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水筒

僕は、このペットボトルの事を「水筒」と呼んでいる。

出先のコンビニ等で水を買うと、1本100円。

1ヵ月で、合計3000円になる。

僕にとっては大きな金額なので、普段、このペットボトルを水筒代わりに使っているからである。

朝、出掛ける時は空の状態で持って行く。

空にする理由は重いからだ。

バイト先に着くやいなや、僕は、この水筒に水を入れる。

ここで注意すべき点は、ペットボトルに水を入れている所を絶対に人に見られてはいけないと言う点だ。

理由は簡単である。

変な目で見られるからである。

理由を説明しても、説明すればするほど変な目で見られるからである。

しかし、そのリスクを負っても余りあるメリットがある。

飲み終わっても無限に継ぎ足せる事だ。

最高すぎる。

飲めば飲むほど得なのである。

そして、バイトが終わると、お笑いライブに出演する為にライブ会場に向かうのだが、

会場に着くやいなや、会場の給湯室で、この水筒に水を入れる。

各会場の給湯室の場所が全て頭に入っているのは言うまでもない。

勇気を出して言うなら、

給湯室の無いライブには出演しないと言う選択を迫られる時さえある。

それが俺なのである。

そして、ライブが終わり家に帰る。

家に帰ると台所でこの水筒をゆすぎ、干す。

そして次の日、またこの水筒を持って出掛けるのである。

しかし、こんなストイックな生活を送っていると疲れる。

常に力んだ状態なので心身ともに疲れる。

だから、そんな自分へのご褒美として、

月末、近所の鍼灸院へ行って、

針を打ってもらう。

1回の施術で5500円。

苦労して3000円を捻出し、5500円が僕から出ていく。

資本主義のひずみが、40歳、目前の芸人に正面からぶつかってくる。

やってやろうじゃないか。

俺は負けない。


そして、こんな価値観の奴が、一体どんなネタをやっているのか?

気になった方は是非こちらで漫談を観て頂きたい。

脳が揺れるくらい笑かすつもりだ。

漫談「丸ノ内線」(YouTube)


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