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#牧場をつくる 15 農地取得の流れを整理

牛舎の建築がいよいよ始まります。
8月上旬から建設予定地の整地が始まりもうすぐ基礎工事、10月後半に牛舎が完成する予定。
益子に初めて行ったのが2019年11月22日だったので計画案から約2年で牧場スタート切ることができそうです。

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牛舎の設計も大変でしたが、土地の取得に関わる手続きも盛り沢山でした。せっかくなのでここまでの流れを一旦整理したいと思います。

土地情報を調べる

候補になっている土地を誰が持っていて、どういう状況か、過去にどんな流れがあったのかを整理しました。
本懐法務局で調べることなのでしょうが役場の方が協力して一緒に調べてくれました。

地権者との話し合い

2020年3月27日に初めて地権者、3名の方(Oさん、Sさん、Yさん)にお会いしました。

これから牧場を作りたいこと、土地を使わせていただきたいことをお伝えしました。3名とも土地を使用することに関しては概ね合意していただき、具体的な条件は継続審議ということに。

条件の話し合い

最初に地権者の方々とお会いした後、コロナ感染が広がりそれどころでは無くなってしまい時間が空いてしまい、地権者との話し合いは8月になってしまいました。
Oさん、Sさん方から「購入してもらいたい」旨を伝えられ土地を取得する方向で進めることに。もう1人の地権者Yさんにも購入で進めたい旨をお伝えしご承諾いただきました。

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購入価格

過去の周辺の土地の売買記録を調べ平米単価を出して算出しました。
3名とも根拠に対して快諾いただきその金額で進めることに。
田舎の山ってこんなに安く買えるのか!?と驚くくらいの価格だと思います。

農業公社を通して土地を取得

農地の取得は通常の不動産業者では無く農業公社というところを通して購入することで、
いろんなメリットを得ることができます。
http://www.tochigi-agri.or.jp/guide/01/01-3.html

一旦「地権者→農業公社」へ所有権を移転し、その後「農業公社→森林ノ牧場」へ所有権を移転させます。
手続きを代行していただけたりメリットも多いですが、時間がかかり結局土地の所有権移転が済んだのは2021年6月、地権者さんとの話し合いからは1年以上経ってからとなりました。

一部、農地でないことが判明

しかし、途中で元々牛舎があった土地が既に農地転用されていて農地で無いことが判明。この土地だけは地権者さんと直接土地の売買契約書を作成して相対で契約・購入手続きをしました。
一部だから、と司法書士や不動産業者を通さず自分たちでやることにしたのですがこれが大変。
手続きなんて初めてだし準備する書類もよくわからない。
法務局の方の手違い、単純に「印鑑証明の有効期限が数日過ぎている」みたいなこともあったり。
法務局は那須では無く真岡にあるため、毎回那須から1時間半かけうちのスタッフの菅原が那須と真岡を何往復したことか。。
やっぱり餅は餅屋ですね。
お金払って専門家にお願いすべきでした。

牛舎建設場所の農地転用

牛舎であっても農地に建物を建てる場合その部分の「農地転用」をしないと建物を使ってはいけません。
これも農地法で決められています。
こちらは那須の司法書士さんを通して行いました。
(上記の反省!!)

農業適格法人

農地を購入する場合は農地法で決まりがあって「農業者」でないと購入できないということになっていて、
法人の場合は「農地所有適格法人」でないといけません。

詳しくはお世話になっているマイナビ農業さん。
https://agri.mynavi.jp/2018_12_10_50958/

農地が勝手に他の用途に使われないようにするための制度で、農地は国にとって生産の確保や治水などの災害対策など民間であっても「公」的な意味のある土地だということですね。

認定農業者の申請

農業者には色んな制度が受けられることがあってそのためには認定農業者になっている必要があります。
那須町で既に認定農業者になっているのですが、行政ごとに取得する必要があり、新たに益子町での計画を作成し益子町の認定農業者となりました。

今後、同じ県内であれば行政をまたいで認定農業者となれるそうで、
次回の更新時には那須町と益子町で一つの認定でいいとのこと。

水の調査

これは以前にも記事にしたのですがインフラが整わなければ土地があっても牛は飼育できません。当たり前に水はひけるものと思っていただけに結構大変な部分でした。

放射能の検査

那須では放射能で放牧が制限されているのでそもそもこの土地で牛が飼育できるのかを検査させてもらいまいました。
結果問題なし、セシウムは全く検出されず一安心。

周辺の土地の方への説明

牧場をつくる土地に接する地権者の方には事前に直接説明にあがり一部の方には実際に接する土地の境界を確認してもらいました。
場合によって土地の「境界確定」のために測量が必要な倍もあります。
8haという土地で測量を全て実施すると数百万、婆によって一千万を超える可能性もあるので周辺の地権者との関係性は重要です。

地域住民の皆様、自治会長の皆様への説明会

牧場周辺の住民の皆様には土地取得の目処がついたころ2020年12月に行いましたがこのタイミングはちょっと問題あったかもしれません。
じつは、その1ヶ月前に地域自治会長(周辺の7つの自治会)の皆さんに対して説明会を行いました。
自治会長さんへ先に説明会を行うべきと思って実施したのですが、
地域住民の皆様からすれば
「糞尿の汚染は?」
「匂いは?」
「建築中に道路使えなくなるのでは?」
と何か問題があった場合に被害を受けるのは地域の自分たち。
その地域住民の前に周辺の自治会長へ話に行くとはどういうことだ、というわけです。
地域の方の心情を思えばその通りです。

地域の方への説明

上記の反省を踏まえ、井戸の掘削工事・イベント開催・牛舎建築開始など、節目には自治会長さんへの説明と回覧板への資料配布を行なっています。
新しいことが始まることへの不安感はあって当然です。
最終的に「森林ノ牧場がこの土地に来てよかった」と言っていただけるような信頼関係を築きたいです。

21313_井戸工事について


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