【2018夏の高校野球南埼玉大会決勝】花咲徳栄VS上尾の試合結果、感想とドラフト注目選手の野村佑希の評価
【試合結果】
北埼玉決勝:花咲徳栄4-1上尾
上尾100 000 000=1
花咲001 200 10X=4
※花咲徳栄は4年連続6度目の甲子園
・投手
上尾:木村
花咲徳栄:野村
・本塁打
上尾:
花咲徳栄:
【感想】
点差以上に実力差を感じた試合。
花咲徳栄は先制点を許し、なかなか追いつけずに苦戦。
同点、勝ち越し後も完全に突き放すことは出来ず、岩井監督としては生きた心地はしなかったかもしれない。
ただ、観ている側としては、花咲徳栄が勝つだろうなというのが、5回から漂いだした試合。
選手1人1人のフィジカルや打球速度、打球方向の狙い方、守備の身のこなしなど、上尾の選手よりも全て上だった印象。
これは決して上尾高校の選手を悪く言っているわけではなく、花咲徳栄が上過ぎたという話。
もし上尾高校が他県の高校なら甲子園に出れていただろうし、もし他県なら上尾高校もここまで強くはなっていないとも思う。
花咲徳栄や浦和学院を倒すという高い目標があったからこそ、上尾高校はここまで良いチームを作れたはずなので。
また、花咲徳栄が圧倒的甲子園優勝候補かと言われると、疑問が残る。
2017年の全国制覇したチームと比べると、スケール感や完成度は1枚落ちるかなと。
特に去年の場合は、綱脇&清水のWエースの存在が大きかった。
今年は野村投手が1人でその役割を担っている。
控え投手も優秀とのことだが、「抑えの清水に繋げば大丈夫」というほどの信頼感があるかという...。
しかも、野村投手の場合は4番の重責も担っている。
その影響か大会本塁打は0。
野球解説者のサブロー氏も、投手の負担が打撃に影響を与えている可能性を示唆。
印象としては、もし浦和学院の方が甲子園で勝てるポテンシャルを感じた。
ただ、試合巧者的な面では、花咲徳栄高校の方が上。
監督が意図する野球を選手たちが理解して、高いレベルでプレイし続ける、いわゆる”任務遂行”力の高いチーム。
甲子園の組み合わせにもよるが、上手くのっていけば、甲子園でチーム力を高めていくことが期待される。
この試合では観られなかったが、野村投手以外の投手がどこまで投げられるか。
花咲徳栄高校の夏連覇の鍵を握るのは、間違いなく投手陣だ。
【花咲徳栄の甲子園注目選手】
・野村佑希 投手&外野手 右投右打
185cm90kgの恵まれた体格、高校通算56本塁打の長打力、2年夏に4番で全国制覇(甲子園で2本塁打)。
ポテンシャルや実績を考慮すると、ミレニアム世代屈指の逸材。
現時点でもドラフト2~3位で消えることが予想される、2018年のドラフト注目選手の1人。
現チームでは背番号1を背負い、エースで4番。
投手としては140前後の速球を中心とした、オーソドックスな投手。
牽制、クイック、フィールディングも破たんがなく、野球センスの高さを感じる。
中田翔が対応出来なかったので確実とは言えないものの、プロでサードを任せられる可能性も十分にある。
これだけ言うと、非常に期待感が高まる選手だが、個人的にはあまりワクワクさせらない。
かなり感覚的なもので申し訳ないのですが、どこか鋭さに欠ける分があって、現時点では微妙。
まだ、増田選手(明秀日立)の方が、上のレベルでやっていく気概を感じさせられました。
野村選手の素材は間違いないので、あとは上のレベルの投手との対戦でどこまでやれるかが見もの。
2年夏の甲子園で.520(25-13)、2本塁打しているので全国クラスでも実績十分ですが、プロ注目の好投手との対戦こそ観てみたい。
そこでどれだけの対応を出来るのか。
打者というポジションは、対応力が全て。
いくら良い形を持っていても、投手に合わせられなくては、結果は出せません。
全国級の投手と対戦して、どの程度の違いを見せられるのか。
それ次第では、ドラフト2位前後で消えることも十分あり得る逸材であることは、間違いありません。
ある意味では、一番プロの評価が一番気になる選手です。