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大谷哲夫編著『永平廣録 大全 』読書ノート(7) 世界をひと言でいうならば

 大谷『永平廣録 大全』をひもときながら、道元の上堂語を再読吟味してみよう。
 上堂語2は、世界をひと言でいい表わすとすればどうなる? という問いかけで始まり、道元は最後に自分の考えをサラリと述べる。

「海底の蝦蟇(ガマ)が粥を食べ、天上の月が鉢を洗う」
(海底の蝦マ(虫篇に麻)喫粥(きっしゅく)し、天辺(てんぺん)の玉兎洗鉢(ぎょくとせんぱつ)す)

 無門関の第七則にある「趙州洗鉢」を踏まえているところが、カッコいい。

 海の底に住んでいる世間知らずなカエルも、一生懸命に修行をしている。それを見ている天上の月もまた、一生懸命に修行をしている。世界に生きとし生けるもの、すべてが一生懸命に生きていて、つながりあっている。
 だとすれば、修行僧はどのように生きなければならないか。

 道元はこう問うたのだ。

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