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今月の社長コラム(2023年12月)

今年も残すところあと2週間となり、段々と慌ただしくなってきました。先月、天津甘栗の話をしました。かつてデパートの中国展で一緒に催事をし、今は新春堂のお客様になっていただいている方から、メールが届きました。大きな電気釜で栗を焼き、最後に水あめを入れるのは甘みを出すためと書いたのですが、実は、栗のつやを出すためと、栗が弾けて飛ばないようにすることが目的なのだそうです。元々、天津の栗も丹波の栗と同じように、冷蔵庫で冷やして糖度を上げているそうです。私の勘違いでした。申し訳ありません。今度、天津甘栗を見かけたら、買って味を確かめてみたいと思います。倫理法人会で、ある講師が初日の出を見て拝むのも良いが、大晦日の夕日に向かって今年一年を感謝することも大事と言っていました。確かにそうですね。大掃除で忙しい時間帯ですが、今年は実践してみたいと思います。皆様、今年もお世話になりました。良い年をお迎え
ください。 〈櫻井 晴信〉

オススメ《書籍紹介》
【日本初のファシリティードッグ】

「もしも病院にいぬがいたら」

 ある新聞に、音読の聞き役を勤める猫がいるという記事が載っていて、びっくりしたことがありますが、ここに出てくるゴールデンレトリバーのベイリーは、こども病院に毎日通って、患者の子供たちの治療を助けています。ファシリティーとは施設の意味で、病院なら病院に常にいる犬を指します。セラピードッグという犬もいますが、こちらは時々来て、患者を励ます犬です。
 アメリカでは100頭以上もいて、医療行為の手伝いをしています。日本では2009年11月、静岡県立こども病院で初めて、ベイリーがファシリティードッグとして働き始めました。ベイリーを公私ともに面倒を見る人をハンドラーと呼び、こども病院に勤めていた看護師の森田優子さんが担当しています。24時間365日、ベイリーの全ての面倒を献身的に見るわけですから、まさにお母さんです。森田さんがハンドラーを目指したのには理由がありました。病気で苦しむ子供たちを笑顔にしてあげることに生き甲斐を感じて、こども病院に勤務したけれど、あまりに忙しくて十分に出来ないジレンマを抱えていました。そこで、日本初のファシリティードッグのハンドラーを募集していることを知り、飛びつきました。その後、訓練センターのあるハワイに行き、2週間の訓練を終え、ベイリーと一緒に日本に帰ってきて、最初に赴任したのが静岡県立こども病院でした。でも、最初は4日間のお試しでした。感染病を持ち込まないか、吠えて危害を加えないか、医療行為の邪魔にならないかなど、様々な不安要素があったからです。
 しかし、いざ子供たちがベイリーに触れると、みんな笑顔になり、起きようとしなかった子供
が起きてきたり、薬を飲みたくないとぐずる子が、ベイリーがおやつのカプセルを飲むと、一
緒に飲んでくれたり、辛い検査や手術に付き添うようにすると、拒まなくなったのです。
 重篤な子供は生きる希望を失い、感情のスイッチを切っています。ところが明日もベイリーに会えると思うだけで、力が出てきて、治癒力も高まってくるのです。これは、家族や医療従事者にも出来ない技です。ベイリーは賢くて、子供が何を願っているのかすぐに察知します。
 黙って横になって触られるままになり、子供に添い寝する時は実際に寝てしまいます。人間力というか、犬力がとても高いのです。
 日本もペットの需要がドンドン高まっていますす。ペットに癒されたいというニーズがあるからです。しかし、この特殊な能力を持ったファシリティードッグは、献身的なハンドラーという存在がいなければ、ストレスが蓄積して役目を果たせなくなります。
 人間は、動物や自然が持っている力をもっと活用すべきですね。