『月刊同朋』2024年3月号を読んでいたら、無駄づくりクリエーターの藤原麻里菜さんという方が出ておられた。無駄づくりの発明をして、Youtubeなどにアップしているクリエーターだ。
藤原さんの言葉でとても勉強になったことがあったのでメモしておきたい。
この視点にはハッとさせられた。何故便利な道具を使って水を汲まないのかと言われた老人は、それでは機心が生じてしまうと。機心とはたくらむ心だそうだ。
これを自分は、人間がロボットのようになってしまう。効率を考えることそのものが目的の生き方になってしまうということではないかと感じた。
どちらにしろ水を得られるのだから良いではないかと思うのだが、そうではなくて、水をえる目的のためにたくらんではダメなんだと。
たくらむ ということ自体が人間の尊さを見失わせるのかなと思った。
また同じく、『同朋』に、哲学者の谷川嘉浩さんがインタビューで答えていることも、大変興味深かった。
アーレントの言葉に衝撃を受けた。「孤独」とは「沈黙の内に自らとともにあるという存在の在り方」であると。また、ラルフ・ワルド・エマーソンは、「私は一人の党である」と言っていると。
私たちは孤独はダメなものとか、寂しいものと思いがちだ。特に若いときほど。しかし本当はそうではなくて、孤独な時間こそが必要なのだ。しかも一人だと思っていても、実際は自らとともにあるのだと。自分に最も近くある。そういう中で思索することが大事で、それは孤独の中でしかできない。エマーソンの言葉からは、一人の中にも多様性があることを教えられる。