫ツモで10,000点差が詰まる)。1位が35,700点なので、1位が誰かに放銃すれば西入もありうる。

「リーチを打つとオリができない。ダマテンや副露手はオリに転換できるが、高打点にしにくく、決着がつかない」軍事用語で言う、緩衝地帯での睨み合いだ(例、北朝鮮と韓国の国境周辺地帯、北緯38度線)。押しあるのみで思い切った攻めをできるのは4位だけだ。

<1巡目>

ツモ白 → 打南。

45m + 7m + 4p + 77p + 8p + 1s + 4s + 78s(+ 打南)+ 西 + 白

メンツが0個ある。トイツが1個ある。ターツが2個ある。この手牌はウーシャンテンだ(8 -(1 + 1 + 1)= 5)。

配牌のシャンテン数は概ねサンシャンテンかスーシャンテンなので、ウーシャンテンは分が悪い。ターツが足りないので、役牌のポンの可能性を残す。ただし南は切った。下家(南家)にダブ南・ドラ1・赤1等の満貫を与えたくないからだ。ドラ以外で2翻が確定した副露手は満貫になりやすい。

<2巡目>

ツモ6m → 打白。

456m + 7m + 4p + 77p + 8p + 1s + 4s + 78s + 西(+ 打白)

4m + 567m + 4p + 77p + 8p + 1s + 4s + 78s + 西(+ 打白)

メンツが1個ある。トイツが1個ある。ターツが1個ある。この手牌はスーシャンテンだ(8 -(2 + 1 + 1)= 4)。メンツの抜き方が2通り現れる。

リャンメンターツが1個、中張牌のトイツが1個、孤立の3-7牌が4個あるので、喰いタンを狙える。残り3枚の白よりも、孤立数牌の4p、4s、4m、7mにくっついてターツをもう1個生む機会のほうが多い。

4567mは 456m+7m、または 4m + 567mの2通りに切り分けでき、メンツ+孤立牌が2通り作れる。4m または 7m の周辺牌をツモると、ターツやトイツが発生する。くっつきコンボの1つ「四連形」だ。ターツが足りない手牌で、四連形の構造を崩してはならない。

役牌を見切ったほうが4メンツ1雀頭の完成に近い。ただし78sにツモ9sで、タンヤオが崩れうる。

<3巡目>

ツモ2p → 打西。

456m + 7m + 24p + 77p + 8p + 1s + 4s + 78s(+ 打西)

4m + 567m + 24p + 77p + 8p + 1s + 4s + 78s(+ 打西)

メンツが1個ある。トイツが1個ある。ターツが2個ある。この手牌はサンシャンテンだ(8 -(2 + 1 + 1 + 1)= 3)。

4メンツ1雀頭の完成には、ターツが1個足りない。4m、7m、4sの周辺牌をツモってターツを作りたい。

<5巡目>

ツモ8p → 打1s。

456m + 7m + 24p + 77p + 88p(+ 打1s)+ 4s + 78s

4m + 567m + 24p + 77p + 88p(+ 打1s)+ 4s + 78s

メンツが1個ある。トイツが2個ある。ターツが2個ある。この手牌はリャンシャンテンだ(8 -(2 + 1 + 1 + 1 + 1)= 2)。

リーチの平均巡目は9巡目だ。5、6巡目でイーシャンテンではないので、後手を踏みそうだ。しかしここまでよく整ったものだ。

この後、ツモ3p → ツモ9s → シャンポン77p88p待ち、愚形リーチのみのテンパイになりうる。低打点・愚形テンパイ・オリられない攻撃の三拍子には進みたくない。

<6巡目>

ツモ3p → 打4s。

456m + 7m + 234p + 77p + 88p(+ 打4s)+ 78s

4m + 567m + 234p + 77p + 88p(+ 打4s)+ 78s

メンツが2個ある。トイツが2個ある。ターツが1個ある。この手牌はイーシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 1 + 1 + 1)= 1)。

5、6巡目でイーシャンテンなら、先制リーチを打てそうだ。しかしこの後、ツモ9s → シャンポン77p88p待ち、愚形リーチのみのテンパイになりうる。低打点・愚形テンパイ・オリられない攻撃の三拍子には進みたくない。

ツモ6s → シャンポン77p88p待ち、ならリーチ・タンヤオだ。さらにツモと裏1で親満貫ドライバーになる。高打点の経路があるので、ひとまずイーシャンテンを維持する。

なお孤立牌には4s、4m、7mがあるが、純粋な孤立牌の4sから切った。4567mの四連形からはツモ36m、58mでリャンメンターツが発生する。トイツを片方落としてリャンメン×2のイーシャンテン形に変化できる。

<7巡目>

ツモ9p → 打7p。

456m + 7m + 234p(+ 打7p)+ 789p + 8p + 78s

4m + 567m + 234p(+ 打7p)+ 789p + 8p + 78s

メンツが3個ある。トイツが0個ある。ターツが1個ある。この手牌はイーシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 2 + 1)= 1)。

