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VOCALOIDをなんとなく聴いていて約10年が経った

初音ミク発売から今年8月31日で14周年ですって。
そんなに経ったか、とも思うし
14年でここまで激動な文化も凄いな、とも思う

いつVOCALOIDを知ったっけ?と思い返せば10年くらい前、
YouTubeで好きなバンド、スピッツを調べたらボカロのカバー音源が出てきたことからだった
まあ、第一印象は最悪だった
こりゃないわ、ってくらい耳障りだったし
運悪いことにスピッツの曲を某ボカロPがパクった!みたいな騒動まであったらしく、印象どん底の出会いだった
それが2011年頃、中学2年生

で、しばらくしてニコニコ動画を見出したらまあランキングにいますわな
ニコ動におけるVOCALOIDカルチャーの存在感は凄い大きいので、歌系以外にも波及力を持っていて、好きだろうが嫌いだろうがニコ動視聴者なら一曲は知っているような存在だった
ニコニコ動画の歴代再生数でもトップにたくさん出てくるしね
ほんとに2011年あたり思い出せばアンチテーゼの念しか持ってなくて、同じ感覚の友達と共に「音楽未満」ごとくこき下ろしてましたね、すみませんでした
MAD動画の素材くらいにしか考えてなかった(「千本満足」ってMAD好きだった)

そんな私の意識を180度、グラッと変えてくれたのがあの名曲、
livetune「Tell Your World」
それを使ったGoogle ChromeのCM、これですよこれ

インターネットカルチャーとその広がりを1分で最大限に表現したこのCM、博物館に飾った方が良いんじゃない?と思ってしまう
そのくらい、このCMに衝撃を受けて
さらにこの曲も、これまで聴いていた「ボカロ曲」ってなんか漫画っぽいというか、違うカルチャーだなと思っていたけども
「Tell Your World」の持っている楽曲の強度があまりにも強かった
カルチャーの持つ力ってこんなにも面白くて素敵なものなのか、と。
そしてこれまで偏見とかこじ付けで遠ざけていたことを反省して、
壁を作らずVOCALOID、更にすべての音楽を聴いていきたいって思えるようになった

そこから本格的にボカロ楽曲を触れだすのは少し経った2012年5月のこと
ランキングを眺めていてふと目についた、
ピノキオPの「不思議のコハナサイチ」を聴いて、またえらく感動して
そこからもっと聴く(≒ディグる)ようになった

ディグるっていっても有名な曲ばかりだったけど、色々聴いて
友達とカラオケ行ったら歌ったり、ノートに好きな曲を書いたり…
2012年ってちょうど初音ミク5周年で、アニバーサリー楽曲としてこれまたたくさん名曲が出てきたタイミングで。
sasakure.UK×DECO*27の「39」とかryo(supercell)の「ODDS&ENDS」がまさにそういった曲たちです
いつ聴いても鳥肌が止まらない

とはいってもね、ボカロ厨だったかと言われたら違うような気がして
ニコ動キッズだったからその範疇で聴いていたにすぎないのかな、と思う
そういや米津玄師(ハチ)がdiorama出したのも2012年でしたね
何回も聴いたアルバムです

で、結局ニコニコ動画も自分の好きな雰囲気でもなくなって、
それと比例するようにボカロ曲もあまり触れなくなったけど
お気に入りのボカロPの動向はチェックしていました
ボカロシーン全体はもとよりそんな興味はなく。
そこで最後まで残ったのが先ほども上げた「ピノキオピー」で、
他の方がボカロから離れたり頻度が落ちたりの中、
平均3か月に一本は新曲MVが上がるという凄い方なんです。
継続は力なりとはこのことか。

だからピノキオピーは聴いているけどボカロシーン全体はよく知らない、という状況が2014年~2015年あたり。いや、それ以降もそんなに俯瞰してボカロをディグるってことは多くはないか。
ただ、ピノキオピーの新曲がニコ動に上がり続けるものだから、
「ボカロ曲」自体はずっと聴いている状態だった
で、時々他のボカロ曲はどんなのあるんだろう?と思ったり、ピノキオピーの曲がランキングのどの位置にいるのかが気になったりして他の曲も手を出してみる、という連鎖が生まれる程度でした
逆に言えば、そういう因果がなかったらとっくにボカロ曲なんか過去に捨てて、「あんなのオワコンだよな~(笑)」とか言っていたのかもしれない
そういう意味では首の皮一枚で(?)繋がっているんですね
(この頃のピノキオピーのヒット曲「すろぉもぉしょん 」(2014) )

