見出し画像

宇宙の形:空間の一様性はどこへ?

皆さんは、宇宙の形や大きさについて考えたことはありますか?宇宙の大きさは私たちが生きている世界とスケールが違いすぎて、たまに考えていてわけがわからなくなることがあります。そんな宇宙ですが、今回は「宇宙の形」について最近疑問に思ったこと、そしてなるほどなぁと思ったことを皆さんと共有できたらなと思います!(宇宙に関する話題はいろんな説やデマが流れていますし、自分もそんなに詳しくない、ということを頭に入れながら聞いてください笑)

(P.S.以下からハッブルの法則について長々と書きますが、自分が最初にもった疑問点を解決していく、という流れになっております)

宇宙は膨張している?:ハッブルの法則

まず皆さんも聞いたことがあるかも知れませんが、ハッブルの法則について説明したいと思います!

ハッブルの法則は1929年に発表されました。ハッブルという科学者を簡単に説明すると、アインシュタインから受け継いだ、「宇宙は大きさが変わっているかもしれない」という考えを宇宙観測によって実証したアメリカの天才科学者です。ハッブル宇宙望遠鏡とか聞いたことありませんか?
下が写真です。(なんかダンディですよね🤔)

ハッブル

そして以下がハッブルの法則です!

スクリーンショット 2020-12-08 10.24.58

このハッブルの法則を定性的に説明すると、「宇宙はいたるところで常に膨張しているため、宇宙にある天体は私たち地球から見て遠ざかっているように見える。また、その遠ざかる速度は私たちから遠くにある天体ほど速く遠ざかっている。」というものです。

まあまず、「宇宙が膨張する」こと自体意味がわかりませんよね笑
そして僕がもう一つ疑問に思ったことは、この速度や距離が「地球」視点になっていることです。これではまるで地球が宇宙の中心のような感じですよね🧐
ここでひとつ気になるのが「空間の一様性」についてです。

疑問①空間の一様性:古典物理学の根本原理

空間の一様性とは、(空間の等方性と合わせて)簡単にいうと、「宇宙には特別な場所は存在せず、どこであっても同じように自然法則が成り立つ」というものです。(古典物理学とは、現代物理学、量子力学が生まれる前の物理学で、ニュートン力学を中心とするものです。)ニュートンは空間と時間について、空間は無限に広がっていて「はしっこ」は存在せず(はしっこがあると一様じゃなくなる)、時間は無限の過去から無限の未来に向かって一様に流れていて特別な点は存在しない、という根本原理のもとで、私たちが高校で学ぶ、ニュートン力学を完成させました。

ですが、先程のハッブルの法則を考えてみると、宇宙は地球を中心にして広がっていることはおかしいと思いませんか?地球の周辺と、地球から遠いところで広がり方が違うのは「一様」な宇宙とは言えないですよね?


疑問②空間が相対的に広がる?

また、ハッブルの法則が地球を基準せずとも成り立つ、つまり宇宙の任意の天体から見て、その天体から遠ければ遠い場所にある天体ほど速く遠ざかるとしたら、宇宙という空間の広がりかたが、考えている天体に依る相対的なものになってしまい、ますます一様性とは??となってしまいました。

以上の疑問点を図にまとめてみました!(表現の幅を広げるためにも、もっと上手に書けるようになりたいです、、、)

宇宙 改訂


疑問②を図式化してみました。夏の大三角形を構成する星のうち、ベガとアルタイルを例に出します。アルタイルは地球から17光年、ベガは地球から25光年です。(ちなみにベガまで650000000kmです。大体地球を5万個並べた距離です笑)今回は簡略化のために地球とベガのちょうど真ん中にアルタイルがあるとします。そして、t秒間宇宙が膨張をしたときのことを考えてみます。(そして、ハッブルの法則が地球だけでなく、アルタイルにも適用されるとします。)

地球視点のハッブルの法則では、遠くにあるベガは遠くに行くほどどんどん遠ざかる速度を増していき、t秒後には地球⇄アルタイルとは比じゃないくらいベガは地球から遠ざかっています。

しかし、地球とベガの真ん中にあるアルタイル視点でハッブルの法則を考えてみると、先程の結果とは大きく異なります。アルタイルから見ると、地球までの距離とベガまでの距離は等しいので、遠ざかる速度は同じで、t秒後も同じだけ遠ざかっています。

結果を見比べてみると、視点を変えることによってt秒後には、二通りの宇宙が出来あがっちゃってます


これっておかしいですよね。現実には一つの宇宙しかないのに、考え方によって何通りも宇宙の膨張の仕方が考えられる。What's????となりました。

革命的な考え方?:宇宙は風船だ

疑問に思って色々調べてみると、これまでの疑問を一度に払拭する考えかたを見つけました。(というか、ハッブルの法則を書くときはいつもこの考え方を一緒に説明してほしいです笑)
それは、宇宙を膨らんでいく風船に例えるものです。

画像4

これではわかりにくいと思うので、これまた図に描いてみました!(二つの丸いのは風船です)

宇宙の膨張2

図の説明をします。私たちがいる宇宙が風船の表面に乗っかっていると考えてください。左の膨らむ前の風船に、地球(青)、アルタイル(赤)、ベガ(緑)が乗っかっています。位置関係は図の通り、距離は「a」を基準にします。このまま風船が2倍の大きさになったとします。(円周も二倍)
すると、表にも書いているように、地球から見るとアルタイルが遠ざかる速度はa/t、ベガが遠ざかる速度は2a/tとなっていて、ハッブルの法則の通り、遠くにある天体ほど速く遠ざかっていることがわかります。

また、先程の考え方では矛盾が生じていたアルタイル視点ですが、これは同じ距離にある、地球とベガが同じ速度で遠ざかっているのでハッブルの法則が正しいと言えるでしょう。

そして、さっきのように二通りも膨張の仕方が考えられることはなく、ただふくらんだ風船上の宇宙があるだけです。これで、僕のハッブルの法則についての疑問が解決しました。

スクリーンショット 2020-12-09 1.31.39

これは余談ですがこの「風船」が最初は点だったところから、一気に膨張して(今も膨張し続けて)、今の宇宙がある、というのがいわゆるビッグバン理論です。

さらなる疑問点:風船の表面は二次元じゃないの??

そうです。我々の宇宙は三次元です(時間をぬいて)。それを風船の表面の二次元で説明されても、説明になってるの?とおもいますよね。実際、この説明はいわゆる例えで、わかりやすくしているだけです。三次元だと理解しづらいので、このたとえを使っているのです。私たちの宇宙は本当は四次元で、三次元を生きている私たちには認識できないのかもしれませんね。
ぶっちゃけ、このあたりの議論について僕が詳しくないのと、確実じゃないことはあまり言いたくないので、今回はあまり触れないことにします。

まとめ:宇宙は謎だらけ

最近色々な影響もあって、自分の中で宇宙について考えることが増えました。宇宙に関しては、紀元前から数多くの天才たちが多くの過ちと成功を繰り返すことでだいぶわかってきたことも増えてきましたが、まだまだわかっていないことだらけです。これから科学技術が発展することで観測技術も発展して、これからどんどん新しい発見が見つかり、宇宙についての謎が解けていくことでしょう。
私たちが地球を中心に天体が回っていることを信じていた古代の人々を笑うように、私たちの常識もいつか非常識になってしまうかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?