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【スペシャル対談】メンタル・ヘルス・ビューティ―そのすべてにアプローチする人生100年時代のためのキーワード

2021年3月、東京大学大学院工学系研究科・徳野慎一特任教授と、防衛医科大学校生化学講座・佐藤泰司教授に、【高濃度水素ゼリー】開発にも携わるヘアメイクアップアーティスト・森ユキオ氏がインタビュー!
水素が叶える美と健康のつながりについて、熱い議論を交わしました。
(※役職名は取材当時のものです。)

 

老化と活性酸素の関係性


森:肌のシミやシワといった老化現象から、多くの生活習慣病の原因としてもクローズアップされている活性酸素。10年ほど前から水素の持つ抗酸化作用に興味を持ち、素人なりに文献を読み情報収集していました。

 佐藤:2007年に水素の生体への作用に関する最初の論文が発表されて以来、水素の医療関係への適応に関する論文は世界で優に500報を超えています。

 徳野:ある程度は体内に存在する抗酸化物質が活性酸素を除去してくれます。ですが、過剰に作られてしまうと体の中で様々な弊害を引き起こします。これが酸化ストレスと呼ばれるものです。中でも酸化力の強いのがヒドロキシラジカルで、様々な疾患の要因となっています。

 森:老化現象や生活習慣病が引き起こされる原因とされている、ヒドロキシラジカルによる炎症を抑える物質として水素が有効なのですか?

 徳野:その通りです。

 森:体の内外ともにですが、肌のパフォーマンスにも直結する問題です。水素の力で、肌を酸化ストレスから守ることはできるのでしょうか。

 徳野:角質層があるので、いかに入り込めるかが重要となります。パックの商品化ができれば可能性が広がるかもしれません。体内での水素の寿命は短いので、効果を感じてはいても証明することが非常に困難です。分子のサイズから角質層は通り抜けると思いますが、パックのように長時間肌と接している必要があります。

 森:水素ガス吸入、風呂用の水素発生機、そして【高濃度水素ゼリー】。水素の摂取方法は多様性に富んでいますが、それぞれ効果の出方が違うと感じていて。

 佐藤:それが水素の不思議なところです。興味深いことに、水素の摂取方法によって、効果が大きく違うということが知られています。例えば、パーキンソン病では水素ガスよりも、水素水の方が効果があると言われています。【高濃度水素ゼリー】という投与法は、最初聞いたときはピンと来ませんでしたが、面白い投与法だと思います。新菱さんの特許技術を応用したものだと聞いていますが、水素分子をゼリーに閉じ込めることができると聞いて驚きました。水素ゼリーが他の投与方法と比べてどのような違いがあるのか、研究のアウトカムに興味があります。

 徳野:【高濃度水素ゼリー】は、「全く新しい水素の摂取方法を提案する」今までなかったサプリメントです。肌へのアプローチは【高濃度水素ゼリー】を食べることで効果を感じることもできると思います。


東京大学大学院工学系研究科・徳野慎一特任教授


水素が認知されにくい現実


森:
有害な活性酸素・ヒドロキシラジカルにだけ効果を発揮するという素晴らしい特性がありながら、世間からの信用度はとても低いのが現状です。

 佐藤:水素の医療応用への研究自体、新しい分野で実質的には2007年からと浅いものです。これまでも古今東西、多くの偽科学が生まれていることはよくご存知だと思います。我々研究者はピア・レビュー(注:論文が学術雑誌に掲載される前に分野の専門家が評価すること)された論文がどれだけ存在するかで、偽科学かどうかを比較的簡単に見破ることもできます。もちろん、ピア・レビューされた論文でも間違いはありますが。

 徳野:以前問題になった、水素が一切入っていない水素水の自主回収問題も尾を引いているように思います。水素の概念として、水素分子でなければ効果を発揮することはありません。保存安定性の問題に加えて、「水素」という言葉に、水素分子と水素原子が混同してしまっているので、水素はすべてニセモノだというレッテルを貼られてしまったことが要因と考えられます。

 森:エビデンスのない美容法ばかりが流行し、根本解決に至らないプラシーボ効果だけに頼るような商品が溢れています。実際に正しい方法で水素を取り入れているモデルやタレントの方々は、皆若々しく健康的です。

 佐藤:水素がどのようなメカニズムで、どのような効果をもたらすのか依然謎に包まれたままです。水素が広く医療や美容で使われるようになるためには、どうしてもメカニズムの解明が必要です。現在、多くの研究者がこのメカニズムを解明するために努力しています。今年の夏に東京で行われる学会でもこのことが議論される予定です。

 徳野:水素分子ってものすごく小さいんです。それに寿命が短い。体に入ると一瞬で分解してしまうので、追いかけるのも難しい。なので、研究者は苦労しているのです。

防衛医科大学校生化学講座・佐藤泰司教授

 

医療における水素の可能性


森:水素に関して、医療としては一般的にどのような認識なのでしょうか。

 佐藤:医療界では実験レベルと言わざるを得ません。ただ水素の持つポテンシャルは非常に大きいと思います。今後、水素が医療認可されれば医療も大きく変わる可能性があります。

 森:うつ病、歯周病、脳梗塞… 具体的にどういった症状に効果をもたらすことが期待されていますか?

