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ソフトバンクGに市場の逆風 投資先が相次ぎ経営難 2000億円出資の英ベンチャー破綻 追加支援断念 ソフトバンク ワンウェブにはソフトバンクグループが2000億円出資していた ワンウェブにはソフトバンクグループが2000億円出資していた ソフトバンクグループ(SBG)が市場の逆風に苦しんでいる。19億ドル(約2000億円)を出資する英衛星通信スタートアップ企業のワンウェブが、米東部時間27日夜(日本時間28日午前)、チャプター11(米連邦破産法11条)を申請した。

孫正義の経営モデルは拡大を続ける金融市場が前提条件としている‼
そんな経営モデル等、ダイエーの中山や西武グループの堤等と同じ失敗を繰り返すだけである‼
リスクを全く無視した放漫経営でしかない‼

SBGは追加支援も模索したが、市場環境の急変で折り合えなかった。自社株買いに2兆円 「あと少しで資金を得られるところだったが、新型コロナによる市場動乱で進まなくなってしまった」。ワンウェブは27日に発表した資料で無念さをにじませた。衛星通信を使った広範囲なネット通信網の商用化に向け、2020年初めから20億ドルの資金調達を目指して交渉を進めていたという。だが新たな投資家を確保するまでのつなぎ融資を巡り、SBGと条件で折り合えなかった。 ワンウェブには航空機欧州大手のエアバス、半導体のクアルコムなども出資しているが、SBGが株式の5割近くを握る筆頭株主だ。国内の通信子会社のソフトバンクとも業務提携している。 通信衛星を使った安価なインターネット通信網で21年の商用化を目指し、すでに74基を打ち上げてきた。ただ通信衛星はアマゾン・ドット・コムなどの大手が参入し、競争環境が激化。アドリアン・シュテッケル最高経営責任者(CEO)は「他社より打ち上げ高度が高く、(通信の)カバー範囲も広い」と技術力の高さを自負するが、衛星の打ち上げ費用がかさむなどして資金繰りが悪化していた。 通信分野で技術の知見もあるSBGがワンウェブの追加支援に踏み切らなかったのは、足元の市況悪化の影響が大きい。2月下旬以降の株式市場の急落で、SBG自身も株価の下落に見舞われた。23日には自己株式取得と負債削減に向けて4兆5000億円の資産を売却または資金化すると発表。投資先に対しても従来の積極的な拡大路線よりも、守りを固める姿勢が目立つ。 SBGが主導して経営再建を進めるシェアオフィス大手、ウィーカンパニーの苦境が深まっていることも、SBGの投資姿勢に変化を及ぼしているとみられる。19年10月、経営難に陥った大口出資先のウィーカンパニーに対し、SBGは協調融資(シンジケートローン)や社債発行による50億ドル分の金融支援策などを発表。幹部人事も刷新し、シェアオフィス「ウィーワーク」の事業に集中して不採算物件の削減などを進めている。 3月中旬以降、ウィーの顧客が集中するカリフォルニア州やニューヨーク州などの大都市で相次ぎ外出制限が出された。ニューヨーク、ロンドン、サンフランシスコ、ロサンゼルスでウィー会員数の約3割を占める。移動制限はシェアオフィス利用の急減につながる可能性がある。 格付け大手のS&Pグローバル・レーティングスは23日、ウィーの信用格付けを「シングルBマイナス」から「トリプルCプラス」に引き下げ、債務不履行になる可能性を示唆した。世界景気後退に伴って事業が滞れば、資金の流動性リスクが高まることを理由に挙げた。外出制限と格下げでウィー社債の利回りは急上昇した。18日には35%、23日には36%をつけた。発行当初の金利は年7.875%で、価格は発行時から6割超下落した。 ウィーは26日、SBGから約束されている支援分を含めて44億ドルの現金を確保しているとして、健全性を強調したが、SBGが全面的に支援する中での格下げは痛手だ。市場や景気の低迷が長引けば、SBGが出資先に対して従来より厳しく「損切り」を迫られる可能性がある。投資先との距離感と一層の判断力が求められる局面を迎える。

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