昔の分析シリーズ、ある日本株と米国株の関係


会社のPCを漁ると、何か出てきます。
業務しかしていないのに、なぜでしょうか。
愛読する橘玲さんの本をよく読んでいるから、早く自由になりたい気持ちが強いのでしょうか。
その議論は放置して、今回はその中から見つかったもので、私のトレードに影響ないものを紹介しようと思います。


先日は原油ETFのことを書きましたが、似たような特性を持つ日本株もありました。
今回はそんな内容の紹介です。


何か先行指標のありそうな銘柄を探す。


通常株価は原油ように需給というわかりやすいもので動くのではなく、基本的には企業業績が大きなファクターです。


では、業績に直結するものが米国時間に動いていれば、そのまま日本時間では順バリに動きそう、というのが普通の考え方だと思います。


原油株なんぞはその代表例でしょうが、非常に指標がメジャーなので、参加者が多く、スペシフィックギャップを寄付きに発生させやすいのでは?と思うので、もっとマイナーな感じものはないのか?と思い巡らせるのが私です。


たぶん当時もそのような考えで、一つ思いつき、分析したのでしょう。
パラパラと各業界のシェアの載っている本をめくり、アイデア出ししてみたことを覚えています。
今回紹介するのは日本アルミ生産量シェア1位のUASJと北米1位のAA(アルコア)との株価相関性です。


アルミ関連に目をつけたのは、ちょっとマイナーな感じであったためであり、単に興味がわいたからです。


下はアルミ業界の売り上げランキングですが、UASJが圧倒的です。アルミを考えてトレードするならUASJが筆頭ということです。



更に下は世界ランキングですが、日本株に先行して株価を動かすのはアルコアが筆頭としてでてくるのではないのかな?と思わされるランキングです。
ただし、ほぼ同時に動く中国銘柄にも左右されそう、という印象もあります。




まぁ、ここは仮説で終わるのではなく、検証あるのみ。手を動かすのです。


UASJの日中リターンとAAの日足リターンの関係


分析したのはUASJの日中リターン(寄り引け)とAAの日足リターンです。


期間は2016年1月から2017年10月。
(古い話ですいません。)



結構、強めの正の相関が得られています。
Corr^2=0.0334。


これだけ強い相関があれば、ルールベースのトレードで十分と考えられるので、
簡単なロジックでバックテストをしてみます。


ルール
・AAの日足リータンが正なら寄りで買い、引けで手仕舞い。
・AAの日足リターンが負であるなら寄りでショートし、引けで手仕舞い。


結果はシンプル以下となります。



縦軸は%で1年と10か月でリターンは80%。
でも後半のバックテスト結果はちゃぶついており、
もしかすると気付くのが遅かったのかもしれない、もう誰かが気付いてエッジを取りにいっていると考えられたため、実行することはありませんでした。


考察的な話


このように、正の相関が見つかりながらも消失しつつあるファクターは沢山あろうかと思います。
特に素材関係は価格決定の中心が米国ではなく、中国市場に移り変わっていっているので、米国指標がトレードに使いにくいというストーリーを考えてしまいます。


やはり日本株の予測では先行する欧米の指標を使いたいのは皆一緒で、如何に業績に準ずる指標を取ってこれるかが、勝敗の付け所と思われます。


各業界、どのような指標が効きそうなのか、それを常に考える事で使える特徴量は増えるはずです。


これを読んで新たな知見が得られたのであれば、こっそりDMをお待ちしております。


では。

書籍紹介

※上記2冊マスターすれば何も困らないでしょう。

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