見出し画像

会員紹介(副幹事長 鈴木斎彦)

神道稲門会副幹事長

板橋区双葉町氷川神社禰宜
鈴木斎彦(平成16年 教育学部社会科地理歴史専修卒業)

 応永年間(1400年頃)創建と伝わる、根村(現 板橋区双葉町)氷川神社に生を受ける。須佐神社(備後三社の1つ)の社家である近藤薫明氏が上京して作った私立城北高校卒業後、早大入学。神仏分離研究の第一人者である、村田安穂教授の指導を受ける。早大在学時に神職養成講習会にて直階・正階を取得し、大学生より神職として活動している。卒業後は國學院大學大学院神道学専攻に入学、専攻課程Ⅱ類にて明階を取得。並行して、氏子区域内にある帝京高校にて教鞭を取っている。現在、東京都教育関係神職協議会事務局長・板橋神道青年会監事とともに、早稲田大学教師教育研究所運営委員を務めています。
 「東西古今の文化のうしほ 一つに渦巻く大東国」の中核となる神道文化を次世代に継承するため、早大卒らしくアクティブに皆さんと一緒に活動していきたいと思います。これからもご指導・ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。

1) 奉務神社紹介

創建年代は不詳であるが、社伝によると応永年間(室町幕府3代将軍義満の頃)とされている。主祭神は素戔嗚命、相殿に倉稲魂命を祭る。江戸期には江戸四宿の1つ板橋上宿と根村の産土神として崇敬篤く、根村松山氷川大明神の社名も伝えられている。3年毎の本祭には宮神輿も渡御し、賑わいをみせている。宮神輿は元禄年間の製作であり、都内で戦災を逃れた神輿は珍しい。日本一の交通量を誇る環状七号線が真裏を通っているが、鎮守の森により境内では車の騒音は聞こえず、静かに参拝できる。100m以上の直線が続く参道も、23区内有数である。

2) 早稲田大学の思い出と神職の道にすすんだ転換期のこと
 早稲田大学への進学は「天命」だった。曽祖父は東京専門学校の卒業生、祖父は早稲田鶴巻町出身、父は願い叶わずであったが、そのリベンジを自分が果たした。
 教育学部の第一印象は、「ロケ地」であった。長野県諏訪大社に奉職していた父が見ていたテレビドラマに、同県松本市を舞台とした「白線流し」があった。その女性主人公が教育学部に入学し16号館を眺めるシーンを、高校時代に父と見た記憶を鮮明に覚えている。今思えば、それが全ての始まりだったかもしれない。
 祖父も父も社会科教員免許を取得し高校などで教鞭を取っていたため、教員免許取得に何の抵抗感も無かった。しかし、親世代と違い「社会科」では中学しか教えられないので、「地歴」「公民」の免許も取得する必要があった。卒業単位+αの授業を5~7限に履修しなければならなかった。そのためバイトやサークル活動が十分に出来ず、早稲田の本当の楽しさを享受できたかと言われると、やや疑念は残る。
 だが、同じように教員免許取得を志す素晴らしい友人を得るとともに、早慶戦の応援に神宮球場へ行き、優勝パレードで校歌・紺碧の空を声が枯れるほど歌い美酒に酔いしれたのは、何事にも替え難い青春の思い出である。また、学生街グルメを十分に堪能した。今は無き「珍味」「エルム」「ほづみ」「稲穂」「レッドピーマン」唯一無二の味を楽しめる時代だった。
 社家の長男であることから、教員免許以上に神職資格取得は「義務」であった。そのため、大学1年で直階(このとき渡辺健介会員と出会う)、大学4年で正階を取得し(このとき染谷一夫・須田智博会員と出会う)宮司となる資格を得て、禰宜にもなった。これで生まれながらに運命付けられた「基本的な人生の線路」は引かれた。しかし、祖父も父も取得していた明階(取得可能な最高階位)をどうしても取得したかった。折しも、団塊の世代が定年退職間近という就職難の時代で、教員にせよ神職にせよ正規雇用は望めなかった。ゼミの村田安穂教授に相談し(このときゼミの先輩に間島誉史秀会員がいる事を知る)、國學院大學大学院文学研究科神道学専攻に進学、専攻課程Ⅱ類を履修し(このとき岡市仁志幹事と出会う)明階を取得した。そののち、板橋区の神職の一員として活動するが、公私ともに指導してくれたのは、鳥海普意会員(板橋区支部長)であり、年に一度はさかえ通りの「鳥やす」で会合を開いている。
 改めて振り返ると、社家である以上、「転換期」らしいものは無かった。そのため、本原稿も最初はお断りをしていた。しかし、不思議なことに神職の道を歩む先に、必ず神道稲門会の先輩方がいて、様々なアドバイスを頂くとともに、早稲田の思い出を語り合えていた。
 これが「答え」なのかもしれない。

鈴木斎彦(神道稲門会幹事)ほか著『新しい高校教科書に学ぶ大人の教養 地理総合』を刊行



「地理総合」は2022年4月より導入された新しい高校教科の新科目です。約半世紀ぶりに地理が必修となりましたが、従来の地名や特産品を暗記する科目ではなく、「地理情報システム(GIS)」と「防災」を大きな柱として学ぶ科目に変わりました。本書は、新しい高校教科書の内容に興味のある一般の社会人や先生、生徒向けに「地理総合」の内容をわかりやすく解説した教科書です。災害の仕組みや防災・減災についてじっくり学びましょう!〈税込1650円、秀和システム刊〉

第1章  様々な地図を知ろう
第2章  日本の自然災害とその対策を知ろう
第3章  日本と世界のつながりを知ろう
第4章  日本と世界の違いを知ろう
第5章  各地域の特徴を知ろう
第6章  国際協力を考えよう


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?