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今月の社長コラム(2024年4月)

 東京の桜が満開になったのは、昨年よりも13日遅い4月4日でした。入学式を迎えたご家族には良い思い出になったと思います。今年の10月から郵便料金が上がります。メールやSNSに押されて郵便物が激減したのと、運送費、人件費の値上げが原因と言われています。ヤマトのメール便も、ここ数年で半減しコストが合わなくなってしまったので、郵便局に配達を任せることによって料金が倍以上になってしまいました。そのため、はればれ倶楽部も郵便に切り換えました。昔、メール便が始まった頃、郵便局が大ダメージを受けたのとは反対になりましたが、市場自体が小さくなったため、争うよりは助け合うしかないというのが現状のようです。万年筆で便せんにしたため、切手を貼って届けるという文化は消えてしまうのでしょうか。亡くなった母が、年老いてから私に書いてくれた自筆の手紙は、今も私の宝物になっています。
〈櫻井 晴信〉

オススメ《書籍紹介》
【自立する子供を育てる】


〈校長のちから-学校が変わらない理由、変わる秘訣〉

 以前、日本一の学力を誇る秋田県東成瀬村小学校をご紹介したことがありました。探究型授業を方針に据え、答えを教えるのではなく、集団知性を働かせて子供たちに答えにたどり着く喜びを
味わわせ、学習意欲を引き出しています。
 工藤先生も主体的に学び、社会に出ても活躍できる問題解決型の人間を育てようと、教育改革を実践しています。
 公立中学校であっても、定期試験や中間試験をやめたり、1人の先生が一つのクラスを担当するのではなく、チームを組んで複数のクラスを担当する制度に変えるなど、校長の権限で出来ることに驚きました。普通は、市区町村の教育委員会の指導が厳しくて、難しいと考えますが、工藤先生は10年間、東京都や区の教育委員会に入って、仕組みを知ることによって可能になったと言います。しかし、いくら校長に権限があるとしても、ついてくる先生がいなければ実行に移すことは出来ません。また、生徒や保護者の同意も必要です。
 改革をしようとすると、必ず反対派、懐疑派、日和見派、そして少数の賛成派が生まれます。
この時、工藤先生は民主主義的な手法を取りますが、多数決では決めません。全員が納得できる方法にたどり着くまで討論させます。時間がかかりますし、感情的になって喧嘩になることもあります。そんな時、どちらかの肩を持ったり、根回しをして丸め込んだりはしません。必ず、「何のためにしようとしているのか」という原点に立ち返って、お互いの共通点を探させ、「全体最適化」を目指します。すると、思いもしなかったアイデアが生まれ、全員が納得するのです。試験の廃止や全員担任制もそうやって実現しました。現在の日本の教育には様々な問題がありますが、授業で答えを教えてもらって、それを暗記し、答案用紙に書けたとしても、将来の日本を背負って立つ人材には育ちません。その為には授業の形態を変えなくてはなりません。工藤先生は千代田区立麹町中学校の校長を6年間務めた後、私立の横浜創英中・高校の校長を務めています。そこでは「個別最適化」を目指して、「自由進度学習」を取り入れようとしています。生徒が学習内容や学び方を自己選択、自己決定できる仕組みです。学級や学年の垣根を越えても良いというのです。生徒会行事や修学旅行もすべて生徒たちに任せます。ただ、「全員がOK という案でなければならない」という原則は譲りません。
 日本の教育が変わるかもしれません。