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今月の社長コラム(2023年7月)

 西日本の豪雨、そして東日本の猛暑。いよいよ夏になってきました。体調がまだ慣れず、大変なことと思います。
 ご自愛ください。この時期、1、2時間外に出ただけで肌が赤く焼けてきます。山育ちなので、暑い夏に海水浴に行くことは滅多にありません。そもそも、海水は塩っ辛いので、飲み込むと大変です。また、当然のことながら海岸には日影がないので暑いわけです。なので、山より海の方が疲れる気がします。そんなことを思っていたら、日焼けは疲労の原因になるという記事を読みました。理由は、紫外線を受けて発生する活性酸素です。活性酸素は「諸刃の剣」ですから、外敵が入ってきた時は強力な武器になるのですが、多すぎると自分の細胞も攻撃するようになります。そこで中和する目的で、ビタミンC が使われます。ビタミンC は疲労回復と免疫向上の役割もしていますから、疲労がたまるということです。夏はこまめにUV カットのクリームを塗りましょう。そして、レモンの55倍のビタミンC を持つ「ビーカムカム」をご活用ください。(櫻井 晴信)

オススメ《書籍紹介》「学ぶ意味!」

オール1の落ちこぼれ、教師になる

 「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」という本をご紹介したことがありました。塾の先生が教え上手で、全く勉強せずに遊びまくっていたさやかちゃんをその気にさせて、本当に慶応大学に現役合格させた実話です。映画にもなり、一世を風靡しました。
 さやかちゃんは自分で遊びまくっていたわけですが、今回ご紹介する宮本さんは、小学3年の頃からひどいいじめにあって、勉強嫌いになり、中学1年の成績は、全科目オール1でした。3年生で音楽と技術が2になりましたが、他はオール1でした。九九は2 の段までしか言えず、漢字は自分の名前しか書けず、英語はBOOK しか書けなかったそうです。高校には進学できないので、建設会社に入るのですが、そこでも激しいいじめに会い、更に16 歳の時、母をがんで亡くし、18 歳の時、父を病気で亡くし、天涯孤独となります。こうなったら悪に染まって自堕落な生活をするか、自殺してもおかしくないと思うのですが、自分を愛してくれた母を思うと出来なかったそうです。そもそも彼は養子で、実の父母を知らないのです。
 そんな彼が、23 歳の時、恋人から「アインシュタイン・ロマン」というNHK の番組を録画したビデオをもらって見た時、人生が変わるのです。私もYouTube で探して2 本ぐらい見たのですが、とても専門的で理解に苦しみました。全6 巻ですが、彼は宇宙の背後にこんな法則があり、それが一つの数式で表されることに美しさを感じたそうです。数学者の藤原正彦さんも、複雑な法則を簡単な数式で表す数学は美しいと言っていましたが、宮本さんにもそういう美的センスがあったのだと思います。
 そこで、人生初の「学びたい」という欲望が生まれました。それならばと、恋人から定時制の豊川高校の入学を勧められ、入学の学力をつけるために、小学3 年生のドリルを買って、基礎勉強を始めます。高校に入ると、自分は名古屋大学に入って物理を勉強したいと、先生方に相談します。定時制高校から、国立大学の理系に入った生徒は一人もいないと言って断られるのですが、それでも真剣にお願いしたら、先生たちが補講をしてくれるようになりました。3 年間の猛勉強の末、見事名古屋大学に合格し、新聞記事にもなりました。彼は大学院まで進むのですが、物理学を研究するよりも、自分のようにいじめられ、落ちこぼれた生徒を助ける先生になる方が自分に合っていると思って、豊川高校の数学教師となります。
 「学びたい」という欲求は、誰もが持っている本質的欲望なのだと感じました。