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情報システムを開発する前にあることをしなければ、情報システムはゴミ同然

IT投資は生産性向上に寄与するのか?

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MITのソロー教授は、約30年前に、IT投資が生産性を向上させるわけでは無いのでは?と提起しました。

これが議論になり、多くの専門家が調べてみたけど、IT投資が生産性に貢献するとも、しないとも明確な答えは出なかったわけです。

それから約15年後の2004年。

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同じMITのエリック・ブリニョルフソン教授は、IT資本の量が増えれば生産性が高まることを証明しました。

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よかった、よかった。


でも、そんなことより、エリック教授が、疑問に感じたことは・・・

・なぜ、人並み以上にIT資本があるのに 生産性が低い企業があるんだ?
・なぜ、人並み以下しかIT資本が無いのに 生産性が高い優れた企業があるんだ?

ということでした。

エリック教授が見出したポイントは、以下のようなことでした。

・IT投資だけしてても意味ない
・企業価値が高い企業は、IT投資より組織的投資の方が多い
・企業価値が高くない企業は、組織的投資をしていない

そして、なんと企業価値が高い企業は、IT投資の約9倍の組織的資本投資をしているってことでした。

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ちなみに、組織的資本ってのは、業務改善、社員教育、モチベーション、組織文化、権限委譲度合い、社員の忠誠心というようなことです。


つまり、どんなシステムを導入するにしても、組織的資本投資を先行して行わない限りそのシステム導入は、効果的にならないということです。

営業支援システム、顧客管理システム、経費精算システム、マーケティングオートメーションシステム、人事評価システム、文書管理システムなどなど・・・これらのシステム導入を無駄にしたくなければ、IT投資より先に、組織的資本に投資しなければならないということです。

そうしなければ、これまで行ったIT投資は無駄になります!

そして、これから行うIT投資も無駄になります!


ちなみに、IT投資ってどんな目的で行うのか?

色々あるとは思いますが、突き詰めれば生産性の向上ですよね?

生産性って、どれだけのリソースでどれほどの成果を出すかです。

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そしてIT投資の目的って、以下の2つのうちのどちらか、あるいは両方です。

・IT投資をして、成果を最大化する
・IT投資をして、費やすリソースを最少化する

生産性ってかなり重要だと思うんです。

だって、シンプルに考えて、同じ時間働くなら、より大きな成果があったほうがいいし、同じ成果なら、より少ない時間で達成したほうがいいですよね?

気合い入れて長時間働くより、気合い入れて生産性をアップした方が断然良いのです。


ところで、生産性といえば、1人当たりのGDPは生産性を端的に表すわかりやすい指標です。

1995年と2001年の日本の1人当たりGDPはこんな感じです。

1994年 :40,000ドル
2013年:38,000ドル

約5%、減少してますね・・・。

ちなみに、米国の1人当たりGDPはこんな感じ。

1995年: 28,000ドル
2013年: 60,000ドル

約2倍になってますな・・・。

同じ期間で比較してみると他の先進国は、1.5倍とか3倍という国もあります。

では、生産性を向上させるために投資されてきたIT支出はどうか?

総務省の情報通信白書にある日米のICT投資額推移を見てみると

日本のICT投資額

1994年: 6.7兆円
2013年: 16.7兆円

約2.5倍になってますな・・・。


米国のICT投資額

1994年: 1025億ドル
2013年: 6230億ドル

約6倍になってますな・・・。

どうやら、1994年から2013年の間に

・日本全体では、IT投資を2.5倍にしたのに一人当たりの生産性は5%減った
・米国全体では、IT投資を6倍にして生産性を2倍にした。


まじで!?


何か他の要因があるんでしょう。

いや、きっとあるはず・・・・。

でも、単純計算だとやっぱり、

ITは生産性向上には貢献できていない。

IT投資は生産性向上に寄与していないってことです。残念ながら・・・。


IT投資は生産性向上に寄与しない理由は?

何がいけなかったのか・・・。

ちなみに、2016年で、従業員1人当たりの人材開発にかけた費用は、

・日本:約37,000円
・米国:約125,000円

で約3倍違います。

うーん、ってことは・・・、エリック教授が言ってたのが正しかった?


どうやらそのようです。

日本の生産性が向上していない理由は、生産性を向上させるべきIT投資ばかりが先行して、そのIT投資を効果的に使う、業務改善に使う、業務効率化に使う、業務改革に使うということができたいなかったからです。


IT投資は生産性向上に寄与しない理由は組織的資本に投資しないからです! 以上!

若干、悲しい気もするが、これが現実だと受け止めましょう。

そういえば、新型コロナウィルス騒動で、給付金や助成金などのシステムがとってもショボイことが明らかになりました。システムそのものがショボイというより、業務としてのシステムの連携がショボイってことなんだろうと思います。


まとめ

システム開発に投資する前に、組織的資本に投資しないとシステム開発は無駄に終わるということですな・・・。


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