時は流れ2016年~2017年頃、またボカロ界が盛り上がってきたイメージがあって。
2016年ってニコ動でミリオンヒット曲が前年より沢山生まれた年なんです
DECO*27がゴーストルールでまた大ヒットを飛ばし、ピノキオピーも「すきなことだけでいいです」「きみも悪い人でよかった」でミリオンを出し勢いづいていました
あと、ボカロ界全体もいつのまにかオシャレな曲がふえていて、ぬゆりバルーンの楽曲がそれを象徴するように「ボカロっぽい曲」のイメージが一気に過去のものとなった時期です
あと、大学でよく一緒にいた友達がよくボカロを聴いていたこと(彼はn-bunaが好きだった)、サークルの後輩がよくカラオケで聴いていたことからまたちょくちょく聴き始めました
なのでこの頃私はまたボカロに注目するようになりました
(2016年のヒット曲で、当時新人だったナユタン星人の代表作
「エイリアンエイリアン」を貼っておきます)

特に2017年といえば、初音ミク10周年に際して
ハチ(a.k.a 米津玄師)の砂の惑星をはじめカムバック勢の話題もあり、新曲投稿がめっちゃ増えたらしい。
実際米津玄師からボカロを知ったという人多いみたいですね。
(wowakaの「アンノウンマザーグース」とかいう大名曲もどうぞ。)

Eveの「ナンセンス文学」、カンザキイオリの「命に嫌われている」も2017年のようで。
こう思うと、ボカロ界隈にとって大きな転換点だったんだなと後々気づきました
(2017年のピノキオピー楽曲も名作ぞろいだが、やはりこれを…
”ボカロ ダサい”って検索してこの曲が出てくるの、良いですね)

で、こっからまたボカロ界隈に疎くなります
波があるのかな?
でも相変わらずピノキオピーの活動が途切れないものだから
定期的に「ボカロ曲」を聴くということは私の中で続きます

2020年になって、TikTokで流行ってたり全国的なヒット曲が生まれたりして国内でまたボカロに注目が集まるようになって、
じゃあ何が流行ってんだろうと私も色々漁りだしたり…。
プロジェクトセカイってVOCALOIDをモチーフにした音ゲーがリリースされてやり始めてたら、そこまで注目してなかった曲にえらく感動したり…。

つまり
ボカロ好きってほど詳しいわけでもないし
でもざっくり全体像とか曲とか知っていて、好きな曲はあるし
すごく、なんとなく聴いてきたんだなこの10年、と思いました
知らない人は本当に知らないので、かといってマニアでもないので
こういうミーハー層ってどうなんだろう、どのくらいいるんでしょう?
だからボカロリスナーとして胸は張れないけど、ぼちぼち聴いてるよ~ずっと、という感じです
これからもそうなんだろうな

最近色んな音楽をディグる作業していてよく思うのが
VOCALOID音楽ってメインの音楽シーンの歴史が語られるうえであまり同期されてないな、ということ
例えば、「ポップロック」という軸でディグる時にボーカロイドは全然出てこない(語られない)わけで、こういう音楽好き的なシーンからの隔絶は凄く感じますね(ヴィジュアル系にも似た隔絶は感じる)
だからこそ、ここの接続をやっていきたいなと、思ってます
もちろん一緒くたに語る方もいますが、私もそうでありたい
ジャンルや年代での音楽シーンとVOCALOIDの「同期」って、今ボカロを聴いてきた世代が社会にガンガン出ているからこそやるべき作業なのかなって

一応、「他の音楽と同じようにVOCALOIDのディスクレビューをしたい」という観点から以下のようなnoteもあります(やはりピノキオピーですが)
ディスクレビュー、他のボカロPでもしたいね

~終~

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