3メンツ+ターツ+2孤立牌で、ヘッドレス形イーシャンテン形の基本形だ。

<ヘッドレス形イーシャンテン形の基本形はどうテンパイするか>

牌効率・牌理ツール(開発・運営 第6代天鳳位 タケオしゃん)

→牌記号入力
4567m2347889p78s

→牌記号変換
→有効牌を表示する(七対子・国士含まず)
→有効牌をツモった手牌
→「この手牌を牌理で使う」で一手進みます。

ツモ → 打 → テンパイの待ち

4m → 8p → リャンメン69s

7m → 8p → リャンメン69s

8p → 7m(4m) → リャンメン69s

6s → 8p → リャンメン単騎47m

9s → 8p → リャンメン単騎47m

有効牌は5種15枚(8pが1枚切れ)。孤立牌の4m、7m、8pが雀頭になれば、残ったターツでリャンメン待ちテンパイ。

リャンメンターツの78sがシュンツになれば、いずれかの孤立牌で単騎待ちテンパイ。しかしただの単騎待ちではなく、リャンメン単騎待ちにできる。元々はターツの発生(手牌の構成変化)を狙って4567mの四連形を残したのだが、これが別方向に機能した。

リャンメン×2のイーシャンテン形(4種16枚)に近い数の有効牌で、好形テンパイまたは準好形テンパイになる。悪くとも好形リーチのみを打てる。一応、タンヤオをつけた打点上昇の可能性が残っている。

<8巡目>

ツモ赤5s → 打赤5s。

親満貫ドライバーの種になるドラをツモったが、4sを切ったので、この後ツモ6sではフリテン含み。イーシャンテンの維持を優先し、ツモ切る。

<10巡目>

ツモ3m → 打7p。

34m + 567m + 234p(+ 打7p)+ 88p + 9p + 78s

メンツが2個ある。トイツが1個ある。ターツが2個ある。この手牌はイーシャンテンだ(8 -(2 + 2 + 1 + 1 + 1)= 1)。

三門+リャンメンのイーシャンテン(2メンツ完成形のイーシャンテン形)に変えた。有効牌は5種18枚(2mが1枚切れ)。

「元々はターツの発生(手牌の構成変化)を狙って4567mの四連形を残した」

これがまだ活かせる状態だった。ツモ3m、8mで三門待ちを作れるのが四連形の利点だ。純粋な好形テンパイが確定した。

<11巡目>

ツモ南 → 打南。

南は3枚見えで、単騎待ちにしか当たらない。さらに南家の現物だ。南はかなり安全だが、9pを安全牌候補にした。

8pが4枚見えで、78pには当たりえない。9p自体も3枚見えで、99p+XXのシャンポン待ちには当たりえない。当たりうるのは単騎待ちのみ、かつ上家と下家の現物だ。4位の上家に放銃しない、9pのほうがより安全だ。

<12巡目>

ツモ9s → 打9pリーチ → 三門258m待ち。

他家がリーチも副露もせず、高打点をテンパイしたか判然としない。ドラの北は2枚切れ。赤5は1枚切れ。リーチ・ドラ2やリーチ・赤1で反撃がくるかもしれない。

自分がリーチすれば、4位以外はラス回避を狙ってオリると見た。4位は逆転を目指して必ず押してくる。4位と自分の2人だけでリーチを打ち合うならば、放銃の抽選を最も受けにくい。4位のみへの放銃の抽選を自分のアガリの抽選とで相殺する勝負になり、放銃のリスクを小さくできる。こちらがオリ気味に打てば、4位の満貫被ツモの抽選を一方的に受ける。

タンヤオが崩れたものの、リーチ・ピンフを打てた。ピンフ・ツモ・リーチ・裏1での2,600点オールがせいぜいだろう。決着はつかず、連荘が現実的だ。

なお、ピンフのダマテンでは打点が低い。ロンで1,500点(親30符1翻、ピンフ)、ツモで700点オールだ(親20符2翻、ピンフ・ツモ)。

現状では他家のテンパイが不明確なので、オリへの転換を可能にするよりも思い切った攻めのほうがよい(1位と2位はダマテンにして、オリへの転換を可能にしている可能性が高い)。点数状況が膠着したままの連荘よりは、ここでリーチして高打点を目指し、点差を広げての連荘を狙う。

<18巡目>

ツモ、2,600点オール(親20符4翻、ピンフ・ツモ・リーチ・裏1)。

対面にまさかのリーチをされて危なかったが、運良く勝った。仮に私に親満貫ドライバーを放銃すれば、対面が4位落ちする。

<南4局2本場>

余談としてその後の顛末も述べる。

アガリトップが狙えて、4位に満貫放銃しても4位落ちはしない点数状況だった(満貫放銃で16,600点差が詰まるものの、18,800点差がある)。

喰いタンを狙ったが終盤でリャンシャンテン。4位がリーチし、無スジしか打てない。詰み筋に入り、気合オリをした。

結果、どうにか流局。かろうじて2位を取れた。

(本稿終わり)


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