総合型大学入試の問題点(2)

 「安田 理(安田教育研究所代表)の意見」として、マイクロソフトの私のニュースフィードに出てきた。私用に、既に長期にわたってパーソナライズされてきているので、私の興味関心に沿った最新の記事が流れてきて助かっている。ところが、このニュースフィード記事には引用元がない。たぶん、マイクロソフトCopilotのまとめ記事かもしれない。多分、安田さんを検索したら、容易に情報元(ウェブサイト)が出てくると思う。ここに、安田さんのニュースフィード記事をコピペする方が問題と思うので、引用元の開示はこの程度で許容されていい、かな?

 安田さんの記事の要約は、
1.公私・大学のレベルによって一般型選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜で入学してくる生徒の割合が違ってくる。
2.高校の「探求学習」と総合型選抜は相性がいい。
「ほとんどが教科の授業で講義型という学校が少なくなり、多寡はあるにしてもPBL型(問題解決型)、対話型、グループ活動型の授業時間が増えている。「探究学習」は現行の学習指導要領で重要視されている。このように探究学習に比重を置く授業形態になれば、総合型選抜が増えてくるのは構造的にも必然と言える。」
3.総合型選抜を使っているのは、偏差値の高い大学と低い大学である。偏差値の高い大学は、タレント(異能)・サーチに、偏差値の低い大学は、学力だけでは不合格する生徒を拾い、学生数(入学金・授業料)を増やす生き残り作戦のために使う。
4.総合型選抜、学校推薦型選抜は、早く安心できるという、大変魅力的な年内入試となり、生徒・保護者の人気がますます高まっている。
5.大学側は、少しでも生徒を取り込もうと、大学連携などがさかんになる。指定校枠がうまく機能していない。
6.このような状況下では汎用力のある基礎学力をつけた方がいい。ある私学の校長の話として、
 「難関大学の総合型選抜は学校のカリキュラムの一部を利用して突破できるものではありません。家庭環境から一般レベルを超えていないと難しいです。かといって、学校のカリキュラムでどうにかなる大学は、高1からそこを目指して勉強するほどの意味も感じません。」

よく調査されていると思う。

 このような昨今の潮流から、探求学習、英語教育の特徴を出してくる私立中高一貫に人気が高まり、中受熱の盛り上がりも自然の流れでなのでしょう。私は、主に偏差値の高い大学の総合型選抜について考察したい。

 数ある問題点(のちに一つ一つ考察する)の一つは、探求学習は、援助する側のいろいろな癒着が出てきてしまうことである。例えば、親が手伝いすぎる弊害がある。そして、それが入試の評価点として加味され、合否決定に影響するとなると、大変な不平等を生み出す。

もちろん、アメリカの大学でもその問題は存在する。(続く)

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付記として安田さんの指摘をここにメモしておきたい。
・人気大学の指定校枠をめぐる校内競争が熾烈になっている
・英語外部検定利用入試の増加(低学年から外部試験を受けまくるケースも)
・学校推薦型選抜は専願が基本だが、併願可能な学校推薦型選抜も登場
・基礎学力テストを課す形もあり、一般選抜の前倒しのような入試も登場→偏差値の低い大学の一般選抜の受験者がいなくなる

大学入試の混迷の時代の到来ですね。