コンテストより、大切なもの
12月31日 12時53分
ふと開いたtwitterで、希望の光を見つけた。
今年、大きな話題を作った「劇団ノーミーツ」が企画する、noteのコンテスト。
グランプリに選ばれた作品を「短編演劇」にしてくれるらしい。
きのう観劇して、涙を流した彼らの作品「それでも笑えれば」。あの作品を作った人たちに、自分のnoteを演劇にしてもらえたら、どんなに誇れるだろうか。
2020年、今日まで。
僕は今年、なかなか成長を実感できず、手応えも作れなかった。
ここ数年、賞を受賞したり、仕事で大きな進展がありったり、何かしら、目に見える成果を毎年つくってきたのに……。
SNSで、まだ出会ったことのない有名人たちの活躍を見ては、何かしなきゃと、日々、焦りが増すばかりだった。
コンテストの締め切りは、今日。でも、残りはまだ10時間以上ある。
最後のチャンスが舞い込んだ、そう思った。
12月31日 13時10分
ノートPCを開き、テーマを考え始める。
読み手を感動させられそうな話は何か。リモート演劇に適したテーマはなんだろうか。もうすでに投稿をしている人は、何を書いているだろうか。
あの題材なら、いけるか。でもこの題材なら、許可を取らないといけない。こっちはテーマと合わない……時間のない中で、ぐるぐると悩み、考え続ける。
画面上に、思いつく限りのアイデアの種を書き連ねた。
12月31日 15時08分
……だめだ。
面白くない。これじゃ選ばれない。
延々と題材を探したが「イケる」と思うものが、出てこない。
評価されるほどのものに、仕上げる時間もない。
やっぱり、書くのをやめよう。
これじゃ、無理だわ。
やめよう、と思った瞬間、
ある疑問が頭に浮かんだ。
「僕は、誰かに選ばれるために、優越感を満たすためだけに書くのだろうか」
そして、
「自分はずっと、誰かに評価されなければ、やる価値がないと、思ってきたのではないだろうか」
ー2020年 夏・秋ー
思い出したのは。
今年の夏から参加していた「企画」に関する連続講座で出会った、友人たちのことだ。
出会った、といっても、2020年のこのような状況だから、大勢で集まってあったことは、僕はない。
講義はリモートで行われ、ZOOMでは何度も顔を合わせた。
その講座では100人ほどの参加者が、出された課題(ex:自己紹介をA4用紙1枚で)に対して、企画を考え、提出する。
全員の企画が揃ったのち
「誰の企画が自分の心に響いたか」を投票しあい、講座の中で開票がされていた。
その講座でも僕は今回のように「どうやったら選ばれるか」を戦略的に考え、企画を提出。
ありがたいことに「投票数の多かった人」になることが何度かあった。
これが「コンテスト」なら。
僕は勝ったことになるし、うまくいったと言えるのかもしれない。
でも、不思議だった。
投票数の多い少ないに限らず、自分らしい想いを、思い切り表現し、笑顔でいきいきと企画を語る人が多かったからだ。
その人自身が自分の企画に心を動かされ、仲間に応援されながら、人生を前に前に進めていたのだ。
仲間は、こんな感想を、笑顔で伝えてくれた。
「このことを伝えられてよかった」
「だってこっちがやりたいじゃん」
「自分の中で、言葉にしたかった」
「いつかこれを伝えてみたかった」
「今回やってみて、たのしかった」
「私はこの企画で人を幸せにしたい」
誰かに選ばれる、のも嬉しいけど、
誰かが喜ぶ言葉も、いいのかもしれないけど
それよりも、伝えたいことを言葉にしたほうが、
自分の人生を前に進めてくれるのかもしれない。
ああ、僕の判断軸は数多あるうちの一つでしかなかったし、視野が狭かったんだなぁ。。。
笑顔で、ときには涙で。自分の想いを語り合う友人たちをみて、気付かされたことだった。
12月31日 15時31分
今年は、テレビやSNSの情報に振り回され、心を惑わされ、自分のペースを見失いがちだった年だった。
それと同時に、自分にとって大事なものを、見つめ直した年だったかもしれない。
これまで書いたアイデア、書きはじめた文章を、
backspaceで全て消した。
2020年。
最後は、誰かに選ばれるためではなく、本当に自分が伝えたいことを書こう。
頭のごちゃごちゃを真っ白にして、心にあるものを伝えよう。
このnoteを読んでくれた人たちに、当たり前で、とっくにわかっていると言われるかもしれないけど、伝えたい。
誰かの期待に生きるのではなく、
あなたの人生を歩むあなたを、
心から尊敬するし、応援もしている。
そして、ちょっと嫉妬もしている。
僕も、あなたの、あなたたちのように、
誰かを気にして人生を選ぶのではなく、
自分の心に正直な生き方をしていきたい。
2020年、私の選択、それは、
誰かに選ばれる幸せを目指す人生ではなく、
自分が選んだ人生で誰かを幸せにすること。
誰かに選ばれるための言葉だけでなく
自分の伝えたい想いを大切にすること。