佐藤:脳梗塞の治療に関して言えば、アルテプラーゼ(t-PA)という脳梗塞治療薬が使われるようになってから大きく進化しました。しかし発症から4.5時間以内でないとt-PAを用いた超急性期治療の対象になりません。
 例えば僻地に住んでいる方は発症後、ヘリコプターで運ばれたとしても厳しい時間の壁があります。ですが実は、搬送中に水素を吸引することでt-PA治療のリミットを大幅に延長できる可能性があります。

 徳野:治療行為は医者にしか認められていないので、救急隊員や看護師の判断では処置できないんですね。酸素吸入のみ許されているのが現在のガイドラインです。

 佐藤:救急のガイドラインはそう簡単に変えられません。しかし水素を使うことで、今まで助けられなかった患者を救うことができる可能性があります。そういった可能性が浸透することで、世の中の認識が変わっていくと思います。

 徳野:歯周病に関しては岡山大学の歯学部、新菱と共同研究しているところです。【高濃度水素ゼリー】をマウスに投与したところ、免疫系を改善していることはすでに実証済みですので、リウマチや花粉症、アレルギー症状には一定の効果を得られると考えています。精神的なストレスも炎症の一種とする考え方が最近では主流となっているので、水素でうつ症状を抑えることも期待できます。

 森:近年増加の一途を辿る大腸がんにも効果はあるのでしょうか。

 徳野:マウスレベルでは結果が出始めています。やはり、これからもう少し研究を進めていきたいですね。美容に関して言えば、腸が綺麗になると女性は綺麗になりますよ。

 森:腸活美容も最近話題となっています。毎日続けやすい【高濃度水素ゼリー】は効果的な摂取方法ですね。

 徳野:今後の研究対象は動物から人間(臨床研究)へと進んでいきます。今後そういった論文が出てきたら、水素への偏見もいつしかなくなると思います。

 森:水素が薬と呼べる日が来るのでしょうか?

 佐藤:水素が医療の現場で実際に使われるようになるためには、未だいくつかのハードルがあります。水素がどのようにして色々な病態に効くのか、メカニズムがまだ詳細に解っていません。メカニズムが解明されないと、有効性と安全性のバランスが解らない。薬の世界では、効果は確認されてもメカニズムが解らないために医療で使われず、何十年も経ってメカニズムが解明されてから使われるものも多くあります。


ヘアメイクアップアーティスト・森ユキオ氏


 副作用の報告がない水素

森:保存安定性が課題の水素ですが、逆に摂取の上限や副作用はあるのでしょうか?

 徳野:リスクはなく無害、デメリットは聞かないですね。副作用の報告は今まで一件もありません。

 佐藤:副作用がないということは、未病の方にも使いやすい。「健康」と「病気」の二分論ではなく、その間の状態を「未病」として捉え、病気が大きくなる前に改善しようという考え方が注目されています。これまでの日本の医療は未病に関しては積極的に関与してこなかった。今の制度では医師が確定診断しないと積極的な治療を始めることは難しい。高齢化率が高まる中、未病改善は重要な政策となっていくでしょう。

 徳野:例えばうつ病防止のために薬を摂取することは不可能ですが、水素なら健康な方が摂取しても、うつへの抵抗性が高くなる。これはとても有効な手段です。

佐藤:水素は「ストレスレジリエンス」の強化にも効果があるという報告があります。ストレスレジリエンスとは「ストレスを感じてもしなやかに回復し、乗り越える力」という意味です。近年、心理学や精神医学などの領域でよく用いられている用語です。

森:サプリメントを自分で選び、摂取するより効率的ですね。

佐藤:「サプリメントを飲んでいる人間の方が寿命が短かった」という疫学研究の報告があります。活性酸素はひとくくりにされがちですが、体にとって必要な活性酸素も存在します。水素は毒性の強い活性酸素を選択的に除去すると考えられており、これが他の抗酸化剤と比較して副作用がない理由の一つと推測されます。また、水素は活性酸素と反応しても最終的には水となってしまうため、代謝物が蓄積しません。これも副作用がない理由の一つと考えられます。

徳野:水素は免疫反応の暴走を食い止める作用もあります。コロナ禍の現在はより、興味深い分野となる可能性が高いと思います。

 森:精神的な炎症であるストレスにはもちろん、日焼けやヘアカラー剤の有毒性を打ち消す効果など、水素の良さを肌で感じています。

 佐藤:これまでも、間違った知識から多くの有害な美容方が生まれてきました。正確な知識を基に、美容に貢献したいという森さんのような考え方はとても心強いです。

 森:メンタル、ヘルス、ビューティの垣根を超えた、日常における様々なシーンで水素を取り入れることが当たり前になる日が来ると今日確信しました。研究が進み、一般的に正しい認知が進むことを切に願います。

 佐藤:エネルギー問題と環境問題に関しても、水素は同時に解決できる唯一のものだと言われています。水素社会がやってくる日も近いかもしれませんね。



 PROFILE

徳野 慎一
東京大学 大学院 工学系研究科 特任教授
神奈川県立保健福祉大学 ヘルスイノベーション研究科 教授

元自衛隊医官の経験から、自衛隊員のメンタル問題を研究。声からメンタルの特徴を解析することで、その病態を知る「音声病態分析学」の第一人者。


佐藤 泰司
防衛医科大学校 生化学講座 教授

多彩な効果を発揮する水素分子を第一線で研究。麻酔科領域における水素の利用について世界をリードする研究内容で国内外から注目されている。


 森 ユキオ
ROI ヘアメイク 代表
ヘアメイクアップアーティスト

雑誌や広告をはじめ、年間400本を超える撮影をこなす人気ヘアメイクアップアーティスト。数々のビューティプロダクトにおけるヒットメーカーとしても知られる。


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