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「厚底シューズ」現行モデルは東京五輪で使用可 世界陸連 2020年2月1日 7時39分 陸上長距離で使用した選手が相次いで好記録をマークしているスポーツ用品メーカー、ナイキの「厚底シューズ」について国際競技団体の世界陸連は全面的な禁止はせず、さらなる技術開発を防ぐため今後、靴底の厚さを4センチ以下とするなどの規定の改正を行いました。

ナイキの「厚底シューズ」は、カーボンファイバー製のプレートが埋め込まれた反発力の高さが特徴のシューズで男子マラソンの世界記録保持者でケニアのエリウド・キプチョゲ選手や日本記録保持者、大迫傑選手など国内外の多くのトップ選手が使用し相次いで好記録をマークしてきました。 こうした厚底のシューズを履いた選手による相次ぐ記録更新を受けて審査部会を設けてシューズの性能の調査を進めてきた世界陸連は31日、調査結果を発表し「新しい技術が、選手のパフォーマンスにアドバンテージを与える可能性があり、スポーツの高潔性が技術によって脅かされている」などと結論付けました。 そのうえで、審査部会の提案に基づき、理事会がシューズの厚さなど具体的な規定の改正を承認したと発表しました。 それによりますとことし4月30日以降、大会の4か月前までに購入できるシューズでなければ使用できないこと、市場に出ていないシューズは原則として「試作品」と判断され、大会での使用を禁じることとしています。 また、さらなる技術開発を防ぐため、今後は靴底の厚さは4センチ以下にすること、靴底のプレートは複数枚重ねてはならないこと、スパイクを靴底に取り付ける場合は厚さは3センチ以下とすることという具体的な規定を盛り込みました。 従来のナイキの「厚底シューズ」は靴底の厚さが4センチ未満で、すでに一般のランナーも多く使っていることから使用の禁止が見送られた形となり、現行のモデルは東京オリンピックに向けて使用できることになります。 五輪内定の中村選手「履き慣れた選手は安心」 男子マラソンで東京オリンピックの代表に内定していて「厚底シューズ」を履いている中村匠吾選手は「継続して使用できるならば履き慣れた選手は特に安心すると思う。今後も練習を重ね、力を発揮できるように力を尽くしたい」とコメントしています。 日本陸連会長「評価に値する」 ナイキの「厚底シューズ」について国際競技団体の世界陸連が規定の改正を行ったことについて世界陸連の理事を務める日本陸上競技連盟の横川浩会長は「あらゆる分野における技術が進化する現在、陸上界でもシューズ・テクノロジーが争点として注目を集め、議論される様になった。世界陸連が専門家で構成されるワーキンググループを立ち上げあらゆる角度からの検証と協議を進めてきた結果、ルールの改定に至った事は評価に値すると感じている」とコメントしました。 そのうえで「技術が加速度的に進化する現況では、今後もさらなる調査、議論が必要となると思うがまずは今回の決定を受け選手が練習に集中し、半年後に迫る東京オリンピックを含めた最高の舞台で活躍できることを願っている」としています。

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